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【残席わずか!】今年は去年のリベンジ!桂米左師匠へ独演会についてインタビュー!

ふじかわ陽子

4月20日(火)天満天神繁昌亭で開催される『第24回桂米左独演会』。昨年は緊急事態宣言が発布され、天満天神繁昌亭が休館になり中止でした。今年は満を持しての開催です。

今回は桂米左師匠にネタのお稽古方法を中心にお話をうかがいました。桂米左師匠の落語への思い、米朝師匠への思いが詰まっています。お楽しみください!

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言葉のリズムが違うと覚えにくい

――去年はコロナで独演会が中止になり残念でした。

繁昌亭が休館になってしもたからね。今年はそのリベンジです。って、リベンジやったら同じネタをやれっちゅう話ですが(笑)。

――去年は『崇徳院』『代脈』『皿屋敷』でしたね。

その中では『代脈』が初演の予定でした。今年は『お玉牛』が初演です。桂春雨師につけていただいたネタです。いやあ、覚えにくい。『お玉牛』は師匠米朝のネタやないので、言葉のリズムが違う。

――同じ上方落語といえど、米朝師匠のネタと三代目春団治師匠のネタとは違いますか?

違うね。ずっと師匠米朝のネタを覚え続けてきたから、それが体に染みついている。他の一門のリズムは慣れていないから、なかなか覚えられませんでした。この『お玉牛』も三代目春団治師匠のものとは少し違うんで。春雨師が少し変えています。それを私はまた変えています。

――どの辺りが変更点でしょうか?

三代目師匠だけやなくて先代文枝師匠もやけど、セリフで説明をされるんです。「これこれこうこう」と。うちの師匠はそれを「不自然や」と嫌っていました。聞いている側が「ふんふん」と相槌を打てばええと言うてましたので、私もそれに習います。

――そういう点も一門が違うと変わってくるんですね。

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米朝師匠と三代目春団治師匠の思い出は…

――他に米左師匠は他の一門のネタはされておられますか?

『禁酒関所』や『尻餅』、『天王寺参り』等をさせてもろうています。昔は一門のネタは外に出すなというのがあったかも知れんけど、今はネタの行き来があるね。けど、一門のネタという意識は持っておきたいです。

――今は三代目春団治師匠の代名詞になっている『代書』や『皿屋敷』は、元々米朝師匠がつけたネタとうかがっています。

そうそう。三代目春団治師匠が襲名をする時に、うちの師匠がつけたのが『代書』です。後に賞を取らはった時にお礼の電話がかかってきたと聞いています。

――米朝師匠も嬉しかったでしょうね。

ある時、三代目春団治師匠が『皿屋敷』を高座にかけておられたんです。それを袖からじっと見てはったうちの師匠が、「あれ、俺がつけたんやで。今は俺が稽古に行きたいわ」と言うてはりました。それだけ見事な高座でした。お菊さんが垂直に上がるんやで。

――すごい!どうしても関節があるから、真っ直ぐ上がるなんて出来ないのに。

踊りの名人やったから出来たんやろうね。あんなん普通の人間はできんわ。ほんまに綺麗かった。

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上方は「勝手にやらしてもろてる」が多いけど

――三代目春団治師匠のような名人でも、ネタをちゃんとつけてもらってお稽古に行かれていたんですね。今、上方では「勝手にやらしてもうてる」が多いような印象です。

今回の『軽業』も勝手にやらしてもろうてる(笑)。実は、内弟子修行期間が終了した後も、少しだけ師匠の家にいさせていただいた時期があったんです。その時にうちの師匠にお願いしたんやけど、なぜかつけていただいたのが5分ほどの小噺『たけのこ』でした。『軽業』は、絶対やらんやろうという私の弟弟子の団朝くんに。

――米朝師匠は、それぞれここで覚えんかったら、もう覚えることがないと思われたのでしょうか?

分からん。でも、『軽業』は師匠のを見ているし、仕草は団朝くんに聞いてやっています。仕草が多いと、大変や。『お玉牛』も仕草が多いから、稽古なしではできん。勝手にやっていたら「これで合うてるんやろか」という疑問が出てきます。まあ、お客さんも知らんということを頼りにしてます(笑)。

――上方だと誰でも「勝手にやらせてもろてる」で大丈夫なのでしょうか?

