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寄席つむぎは元・三遊亭天歌さんを応援します ※執筆芸人さんは無関係です

吉原馬雀

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落語界に激震を走らせた、元・三遊亭天歌さんによる師匠からのパワハラ告発。華やかで笑いあふれる寄席の裏で、若手が繰り返し悔しい思いをし続けてきました。告発しなければ、誰も手を差し伸べることはありません。それが「伝統」だから。

寄席つむぎ代表であるふじかわは、元上方講談師です。元・天歌さんがどのような状況だったか、手を取るように分かります。勇気を振り絞ったこの告発を、見過ごすことはできません。

寄席つむぎは、元・三遊亭天歌さんを応援します。

なお、執筆芸人さんがこの応援に賛同しているとは限りません。ふじかわ陽子及び寄席つむぎ運営部としての応援です。執筆芸人さんに問い合わせ等は行わないようにしてください。

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まずはフライデーの記事をご一読ください

落語界の名跡「三遊亭圓歌」の”壮絶暴言&暴力”を弟子が実名告発 | FRIDAYデジタル
12年間の”我慢”を経て、勇気ある告発に踏み切った三遊亭天歌氏。インタビューの間、笑顔は全くなかった 「落語の世界ですから、師匠の小言は弟子にとって金言だと思っています。でも、暴言と暴力は、決して“小
三遊亭圓歌の「壮絶パワハラ」を弟子が実名告発しようと思ったワケ | FRIDAYデジタル
師匠の四代目三遊亭圓歌(左側)と、弟子の三遊亭天歌(右側)(一般社団法人落語協会ホームページより) 〈憧れの落語家に入門したら、そこから始まったのは「暴力と暴言」の毎日だったーー。前編「落語界の名跡『
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義を見てせざるは勇無きなり

正直、ベテラン落語家並びに落語協会と全面戦争になる方を応援するのは怖いです。元々、寄席つむぎと落語協会は付き合いがありませんが、今後、敵対関係になる可能性があります。一団体と敵対関係になったなら、他の団体とも敵対関係になることも想定されます。現在、良好な関係を築けている上方落語協会の会員さんたちとも、付き合いが出来なくなるかもしれません。

それでも見過ごせません。

彼が受けてきた暴力の数々は、指導の域を超えています。こんなものが落語の修業であるはずがない。理不尽な暴力を受けると落語が上達するのであれば、歌舞伎町のホストの方が落語は上手になるでしょう。

なぜ、今まで誰にも相談しなかったのかと疑問に思われる方もおられるはずです。ハッキリ言って、演芸界の人間に相談しても無意味なんです。色々話しても、結局出てくる答えは「我慢」。私(ふじかわ)も経験があります。我慢ができないなら、辞めるしかない。

もうこんな極端な考えは、演芸界のみならず社会から消えてほしいと考えています。元・天歌さんもTwitterでおっしゃっていました。「我慢以外の選択肢」が必要だと。

そのために、元・天歌さんは告発をされました。

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破門は一人の芸人の「死」

落語界のみならず、演芸の多くは徒弟制度です。師匠と弟子が疑似親子になり、芸の伝承を行う。信頼関係が築けていれば、これほど心強い制度はありません。弟子は師匠の背中を見て将来のビジョンを描き、師匠は弟子の姿を通じ自分の人生を見つめる。素晴らしいことです。

ただ、徒弟制度には大きな欠点があります。それは「破門」の存在です。

ひとたび破門になればプロとして仕事ができず、慣れ親しんだ芸名も使えません。今まで仲間だと思い親しく付き合ってきた人とも縁が薄れます。人によっては、破門を命じた師匠の機嫌を損ねることを危惧し距離を置いたり、積極的に悪口を言いふらしたりすることも。あることないことを言いふらされたなら、新たな師匠に入門したくても難しくなるでしょう。

つまり破門は、一人の芸人の「死」なのです。

この「死」の恐怖から逃れるためには、師匠の肉体の「死」を待つよりほかないのが現状です。最も信頼すべき師匠の「死」を待つよりほかないのは、あまりにも悲しいことではないでしょうか。

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ダブルバインドで追い詰められる

生殺与奪を師匠に握られているため、弟子は師匠の顔色をうかがって生きなくてはなりません。無茶を言われても従い、弟子の言葉にまったく耳を傾けてくれなくても当然と。

「こっちから頼んで来てもらったんじゃない、嫌なら辞めたらいい」

これが、東西問わずよく言われる言葉です。伝統芸能の世界だけでなく、伝統工芸や洋楽器の世界でも言われていると耳にしていますので、日本の「伝統」なのでしょう。この「辞める」か「従う」かのダブルバインドで追い詰められ、心身に不調をきたす人は少なくありません。私も双極性障害2型になりました。

