ピッチクロックをご存知でしょうか。ピッチクロックとは投手が打者にボールを投げるまでの時間を制限するというもの。現在はアメリカのメジャーリーグとマイナーリーグ、米国の大学野球で採用されている制度です。
投手自身のタイミングが計れない等、批判意見もある中、マグナム小林先生は導入に賛成しておられるとのこと。その理由とは?
野球を愛するからこその提言。マグナム小林先生の言葉に耳を傾けてください。
ピッチクロックはなぜ導入されたか
今シーズンからメジャーリーグでピッチクロックが導入された。投手がボールを受け取ってから、走者がいない時は15秒、いる時は20秒以内に投球動作に入らなければワンボールが追加される。打者も制限時間の8秒前に構えていないとワンストライクが追加される。
このルール、反対の人もいるだろうが、私は大賛成。そもそも、なぜメジャーは時短、時短と言うのか。
特にアメリカのメジャースポーツで時間制限のないスポーツは野球だけ。そして3時間を超えるスポーツも野球だけ。テレビ的な部分の影響も大きいが、球場にいても、3時間以上の時間を費やすというのは、見る側としても考えてしまう。他のエンターテイメントでも3時間を超えるものは今はほとんどなくなった。映画ですら3時間を超えるものはほとんどない。
余談だが、日本の歌舞伎や寄席は昼の部、夜の部でほぼ半日やってるが、実はそれは東京だけ。他の地域では3時間以内が常識。東京がかなり特殊なのである。
最近、バスケットボールのBリーグの試合を見に行く事があるが、試合時間はほぼ2時間。どんなに長くても2時間半で終わる。その中に沢山の点が入り、見せ場もあり、お客さんを飽きさせない。正直、Bリーグがもっと本気を出したら、野球を抜けるのではないかとさえ思った。
メジャーリーグはその部分に敏感に反応したと言えるが、今までは、申告敬遠であったり、ワンポイントリリーフの禁止であったり、小手先の改革と言えた。
ピッチクロックは、最後の手段と言える。なぜなら、選手で賛成する人はほとんどいないだろうから。今までの自分たちのペースを崩したくないだろうし。ただ、球界の危機を共有するという意味と、お客さんファーストという事で賛同したのだろう。
ピッチクロックで明らかに結果も出ている。約20分短縮されたとか。試合時間の平均も3時間を切ったようだし、まずは成功と言っていい。
日本で導入するには、難しさもある。メジャーは、ほぼ投手の投げたい球を投げてるから、サインの交換がスムーズだが、日本は捕手がリードしてるので、投手が首を振ればそれだけ時間がかかる。メジャーの15秒と20秒は、ちょっと短過ぎるかなとも思えるので、もう5秒ずつくらい足してもそれなりに効果があるのではないか。
日本では野球は間のスポーツという考え方もある。それはそれで悪くはないが、あまりにも無駄な間も多過ぎる。高校野球といういい例も日本にはあるのだから、せめて3時間以内に終わるように努力して欲しい。でないといつか他のスポーツに負けてしまう。