いやいや、勝手にやらせてもろてるといっても、勝手にやれる年代にならんとできんよ。勝手にやれんネタもあるし。例えば『本能寺』は芝居噺やから、仕草が決まっています。原則はお稽古ありきやね。あと、上方は勝手にやっていても、袖から見ている人が色々と指摘してくれる環境があるから、みんなやっているのかも。

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1億円もろたら止める(笑)

――今回の独演会のネタ『景清』は?

これはちゃんとうちの師匠のとこに稽古に行ったよ(笑)。初演は平成17年4月29日ワッハ上方で開催した第8回独演会です。『景清』、好っきゃねん。私がやるとしめすぎてしまうけど、ようできた人情噺です。

――目の不自由な定次郎を中心に噺が進んでいくので、今はテレビやラジオがもちろんのこと高座にはかけにくいネタではないでしょうか?

前に白杖を持った方の前でやらせてもらいました。居酒屋の小上がりが高座の小さな落語会ですが。ちゃんとご本人と介添えの方に断りを入れました。「こういうネタですけど大丈夫ですか?」と。喜んではりましたよ。「あまり聞けないから嬉しい」って。

――現代は何でも自主規制で嫌になります。

前に今の価値観で物事を考える人が、私に言うてきたことがあります。「米朝師匠とあろうお方が、そういう言葉をおっしゃるのは……」というような。

――そんなの、営業妨害やないですか。噺家に昔の噺をすんなと言うてるようなもんで。

せやろ。もし、私のところにそんなことを言うてくるやつがおったら、「このネタで1億円稼ぐ予定やから、1億円くれたらもう高座にかけません」って言うたるわ。

――ほんまに1億円持ってきたら、どないするんですか?

止めて1億円もらう(笑)。

やっぱり生の舞台が良いと言っていただけるように

――『景清』のような長い噺をお稽古する時は、どのようにされているのですか?

私は「観音経」から覚えました。意味も分かりにくいし、普段使わないから。文之助師もここから覚えたと言うてはりました。覚えにくいところから覚えて、それから全体を覚える。

――なるほど。そうしたら覚えやすいんですね。『景清』の初演は16~17年前ということは、30代後半で覚えられたと。

そうか。30代後半やなぁ。やるのは師匠が亡くなった翌年の平成27年8月16日、サンケイホールブリーゼであった「米朝追悼米朝一門会」以来です。

――時間ってあっという間に経ちますね。私の米左師匠のイメージは、『景清』の初演ごろの年齢なんです。でも今年で米左師匠は、独演会から10日も経たないうちに56歳。

気づいたら56歳やね。同級生の中では若く見える方やし気も若いから、そんな年齢に自分でも思えんけど。

――落語家だと円熟味が増してくる年齢ですね。

そうやとええね。

――最後にお客さんにメッセージをお願いします。

この大変なご時世、やっぱり生はええなと感じていただけるよう努めます。同じ空気を吸うてるからこそ伝わるものがあると信じていますので、ぜひお越しください。来てね😊

天満天神繁昌亭でお待ちしています!※開演時間変更になりました

今回はじっくり桂米左師匠にネタやお稽古の方法についてお話をうかがいました。様々なことを本当によくご存じなので、話題はつきません。一門によって細部が違うネタの解説もうかがい、勉強になりました。いずれこのお話もお伝えできればと思います。

第24回桂米左独演会は天満天神繁昌亭で4月20日に開催です。2階席に若干お席のご用意ができるとのことです。ご予約はお早めに。

まん延防止等重点措置のため、入場の際は大阪コロナ追跡システムへのご登録かお名前とご連絡先のご記入をお願いします。手の消毒とマスク着用もお忘れなく。安心安全のために、ご協力のほどをよろしくお願いいたします。

第24回桂米左独演会

日時:令和3年4月20日(火)18時開演、17時半開場 ※開演時間が変更になりました

会場:天満天神繁昌亭(大阪市北区天神橋2-3)

木戸銭:前売3000円、当日3500円

出演:桂米左、笑福亭生寿、桂天吾

お問い合わせ:k-rice.left@docomo.ne.jp 080-8504-5009(左(The)らくご事務局)