今回の影響を受け公演も大幅に減ってしまった宝塚歌劇。ついに開演の時が来ました。
約半年ぶりの宝塚大劇場での公演。待ちに待ったファンには嬉しいニュースでした。
もちろん桂春雨師匠もそのファンの一人。
今回はそんな宝塚大劇場をご案内くださいました。
読むだけで大劇場に行きたくなるコラム。春雨師匠の待ちに待った思いと一緒にお楽しみください。
みちびき
みなさん、ようこそ『麗しのタカラヅカ』へ。ご案内役の桂春雨です。
宝塚歌劇団は新型ウイルス対策で客席数を約半分に絞っていましたが、政府のイベント人数制限緩和を受け、宝塚大劇場では9月25日から始まった月組公演から、前方5列と花道沿い1列を除いた全ての座席に座れるようになりました。
私も永らく大劇場に入っておりません。7月17日から9月5日までの花組公演『はいからさんが通る』も、8月中のチケットを何日か取っていたのですが、コロナの影響で私の予定日はすべて中止になってしまいましたので、観劇できずでした。
最後に宝塚大劇場で観劇した日を手帳で調べると2月20日でした(8月に梅田芸術劇場、9月には東京宝塚劇場には行きました)。今度の月組公演で宝塚大劇場に入るのは約7ヶ月半ぶりですので、今から胸が高鳴っています。
それではいよいよ、みなさんを宝塚大劇場にいざないましょう。
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宝塚大劇場の劇場入口は『改札』と呼ばれています。我が家にある4種類の辞書で調べましたが、『改札』の注釈には「駅で」「駅の」「プラットホームなどの」と書いてあり「劇場の入口」という記述はありませんでしたので、一般的な使い方ではなく、宝塚歌劇独特のもののようです。電鉄会社が作った劇団らしい洒落た呼び名ですね。
改札を通ると、そこは夢の世界。高い吹き抜けのあるメインロビーは、赤絨毯に豪華なシャンデリア、正面には客席へ向かうゴージャスな階段。階段脇の自動演奏のピアノは公演のテーマ曲を奏でていて、観劇気分は自然と盛り上がります。
開場から公演開始まで30分ほどありますので、あわてて席まで行かずに少しロビーをウロウロしてみましょう。ロビーの左側の壁面上部(キャトルレーヴの入口の上)には、公演中の組のスターたちの顔写真が飾られています。
それから女性の方はぜひトイレへ行ってください。ロビーのスターの写真と自動演奏ピアノの間に長い行列が出来ていて、劇場のお姉さんが『最後尾』と書いて札を持って立っているので、そこへ並んで下さい。こんなに並んでいて開演に間に合うのかと心配になりそうですが大丈夫です。1階の女性用トイレは個室が全部で63室もあるので、列はサクサク前へ進みます。
私は女性用トイレに入ったことがありませんが(当たり前ですね)、入口と出口が別になっていて、一方通行になっているそうです。出口の手前にあるパウダースペースは天井にシャンデリアがあり、まるでベルサイユ宮殿のトイレのよう(ベルサイユ宮殿のトイレに入ったことはありませんが、イメージです)。
パウダースペースには、ドレッサーに座ってゆっくり化粧を治すエリアと、豪華な鏡を立ったまま利用する二つのエリアがあり、トイレの中にいても日常を忘れることが出来るように考えられています。
それから私のオススメは1階ロビー右奥(女子トイレの出口の方)にある、大型モニターです。ここでは、公演の稽古場風景の映像が繰り返し上映されています。私は毎回ここで稽古の映像を見て、気分を高めてから客席へ向かうことにしています。
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宝塚大劇場の座席数は2,550席。宝塚歌劇の専用劇場なのでオーケストラピットは常設、オケピと客席の間には『銀橋』というエプロンステージがあるのが特徴的です。1階席2階席とも座席は千鳥配列になっているので、前の人の頭が邪魔になりません。
銀橋や千鳥配列は東京宝塚劇場と共通していますが、大劇場にしかないものは広い土地と空間です。客席間の通路は幅が広く本数も多く、そして、天井も高く空間がとても広く取ってあるので、客席に座っただけで「良いものを観にきた」という贅沢な気分にさせてくれます。
東京宝塚劇場や全国ツアーでしか宝塚歌劇を観たことがない人は、ぜひいちど宝塚大劇場にお越しください。劇場に入っただけで 世俗の憂さが晴れますよ。
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10月3日(土)には天満天神繁昌亭で『ときどきがんばる春雨の会』が開催されます。10時30分開演の朝席です。ぜひお越しくださいね。
桂春雨師匠はTwitter(https://twitter.com/harusamek)も随時更新中。公演情報はこちらをチェックしてくださいね。