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【取材記事】第109回 ヨセゲー「歌う落語会」レポート

三遊亭遊喜

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2024年7月18日、東京・神保町にある「らくごカフェ」にて、「第109回 ヨセゲー『歌う落語会』」が開催されました。今回は、三遊亭遊喜師匠、春風亭傳枝師匠、柳亭芝楽師匠、 笑福亭里光師匠、桂夏丸師匠が出演。師匠たちの美声?!が響く、ご陽気で賑やかな会になったようですよ。早速、「第109回 ヨセゲー『歌う落語会』」を覗いてみましょう!

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落語より歌が多い?!

トップバッターは柳亭芝楽師匠。バイクに乗りながらアナ雪のテーマソングを気持ちよく歌っていたら、前から知り合いがやって来て赤面をしたという芝楽師匠。「夏だーーー!フェスだーーー!」ということで「歌う落語会」開幕です。

演目は『ラブレター』。ガールズバーに務めている彼女からラブレターをもらってとても嬉しそうなまーちゃん。友だちが、その手紙を読みはじめるのですが…。

芝楽師匠の元気な歌で、ラブレターをもらった嬉しさが止まらないまーちゃんのご機嫌さが伝わって来て、聴いているお客様もなんだかニヤニヤそわそわ。芝楽師匠のナイススマイルがニンマリ感を助長し、落語は表情の豊かさも大切なことに気づかされます。

まーちゃんと彼女の会話の回想シーンも歌をおりまぜられるので、もはやミュージカル。最後までキャッキャしているまーちゃんと、カタコトの日本語の手紙に困惑する友だちのやり取りがリズミカルでフェスの幕開けにピッタリな一席でした。


続きまして、三遊亭遊喜師匠。最近ピラティスにハマっているという遊師匠。会場からは「え? 師匠がピラティス?」という言うに言えない空気が漂い、ざわざわっと笑いが起きます。

演目は『野ざらし』。ある夜、大工の八つぁんが長屋で寝ていると、隣に住むご隠居の家から女の声がする。ちらりと覗くといい女。翌朝、ご隠居を問い詰めにいくと、実はその女は…と、釣場で起きた怪談じみた話がはじまる。話を聞くと、八つぁん、いてもたってもいられず、自分も釣場に向かうのですが…。

釣場に着いた八つぁんは、すでにご機嫌がいい模様。お馴染みの曲から、意外な流行りの曲まで踊りを踏まえて、やや恥じらいつつも熱唱する遊喜師匠。その歌を織り込むの?! という意外性と、ダイナミックな踊りに会場は大爆笑。ピラティスの成果が、きっと踊りに反映されていることでしょう。そのあとも、テンション高めな八つぁんは次々と歌って、釣場をひっかきまわしていきます。そんな様子に飽きれる釣り師たちの冷ややかな目と適切なツッコミで、会場は笑いっぱなし。


それにしても、遊喜師匠の八つぁんは、気風が良く江戸っ子が憑依しているようで、まざまざと情景がうかびました。すちゃらっかちゃんっと、なんとも賑やかな『野ざらし』でした。



お次は春風亭傳枝師匠の登場です。フェスと言えば、噺家のハワイアンバンド「アロハマンダラーズ」! なんと結成25年! 祝! 。浅草演芸ホール 7月中席 昼の部での公演もフェス騒ぎで大盛り上がりだったとのこと。本日のヨセゲーのお客様も多くの方がアロハマンダラーズからいらっしゃったようです。フェスのハシゴ!

演目は『新聞記事』。「天ぷら屋の竹さんが殺された…」と新聞に載っていたという話を聞く八つぁん。実はこれは落とし噺。そうと分かると、八つぁんは早速誰かに話したくなり、止める腕を振り切って意気揚々と出かけるのですが…。昭和のはじめに作られた本作は、本来は歌は入っていないのですが、独自に歌を少し織り込みました! と傳枝師匠。

さて、どのように歌を織り込まれるのかしらと思ってわくわく聴いていると、
童謡を歌ったと思ったら…東京音頭、RCサクセション、石川さゆり、山口百恵、小泉今日子、アニソン…と次から次へと歌いまくる傳枝師匠。全く「少し」ではありません、がっつり織り込まれています。もはや、落語より歌の方が多いのではないの?! という勢い。会場も大盛り上がりです。

1曲ずつメモを試みましたが、とうてい追いつかず……傳枝師匠に歌われた曲数を伺ってみると、なんと34、5曲とのこと! まさにひとりフェス! しかも、ただ歌うのではなく、それぞれの歌詞と落語のセリフやキーワードを繋げられているのが凄い。シャレも効いている落語と歌の共演でした。

ぜひ、大迫力な傳枝師匠の歌う落語をツイキャスでお楽しみください。

では、ここでお仲入り!!

