かつてのスター選手の訃報。それは50年来のプロレス愛好家である笑福亭仁嬌師匠の胸を痛ませるものでした。そのスター選手とは、アニマル・ウォリアー。彼の輝いていた日々を振り返り、死を悼みます。
あの日のアニマル・ウォリアーの雄姿を瞼の裏に思い浮かべながら、お読みください。笑福亭仁嬌師匠によるプロレス談議、第5回のゴングが鳴り響きます。
ウォリアーズやあ
今日(2020.9.24)ネットのニュースでアニマル・ウォリアーが亡くなったという報道があった。
享年60 60歳?わしより若かったんや。
1980年代から90年代にかけて日本でも大活躍したレスラーであった。
フォーク・ウォリアーと組んでのコンビ、ザ・ロードウォリアーズは当時の最強コンビであった。
と、ここまで書いたがこれを読んで頂いてる何パーセント方がウォリアーズをご存やろか。
ほら、二人とも筋骨隆々で顔にバイオレンスなペイントしてスピード感満点のパワーあふれるレスラーやんか。えっ知らん?そらしゃーないな。
それはそれとして続けます。
初来日は全日本プロレス、キラーカーン・アニマル浜口組対ザ・ロードウォリアーズ
わくわくさせる入場曲「アイアンマン」が流れると全力疾走でリングイン、これも驚いた。
今までのプロレスの概念をひっくり返すような試合ぶりであった。
大概の選手は歩いて入場するがウォリアーズは走りロープの一番下から素早く滑り込んでのリングに入ったかと思うとすぐに相手につかみかかる。
当時のプロレスは試合前に花束をお若い女性がレスラーに渡すセレモニーがあったがウォリアーズは関係なしリングアナウンサーのコールも聞くことなく試合が始まることも珍しくなかった。
だからそういう試合が続いたためか花束贈呈は対戦する相手選手だけになった。
試合内容も独特であった。ほとんど相手の技は受けない。攻撃オンリー。
試合時間は5分以内が多かったように思う。
戦いの始まりは手四つに組むなど静かなスタートが多かったがウォリアーズはいきなりハイスパートレスリングである。
怪力にものを言わせる試合ぶりで、ボディスラムも肩に乗せて投げるのではなく重量挙げのように相手選手をバンザイするように持ち上げて放り投げる。
驚異的であった。
必殺技は「ダブルインパクト」アニマル・ウォリアーが相手選手を肩車で持ち上げるとフォーク・ウォリアーがロープ最上段からラリアットをくらわす。
説得力抜群の技である。あの技を食らったら終わりやと思わざるを得ない。
ジャイアント馬場さんはテレビで「ウォリアーズの下半身を狙うか寝技に持ち込むのがいい」と解説していたが思うようにはならず、時のインターナショナルタッグチャンピオン鶴田&天龍組がウォリアーズに負けベルトを
奪取された。
筋肉、技、スピード、力、見た目も超一流であった。
リングでは暴れまわったアニマル・ウォリアーであったが、普段は紳士だったそうな。
暴走戦士よさよなら。
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