令和3年3月20日(土)に開催しました「寄席つむぎ落語会」にお越しいただきましたお客様、ならびに配信をお楽しみくださったお客様、本当に有難うございました。
当初は1月16日開催を予定していましたが、緊急事態宣言発出のため延期に。でも、暖かいこの日で正解だったかも知れません。
今回はお礼とご報告をさせてください。会場にお越しいただけなかった方に少しでも、雰囲気が伝わりますように。
会場の様子
第1回目の寄席つむぎ落語会。あいにくの雨模様でしたが、この雨が近くを走る線路の音を遮断してくれとても静か。この雨でまた一段と春に近づいていくでしょう。温かな雨でした。
会場の門戸寄席 J:SPACEは兵庫県西宮市にあります。西宮市は里光師匠の故郷。小学校や高校時代の同級生が応援に駆けつけてくださいました。中には高校生のお子さんとご一緒にお越しになられた方も。
今回の落語会お配信をお願いしたのは、宇治市の菟道亭さん。菟道亭責任者のGさんは、桂小梅さんの『鉄道写真』を毎回楽しみにしてくださっているとか。開演まで小梅さんと「鉄分高め」の会話を楽しんでおられました。素人はまったくついていけません……。
会場では『寄席つむぎ』の読者さんともお話ができ、とても嬉しかったです。門戸寄席での落語会を毎回楽しみにしておられる地域の方にも、お越しいただきました。有難いことです。
さて開演
トップバッターは桂小梅さん。『寄席つむぎ』で執筆している『鉄道写真』について言及してくださり、その流れで「鉄分高め」のマクラ。師匠であり父親でもある桂梅団治師匠から受け継いでいるのは落語だけでなく、撮り鉄の情熱もということもご理解(?)いただけたかと思います。
ネタは『時うどん』。落語が初めてのお客様がおられたので、分かりやすく有名な噺をチョイス。開演前まで『動物園』と迷っておられましたが、『時うどん』で正解だったよう。客席は笑いの渦に包まれます。
続いて今回のメイン出演者の笑福亭里光師匠です。が、出囃子が鳴ってもなかなか高座に上がってこられません。実は里光師匠、羽織の紐を忘れていたようで、小梅さんから借りていたとのこと。初めて故郷での落語会で緊張しておられたようです。
気を取り直して高座に上がり、マクラは子供の頃あこがれだった「いかりスーパー」の話題。高級スーパーで、首都圏なら成城石井と同じようなポジションです。西宮市に住む方なら共感間違いナシのマクラでした。
ちょっとハプニング?
里光里光師匠の一席目は、『荒大名の茶の湯』です。元は上方講談で笑福亭鶴光師匠が講談師の旭堂南鱗先生にネタを譲ってもらってから、落語界にも広がっていきました。里光師匠は師匠である鶴光師匠からつけていただいたもの。
さすが東京の寄席で修業しただけあると分かる、端正な口調。サゲまで順調に進んでいきます。客席も笑い声が響きます。が、肝心のサゲが大阪の『荒大名の茶の湯』より前の場面。普段、大阪の『荒大名の茶の湯』を聞きなれているお客様は、まだ続くと思っておられたよう。
何となく拍子抜けだったのは高座の上の里光師匠にも伝わったようで、高座を下りずそのまま二席目の『徂徠豆腐』に。こちらも元は講談のネタです。里光師匠は人間国宝の神田松鯉先生につけていただいたとのこと。その時にいただいたアドバイスをマクラにふります。
大阪ではめったに聞けない『徂徠豆腐』に、お客様も大満足だったようです。
仲入り後は、前座修業中に鶴光師匠から教えていただいた『竹の水仙』。この『竹の水仙』、とても思い入れの深いネタなのだそう。その分、客席の笑い声も大きかったように感じました。
サゲの後は大きな拍手が起こり、無事「第1回寄席つむぎ落語会」は終演です。
有難うございました
沢山の笑い声と拍手に包まれた「第1回寄席つむぎ落語会」。良いお客様と素晴らしい会場で、運営側も楽しく開催させていただきました。
年度末で春分の日、しかも雨という中お越しいただいたお客様、配信をご覧くださったお客様には感謝しかありません。
また『寄席つむぎ』のこぼれ話をお楽しみいただけるイベントを計画中です。次回もお楽しみに!
第1回寄席つむぎ落語会 令和3年3月20日(土)19時開演
一、時うどん 桂小梅
一、荒大名の茶の湯 笑福亭里光
一、徂徠豆腐 笑福亭里光
仲入り
一、竹の水仙 笑福亭里光