広告

【取材記事】第107回 ヨセゲー「師匠の噺、一門の噺」レポート

三遊亭遊喜

▲ご予約はコチラから▲

▲お問い合わせはこちらから▲
【PR】
▽電子帳簿保護法の準備はお済みですか?▽

2024年5月16日、東京・神保町にある「らくごカフェ」にて、「第107回 ヨセゲー『師匠の噺、一門の噺』」が開催されました。今回は、三遊亭遊喜師匠、春風亭傳枝師匠、柳亭芝楽師匠、 笑福亭里光師匠、桂夏丸師匠が出演。今回は、配信「ツイキャス落語会」で参加しました。画面越しでも、大ネタ揃いで、尺も内容もたっぷり! 熱気が渦巻いていることがビシビシ伝わってきました。それでは早速、「師匠の噺、一門の噺」の様子を覗いてみましょう。

広告

あんな師匠、こんな師匠。あんな一門、こんな一門

はじめは笑福亭里光師匠。みなさまお楽しみの「みじかいらくご」で幕が開きます。すぐに笑えなくても、「あ~っ!」と、後から気づいて笑ってもらうのが醍醐味だとか。アハ体験ができる笑い、爽快でいいですね。

里光師匠が「師匠の噺、一門の噺」として選んだのは『一人酒盛』。鶴光師匠も話されますが、松鶴師匠の噺というイメージが強い演目かもしれません。最近はヒドイ酔っ払いも減ってきてるし、こういう噺はすたれていっちゃうのかなあと、一昔前のヒドイけれど愛おしい酔っ払いたちを回想しながらしみじみしながら本編へ。

蔵出しの良い~酒をもらった男が幼馴染の友人を誘って酒盛りをすることに。燗をつけるのが得意だという友人に燗をしてもらうことになるのですが…。

どんどんぐでんぐでんに酔っぱらっていく男。里光師匠らしい緻密なキャラクター描写と巧みな間の取り方で、酒のうまさと匂いと共に男の人間性が大胆に伝わってきます。客席もヒドイ酒癖の悪さにあきれつつも、その変貌ぶりに爆笑です。
「一人酒盛」は、ほとんどが男の動きとセリフのみ。友人の様子は男の所作だけで推測させるように進むのですが、手に取るように情景が浮かぶ里光師匠の演技はお見事でした!

続きまして、春風亭傳枝師匠。傳枝師匠が真打に昇進した後、瀧川鯉昇師匠から「新しく噺を憶えたら勝手にやっていいから」と言われるようになったそうです。しかし、分からないとこもあるし…と食いさがると、「やってウケなかったらどこかが悪い」と一言。「ヒドイよね~」と言いながら、鯉昇師匠への敬愛の想いが伝わってきます。他にも天才肌な鯉昇師匠のエピソードもたくさん飛び出したので気になる方はツイキャスで!

さて、演目は『船徳』。船徳と言えば、八代目文楽師匠が有名ですが、傳枝師匠に披露していただくのは八代目可楽師匠の系統版です。

道楽の果てに勘当されてしまった若旦那の徳三郎が、船宿の居候になっているうちに船頭になりたいと言い出した。浅草観音の四万六千日の日に客が来るが、船頭が出払っていたので、ろくに船を漕げない徳三郎が客を乗せて船を出すことになるのですが…。

ぐるんぐるん、ばったんばったん。
もはや遊園地でアトラクションに搭乗したような臨場感。会場も船に乗った気分で、肩を揺らしながら笑いの渦。

疲れちゃう噺だわ~と漏らしながらも、最後まで、まさに全身を使っての熱演で会場を惹きこんでいました。

お次は桂夏丸師匠の登場です。演目は『馬の田楽』。五代目の古今亭今輔師匠の十八番ネタ。今輔師匠は、夏丸師匠の師匠・桂幸丸師匠の師匠・米丸師匠の師匠です。ちなみに米丸師匠は御年99歳! 『馬の田楽』に話を戻すと、この演目は、今輔一門の必修演目とされているとのこと。夏丸師匠は、前座の頃に三遊亭小圓右師匠から教わったそうです。柳家でいう『道灌』のような位置づけの噺ですね。

のどかな田舎が舞台のお噺。馬方、無邪気な子ども、店主のおじいさん、おばあさん…と、いろいろな人が次々と登場し、その都度、声のトーンや訛り方、話し方がコロコロと変わります。中国の伝統芸能の変面のよう。そのリズム感あふれる演じ分けと明快な話の展開で、会場が惹きこまれていることが良く伝わってきます。キャラクターの魅力を劇的に引き出す夏丸師匠ですが、特におばあさんはかわいらしくて、会場もほっこり。

前座時代に憶えた噺は、年月が経って、きっとますますいい味が滲んでいたのだと思います。夏丸師匠のリズムに会場全体がノリノリだった一席でした。

ここで、お仲入り~。

広告

熱演はまだまだ続く!

