阪神タイガースが、9月14日に18年ぶりのリーグ優勝を果たしました。ホーム球場である甲子園球場での快挙に、京阪神地区は大盛り上がりを見せました。この快進撃の源は、いったい何だったのでしょう。マグナム小林先生が分析してくださいました。
さあ次はクライマックスシリーズですね。まだまだ阪神タイガースの活躍から目が離せません。
阪神、18年ぶりのARE
岡田さんが監督に就任された時に関西以外の野球ファンが思ったのは、岡田さん、随分と老けたなあ。大丈夫か?だと思う。関西以外のファンはこの5、6年岡田さんを見てなかったので驚いたと思う。
正直、タイガースは普通にやれば優勝する戦力はあったし、岡田さんがやれば少なくとも2年以内には優勝するだろうと思っていた。岡田さんが辞めた後だって、14年でBクラスは5度しかないんだから戦力はある。今までの監督は何をやっていたんだろうと思う。逆に言えば、普通にやるというのは難しい事なのだろう。
岡田采配、一番のヒットは、中野のセカンドコンバートだと思う。これの成否が今年のタイガースを決めたと言っても過言ではない。これによりショートに木浪が固定され、近本も含めてセンターラインが固まった。そして、近本、中野の1、2番も固定された。これは本当に大きかったと思う。エラーはそれほど減らなかったかもしれないが、併殺は増えたし、中野の守備の負担が減って、打撃に集中出来るようになった。タイガースの1、2番は12球団一。クリーンアップ以上に相手チームの脅威だった。
もう一つのヒットは、村上、大竹の起用。彼らは去年までほぼ実績もなく、そういう目で見ていたら、起用すら可能性もあった。二人とも剛速球の持ち主ではないので、見落とされる危険性はかなりあった。岡田監督がフラットな目で見た成果だと思う。前半、西、青柳が不振だっただけに彼らの活躍がなければ優勝はなかった。
これは目に見えるところで、目に見えないところでの選手とのコミュニケーションもうまくいったのではないか。自分の考えを押し付けず、休養などを入れながら、柔軟に対応していた。これはバファローズ監督時代の経験が生きたのだと思う。あの時は上手く行きかかったけど、最後は空中分解してしまった。人間、成功体験ばかりではなく、失敗も経験する事で、引き出しが増えるのだろう。
MVPって、替えが利かない選手と私は置き換えられると思う。その点で言うとタイガースで一番替えが利かないのは近本だと思う。今の阪神の打線の軸は一番打者とはいえ近本だと思う。近本が欠場すると途端に得点力が半減する。今年は四球が増えて出塁率がアップしたし、八番木浪が出塁すると返す役割も果たした。相手にとってピンチで出てきて一番嫌な打者だと思う。全盛期の阪急は福本さんが打線の軸だったし、2003、2005のタイガース優勝の時は赤星が打線の軸だった。一番打者が打線の軸になる事もある。
恐らく、日本シリーズはタイガースとバファローズだろうが、私はタイガースの1、2番とオリックス投手陣の対決が命運を分けると思う。