余談ですが、上方演芸界の情報がよく私の耳に入っていた2001年~2010年ごろまでで、うつ病などで高座や下座を去らざるを得なかった人は私を含めて4人。うち2人が亡くなっています。抗うつ剤や精神安定剤、睡眠導入剤を服用しながら高座に上がっていた人は、私が知る限り当時で7人おられました。落語と講談を合わせて200人もいなかった時代です。この数が多いか少ないかは分かりません。

ただ、上方に限っていうなら、私が活動をしていたころより、今は若手の表情は生き生きしています。少し安心です。

安心できる相談窓口を

現在、師弟関係に悩んだとしても、調整してくれる人はほぼ存在しません。私がいた15年ほど前と変わらず、「我慢」か「辞める」の2択です。少しの配慮、少しの知恵があれば解決できることもあるはずなのに、この極端な2択しか選べないのです。若手もベテランも。

極端な2択しか与えられないと、今度は考えることを止めます。考えるだけ無駄だからです。そうなると、どんどん解決から遠のいていきます。加えて、考えることを止めますから、新しい発想も生まれにくくなります。だから、相も変わらず同じことの繰り返し。これではお客さんを楽しませるはずの、落語会も寄席も面白いものにはなりません。

そうならないためにも、情報が漏れることなく相談ができる窓口が必要ではないでしょうか。元・天歌さんがゴールに設定しておられるのも、この「相談窓口の設置」です。窓口は演芸界とは無縁の弁護士が担当し、法的観点から師弟関係に不法行為はないかを判断してもらう。必要なら、師匠や弟子に指導も入れてもらえる。

実は、「我慢」と「辞める」の2択を迫ることも不法行為になる可能性があるんです。「強要」ですから。やろうと思えば、パワハラ防止法を使わずとも民事刑事共に訴えることが可能です。ついでにいうと、「こっちから頼んで来てもらったんじゃない」と責任を弟子に負わせるのも、不法行為にあたる可能性があります。

寄席つむぎにできること

寄席つむぎとして、元・天歌さんに協力できることはあまりありません。パワハラ報告を受け付けるぐらいです。私個人でできることは相談できる議員探しと、このトピックを扱ってくれるメディア探し。これぐらいでしょうか。

可能なら、元・天歌さんの進捗状況を寄席つむぎで報告できればと考えています。ただ元・天歌さんとスケジュール調整が上手くいけばなので、必ずしも実現するとは限りません。

それでも、小さな団体が「応援する」と声を上げることこそ必要だと考えています。地域寄席の世話人さんや小屋の席亭さんも声を上げやすくなるはずです。演芸を愛する者は、パワハラを決して許してはいけません。お客さんに安心して笑っていただけるよう、脇にいる人間もパワハラを許しちゃいけないんです。

何より、お師匠さんたちにパワハラをさせないようにしたいんです。現状、「厳しく指導しなければ一人前の師匠になれない」という風潮があります。優しい師匠は「弟子に舐められる」と。そんなわけはない。厳しくすればするほど、人間は無気力になると近年の研究で分かっています。

芸歴15年以上の方は自分が受けた被害を思い出す前に、自分が加害者になっていないか振り返っていただけると幸いです。もう若手にとって、加害する側に立っています。

読者さんにお願いしたい5つのこと

寄席つむぎの読者さんに5つお願いがあります。できる範囲で構いません。1つでもしていただければ助かります。

一つ目は、元・天歌さんのTwitterとYouTubeをフォローです。フォロワー数が全てではありませんが、はやり数は力です。見える形で「これだけ注目を集めています」を多くの人に知ってもらいたいと考えています。リツイートや動画の拡散も可能ならお願いします。

Twitter 

YouTube

二つ目は、フライデーに感想を送っていただけないでしょうか。Twitterにリプライを書き込んでください。読者からの反応があると続編を出しやすい環境になります。Yahoo!ニュースのコメント数も多いですが、Twitterの方も盛り上げていければと考えています。現在、元・天歌さんはようやく破門届を出してもらえましたので、一歩前進したことを伝えていただけると助かります。

コチラ

三つ目は、週刊誌・新聞・テレビ・インタビュー系YouTubeのタレコミフォームに、元・天歌さんのことを送ってください。元・天歌さんのTwitterやYouTube、フライデーの記事のURLを添付するのもアリです。ご自身の立場を明らかにしていただいた方が、タレコミとして採用されやすくなります。例として文春オンラインのタレコミフォームのページを紹介します。

文春リークス

四つ目は、厚労省が作成したパワハラ防止法のガイドブックに目を通してください。何がパワハラにあたるのか知ることで、いざという時に目の前で苦しんでいる人を助けることができます。

コチラ

五つ目は、パワハラを絶対に許さないでください。「伝統」の名のもとに苦しむ人を生み出さない。そう、客席も心を一つにしてください。お願いします。

元・天歌さんへの投げ銭はお取次ぎしかねます。ご了承ください。