熱戦が繰り広げられる夏の甲子園、汗と涙が飛び散り青春の光を放っています。全国中継される高校野球だけでなく、地方大会でも暑い戦いがあったよう。千葉県代表「専修大学松戸高等学校」の素晴らしさはいうまでもなく、他校にもキラリと光る選手がいました。
さて、マグナム小林先生が見た高校野球 千葉県大会はどうだったのでしょうか。
高校野球千葉県大会を振り返る
今年の夏の高校野球千葉県大会は専大松戸が優勝。去年の秋の新チーム結成から公式戦県内負けなしでの優勝ではあるが、全てが圧勝という訳ではなかった。
特に準々決勝の拓大紅陵戦は、延長で併殺が完成されていれば負けていた試合だった。決勝の習志野戦も8回表までは敗戦ムードが漂っていた。こういう劣勢であったり、競った試合を勝てるのは、まず一つに強豪相手でのそういった試合の経験が豊富な事。選抜や関東大会など他の県内の学校にはない経験をしてる強みがあった。もう一つは部内での競争による緊張感のある練習が出来てきた事がある。そういう練習が出来てるチームはここ一番に強い。昔のPLや現在の大阪桐蔭なども同じ事が言える。
ただ、県内で頭抜けた力で制した訳ではないので、全国大会でどうかと言われるとそれは分からない。他県の決勝を見ると専松より力強いチームは沢山あるので、専松の試合運びの上手さが通用するかどうかはやってみないと分からない。全国大会で上位に行かれるかどうかは、準決勝以降不調だった平野投手の復調にかかってると思う。
今大会は商大附が旋風を巻き起こした。商大附というと我々世代では中日、ロッテで活躍した平沼投手を思い出すが、夏は5回戦あたりが壁になっていた。木更津総合に打ち勝った試合は印象に強く残った。
拓大紅陵は本当にあと1アウトまで専松を追い詰めた。我々世代は紅陵の全盛期を見てるだけに久々の優勝を見たかったが、近いうちに甲子園に行かれそうな手応えは充分に感じた。
習志野、志学館もあと一歩のところまでいったが、結局、習志野は湯浅、志学館は鈴木に頼り過ぎて最後に力尽きて専松打線に捕まってしまった。一人の投手に頼り過ぎると千葉は勝ち抜けないという事。もう一人使える投手がいたら、甲子園が見えただろう。
最後に幕張総合の早坂投手は専松打線に捕まったものの、噂に違わぬいい球を投げていた。専松の平野投手との投げ合いは見応えがあった。捕手から投手に転向して一年という事を考えたら、まだまだ伸びしろがある。プロで見てみたい投手だ。