仲入り後は、三遊亭遊喜師匠。演目は『大工調べ』。三遊亭小遊三師匠が得意にしているネタ。江戸っ子が主人公の噺だけど、師匠は山梨出身なんですよね~と、笑いを誘います。それにしても、みなさんの愛ある師匠いじりが素敵です。

棟梁が腕のいい大工である与太郎に良い仕事の話を持っていくと、なんでも家賃をため込んで、大家に家賃のかたに道具箱を持っていかれてしまったという…。

気風のいい棟梁と、のんびりゆっくりの与太郎、ずる賢い大家のキャラクターをうまく引きだし、それぞれの登場人物を生き生きと動かす遊喜師匠。三人のコミカルなやり取りと、棟梁が大家に立ち向かうシーンの緊張感のコントラストを見事に描き分け、会場の集中力が高まり、最後まで高座にくぎ付けです。

棟梁が言い立てる場面は圧巻で、遊喜師匠の渋い声と息つく間もない拍子で大工としての誇りがビシビシ伝わってきました。

トリは柳亭芝楽師匠。芝楽師匠は24歳の時に春風亭柳昇師匠に入門されました。当時、柳昇師匠は78歳。芝楽師匠が坊主にした時に「ぼくは坊主は嫌いだね、戦争を思い出すから」と言われたそうですが、師匠の本心を聞いたんじゃないかなと、当時の思い出を懐かしみながら話してくださいました。

演目は柳昇師匠の新作落語『カラオケ病院』。実際に、柳昇師匠は看護師さんが優しくしてくれるからという理由で病院に行くのが好きだったそうです。チャーミング。

芝楽師匠らしいひょうひょうとした語り口で物語が進み、師匠の噺であっても、芝楽師匠らしさ満載の一席に。特に病院の先生同士の話し合いの滑稽さが際だち、笑いを誘います。カラオケと病院が結び付いた瞬間は、その突拍子もない案に会場はどよめきます。本作のハイライトでもある、カラオケ大会の場面では、60年代~80年代のヒット曲の替え歌のオンパレード。芝楽師匠の愛嬌も相まって、懐かしさと替え歌の妙にツボに入る人続出でした。

それにしても、配信で拝見すると、師匠方の表情をとても間近で見ることができ、機微がより伝わってきました。画面越しでもこんなに臨場感があるのか! と感動。アーカイブもあるので、好きな場面をリピートするのも楽しみ方としておすすめです。

広告

師匠と一門への愛たっぷりな時間

最後にみんなで、集合写真。大ネタをやりきったあとの爽やかな笑顔をありがとうございます! 
師匠や一門のエピソードも飛び出して、ヨセゲーメンバーの歩んできた道も垣間見ることができました。師匠方の師匠方はみなさんキャラが濃くて素敵ですね。そりゃあ、十人十色、魅力的なヨセゲーメンバーが誕生するわけだ、としみじみと感じ入ってしまいました。師匠への愛が深いことも伝わってきて、あたたかい会でした。ぜひ、ツイキャスで、落語とともに、それぞれの師匠や一門についてのお話をお楽しみください。

次回は6月13日で、テーマは「不適切ですがあしからず!」。
何やら攻めた会になりそうですね。どんどん突き進むヨセゲーをどうぞお楽しみに。

■次回予告■
ヨセゲー #108【不適切ですがあしからず!】
2024年6月13日(木)
開場:18:30 開演:19:00
当日:2500円 前売:2000円 ツイキャス配信:1500円
会場:らくごカフェ(東京都千代田区神田神保町2丁目3−5)

ツイキャス落語会 ヨセゲー #107【師匠の噺、一門の噺
https://twitcasting.tv/c:yosege/shopcart/299224
配信期間5/16 19:00~5/30 23:59


更新の励みになります。ご支援のほどをよろしくお願いいたします

■関連情報■
ヨセゲーメンバーの落語会を一部ご案内します。楽しそうな会が盛りだくさん。
ぜひお運びください。※開催順 ※詳細は各落語会へお問い合わせください

ヨセゲーメンバーの落語会は師匠方のSNSをフォロー&チェック!
ヨセゲー    https://twitter.com/yosege_
三遊亭遊喜師匠 https://twitter.com/sanyuuteiyuuki
春風亭傳枝師匠 https://twitter.com/den_shi
柳亭芝楽師匠  https://twitter.com/turunperon
笑福亭里光師匠 https://twitter.com/rikoshoufukutei

第18回落語国領亭落語会
笑福亭里光の兄妹会
出演:笑福亭里光、笑福亭ちづ光
日程:2024年7月6日(土)
時間:18:00開場、18:30開演
料金:予約1700円、当日予約なし2000円(小中学生無料)
会場:Mermaid(調布市国領町4-47-9 ライオンズマンション調布第3の1階)
予約・問合せ:国領亭 関田 080-4270-3493、5rakugokai4652@gmail.com