思い出に残るものとの別れ。それはいくつになっても物寂しいものです。桂小梅さんもそんな別れたあったのだそう。その別れとは、SL北びわこ号C56型160号機との別れ。別れの時、桂小梅さんは……。
列車は走ってこそ輝きます。桂小梅さんが目に焼き付けたSL北びわこ号C56型160号機の最後の命の輝き、一緒に感じてください。
シゴロク引退
山々の新緑が少し濃くなった頃、ある蒸気機関車が引退しました。
それは北陸本線始発駅の米原から木ノ本までを走る『SL北びわこ号』を主に牽引していたC56型(愛称ポニー)のラストナンバー160号機です。
高校卒業と同時に撮り鉄も卒業したうちの師匠が、20年ぶりに撮影したのがこのシゴロクで、撮り鉄に復帰するキッカケを与えてくれた思い出深いSLだそうです。
僕は3歳ぐらいの時から見ており、圧倒的な存在感と大きな汽笛の音にビックリして、泣きながらお漏らしした事も。
C56160が引退したのは5月6日で、JR西日本の粋な?語呂合わせです。
当日の津和野機関庫周辺には、別れを惜しむ全国の鉄道ファンが大集結。
職員さんが「ありがとう」と書かれたヘッドマークを取り付けたのも、これまた粋な演出で、シゴロクの大きな長〜い汽笛がポォーーーッ、四方八方の山々や津和野の町中に鳴り響きました。
もう二度と此処で逢うことはないであろう・・・この日、僕が漏らしたのは嗚咽でした。