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江夏の21球を解説!(前編)~マグナム小林の二死満塁!:マグナム小林

マグナム小林

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江夏豊選手をご存じでしょうか。元プロ野球選手で現在は72歳なのだそう。阪神タイガースへドラフト1位で入団し、その後南海ホークス、広島カープ、日本ハムファイターズ、西武ライオンズで活躍した投手です。日本のプロ野球を引退した後、今度はメジャーに36歳で挑戦をした方でもあります。

多くの野球ファンの心を揺さぶった江夏豊選手について、マグナム小林先生に解説していただきました。マグナム小林先生が野球を始めるきっかけにもなったそうです。お楽しみください!

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江夏の21球を解説!(前編)

私が野球をやりたいと思うきっかけは、1979年の日本シリーズ第7戦。有名な江夏の21球を見てからだ。日本シリーズの第7戦、1点差で9回裏無死満塁の絶体絶命のピンチを0点に切り抜けるなんて漫画でもあり得ないような事である。見ていて正直、鳥肌が立った。

先日もNHKBSで再放送していたが、何度見てもあの場面は新たな発見がある。今回新たに気付いた事も含めてあの場面を2回に分けて解説したい。

9回裏、近鉄の先頭打者は羽田。初球をセンター前のヒット。江夏はまさか初球を打ってくると思わなかったと言っていたが、打者とすれば追い込まれたくないから早く打ちたいと考えても当然の場面。江夏の読み違いでもあるが、早く終わらせたいという焦りもあっただろう。

アーノルドの時に代走藤瀬がスタート。タイミングはアウトだったが、送球がワンバウンドで後ろに逸れてランナー3塁へ。この場面で如何に藤瀬とはいえ無死での単独スチールは考えにくい。アーノルドのエンドランのサイン見落としという西本監督の話が本当だろう。そもそも不器用なアーノルドにエンドランのサインというのも無謀といえば無謀だが。

アーノルドは四球。江夏からすればそんなに嫌な打者でもないし逆転の走者を出すことになるからピンチを広げるし、歩かせたくなかっただろうが、走られた事による動揺があったのだろう。

平野の場面で代走吹石が二盗。アーノルドのエンドランもそうだが、西本監督は極端に併殺を嫌ってるのが分かる。ただ、走者が二塁に行って一塁が空いた事で平野が歩かされる。走者が一塁のままなら、スコアリングポジションに走者が一人だから、歩かせてわざわざ二人にする事はないから、勝負しただろう。

この場面で走者を返せそうな雰囲気を一番持ってたのが平野。第一ストライクから打つ気満々だった。判定にエキサイトした場面もあったが、それはいつもの事。気持ちが前向きだったし、打つ雰囲気は充分にあった。この日はホームランも打っていたし、江夏も嫌だっただろう。無死満塁にはなったが、平野を歩かされたのが、近鉄の不幸の始まりだったと思う。

つづく

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