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フェスのボルテージは最高潮!

くいつきは、笑福亭里師匠。いつもヨセゲーでは、メンバーでテーマ会議をするのだそうですが、今回の「歌う落語」はすんなりと決まったとのこと。遊喜師匠の案らしいですが、先ほどの傳枝師匠の熱唱ぶりに触れ「傳枝兄さんが歌いたかっただけやん」と里光師匠。


演目は、『替り目』。飲んだくれの亭主。この日もぐでんぐでんになって帰宅し「もっと飲ませろ」と女房にくだを巻く。一方の女房はというと、文句を言いながらも酒の支度をして…。

ヒドイ酔っ払いの話だし、酔っ払いなら許されるなんていう時代ではないから、あまり好きじゃないんだよね…とボヤく里光師匠でしたが、いざ噺がはじまると、味のある酔っ払いの姿に会場は一気に魅了されていることが分かります。酒の匂いがぷ~んと鼻につき、亭主の赤ら顔が目に浮かぶ見事な演じぶり。嫌よ嫌よも好きのうち、とはこのことでしょうか。

織り込まれた歌は「鳩ぽっぽ」。♪ぽっぽぽ~はとぽっぽ~と会場に響き渡り、笑いを誘います。ゆる~い歌に脱力しながらも、この歌が、女将の不愛想さと、だけど実は世話好きで、長年連れ添った夫婦だから許されるコミュニケーションの取り方を物語っているようで、いいスパイスになっていました。

鶴光師匠のあの名曲「うぐいすだにミュージックホール」も口ずさまれていたので、ぜひツイキャスで聴いてください♪

トリは桂夏丸師匠。歌がとてもお上手な夏丸師匠、歌う落語会には欠かせませんね! 昼のアロハマンダラーズの出番を終えてヨセゲーにいらっしゃった夏丸師匠。そう、今日はお客様だけでなく、出演者もフェスのハシゴ! 音楽と落語に満ちた一日ですね。

演目は、夏丸師匠の新作落語『懐かしのCM』完全版。いろいろな噺家が出演したCMをはじめ、次々と懐かしいCMソングを歌い、噺が進んでいきます。CMソングがを夏丸師匠の美声で歌われると、ギャップが生じておもしろく、 歌に酔いしれ、噺に笑う、和やかな時間が流れます。

日本ではじめてのCMソングは、昭和26年9月1日にラジオで流れたコニカのCMだったそうです。こんな日本のCMソングの豆知識も詰め込まれ、会場もふむふむとみなさま首を縦に振りながら豆知識も楽しんでいました。

どんなCMソングが歌われたかは、ぜひ、ツイキャスで。きっと懐かしのあの一曲に出会えるはずですよ~。

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噺して、歌ってノリノリ!

はい!最後はみんなで、集合写真。涼やかな夏丸師匠を囲む、ヨセゲーの師匠方が元気いっぱいで、本当にフェスの記念撮影みたいで最高ですね。

歌う落語会を通じて、落語と歌/音楽の相性の良さに気づかされ、笑いも多いノリノリの会でした。師匠方の落語と歌を聴けば、暑い夏を熱くノリノリでのりきれるハズ! ぜひ、ツイキャスでお楽しみください。

次回は8月8日で、テーマは「怪談噺の会」。
今度は何やらひんやりした会になりそうですね……夏のクールダウンにピッタリかも?!…お楽しみに!

■次回予告■
ヨセゲー #110【怪談噺の会】
2024年8月8日(木)

開場:18:30 開演:19:00
当日:2500円 前売:2000円 ツイキャス配信:1500円
会場:らくごカフェ(東京都千代田区神田神保町2丁目3−5)

ツイキャス落語会 ヨセゲー #109【歌う落語会
https://twitcasting.tv/c:yosege/shopcart/315747

2024年8月1日(木) 23:59 まで

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■関連情報■
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春風亭傳枝師匠 https://twitter.com/den_shi
柳亭芝楽師匠  https://twitter.com/turunperon
笑福亭里光師匠 https://twitter.com/rikoshoufukutei