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TNR~猫と銭湯と私:月亭天使

月亭天使

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猫カフェと聞いて、どのようなものが頭に浮かぶでしょうか?血統書付きの猫たちがゆったりくつろいでいる猫カフェもありますが、不幸な猫のシェルターになっている猫カフェもあります。

今回、月亭天使さんにシェルターになっている猫カフェについてつづっていただきました。天使さんの温かいまなざしで描く保護猫の世界とは?お楽しみください。

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TNR

今日は「猫と銭湯と私」の猫、それも保護猫カフェについて書いてみたいと思います。

皆さんは、TNRという言葉を知っていますか?

♪妖精たちが 夏を刺激する♪ナマ足魅惑のマーメイド♪

という歌を歌う、黒い短パンを履いた男性アーティストではないです。

そうそう、それは、TMレボリューションやがな!

毎度、ツッコミ、ありがとうございます。

TNR、それは、「飼い主のいない猫」に対して、Trapー捕獲し、Neuterー避妊手術をした後、Returnーもとの場所へ戻すという活動のことを言います。この避妊手術を受けた猫は、麻酔が効いている間、耳先をカットされ、その耳の形が桜の形に似ているので「さくら猫」という愛称で呼ばれることもあります。避妊手術をすることで、地域の野良猫が増えるのを抑止し、地域猫として一代かぎりの命を見守ろうという取り組みが、最近、各地で行われています。

我が家の愛猫、きなこが天へ昇って、半年ほどたった頃、猛烈に猫ちゃんと戯れたくなって来ました。

巷はちょうど猫カフェブーム。

しかし、何件かの猫カフェに行って感じたのは、「猫が疲れている」ということでした。

撫でてあげようとすると、頭を引っ込めて、逃げてしまう。

人間たちの手が届かないキャットウォークに固まって寝ている。

猫のおやつを売り、おやつを買ったお客さんにだけ猫が集まるシステム。

また、生後、数ヶ月というような仔猫をケージではなく、他の猫と一緒に放置し、お客さんがかわるがわる撫で回すというようなところも。

正直、猫が可哀想な気がし、何軒か行ったあと、猫カフェを敬遠していました。

そんなある日、落語の稽古で凹んだ私は、ふと現在地の近くに猫カフェはないかと携帯電話で調べてみることに。すると、歩いて行ける距離に、一軒の保護猫カフェがあるではありませんか。

保護猫カフェ?

それまで行っていた猫カフェは、カフェが飼っている猫という感じでしたが、保護猫カフェは多頭飼育で行き場がなくなったり、飼い主が病気や高齢等で飼えなくなった猫を引き取り、カフェでお客さんと触れ合うことで、お客さんの中から里親を見つけるというものでした。

なんて素晴らしい!

早速、その保護猫カフェへ向かいましたが、今までの経験上、きっと、猫たちは高いところに登って降りて来てくれないんやろうなぁ。しかも、保護猫ということは、人間に対して不信感を抱いているかもしれないな、と思っていました。

ところが、店長さんの案内で、猫のいる部屋へ入ると、何匹かの猫が寄ってくるではないですか。

店長さんに教えてもらった通り、ひざ掛けを足にかけると猫が膝に乗って来てくれたり、潜って来てくれたりするではないですか。

もちろん、すべての猫がそういうわけではなく、キャットタワーから全然降りてこない猫もいます。

けど、それは、自分のタイミングで遊ぶか寝るかを選んでいるだけのような感じです。

今までの猫カフェで打ちひしがれていた私は、なんてパラダイスなんだろうと思いました。

そして、今までの猫カフェとの違いは何か?を考えてみました。

他の猫カフェがどういう飼育をしているかはわからないのですが、その保護猫カフェは店長さんの猫愛がすごいのです。

お店では、軽食も扱っているので、厨房と猫の部屋を行ったり来たりする店長さんですが、ちょくちょく猫たちに語りかけています。

「てつくん、そろそろ、お仕事してくださいよー」とか、

「いっくん、もう夕方やのに、まだ寝てるん?」とか。

猫たちも店長さんが猫部屋に入ってくると、嬉しそうに駆け寄って来ます。

そんなやりとりを見るのも、楽しくて、その保護猫カフェに通うことになりました。

中には、今までの環境のせいか、人見知りをしたり、触れなかったりする猫もいますが、徐々にお客さんに慣れていき、人間の近くでくつろいている姿を見ると、「よう頑張ったなぁ」と感動します。

猫たちも成長してるんやなぁと思い、自分も頑張ろうと思ったり。

また、なかなか、里親が見つからなかった猫がずっとのお家を見つけて卒業が決まると自分のことのように嬉しくなったり。

店長さんの猫への愛情を見ていると、優しい気持ちになります。

そして、大抵、帰り際に、ガラス越し、こっちを見ている猫たちに向かって、「みんな~、お姉さんが帰るよー。バイバイしてね」と店長さんが声をかけてくれます。

「お姉さん…お姉さん…お姉さん…」

それが一番、嬉しかったりして。

いつか、また、我が家に猫が来てくれるとしたら、保護猫カフェで出会いたいなと思っています。

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