さてさて、気になるトップ3の発表です。
第3位-米津玄師『死神』だけじゃない!落語がモチーフの楽曲4選
第3位は、私ことふじかわ陽子が執筆した「落語モチーフの楽曲」特集でした!正直に申し上げますと、この結果には主宰者として、少しばかりの「希望」を感じています。
10位から4位までが「演芸界の内側」を深く掘り下げる記事だったのに対し、第3位は「外の世界から落語の扉を叩いた人たち」の圧倒的な支持を集めました。
米津玄師さんの『死神』という巨大なトレンド。そこから「ももクロ」や「人間椅子」、さらには尖った感性のラッパー「ハハノシキュウ」さんまで。
伝統芸能という看板に少し気後れしていた層が、音楽という共通言語を通じて「落語って、こんなにかっこいいんだ!」と気づいてくれた。その瞬間に立ち会えたような、嬉しいランクインです。

ただ、短時間で書いた記事が上位になると、複雑な気持ちになります。
第2位-ほんの少し知っていると楽しさ倍増 ② ~落語「へっつい幽霊」のお話~笑福亭純瓶
第2位に輝いたのは、笑福亭純瓶師匠による『へっつい幽霊』の解説記事でした。
注目すべきは、この記事が単なるあらすじ紹介に留まらず、江戸時代の随筆『耳袋』を引き合いに出した元ネタの考察にまで踏み込んでいる点です。
先ほどの読者属性データで、50代・60代の管理職世代が半数以上を占めているとお伝えしました。知的好奇心が旺盛で、物事の裏側やルーツを知ることに喜びを感じる大人の読者層にとって、純瓶師匠の理知的かつユーモアあふれる筆致は、まさに極上の読み物だったに違いありません。
「落語をもっと深く、多角的に楽しみたい」
そんな読者の皆さんの知的な熱量が、この2位という順位に現れています。純瓶師匠、素晴らしい寄稿をありがとうございました!

もう1本ある純瓶師匠の記事、『夢八』解説もよく読まれています。
第1位-寄席つむぎは元・三遊亭天歌さんを応援します ※執筆芸人さんは無関係です
栄光の第1位は、2022年に公開した「元・三遊亭天歌さん(現・吉原馬雀師匠)への応援表明」でした。
本音を述べると、この記事を公開する時、私は震えていました。演芸界という狭い世界で、組織や伝統に異を唱えることがどれほどのリスクを伴うか。元上方講談師である私には、その痛みが痛いほど分かっていたからです。
それでも、この記事が数多のコラムを抑え、数年にわたり読まれ続けている。この事実は、読者の皆様もまた「芸を愛するからこそ、その裏側にある不条理を看過したくない」と願っていることの証ではないでしょうか。
管理職世代の男性が多い当サイトの読者層。組織の難しさを知る皆様だからこそ、一人の若手が上げた勇気ある声に、静かに、けれど熱く呼応してくださったのだと感じています。
社会の表も裏も知り尽くした大人の読者が集うこの場所で、私はこれからも、光り輝く高座だけでなく、その影で震えている誰かの手を取るメディアであり続けたい。このランキング結果は、読者の皆様から私に贈られた『真実から目を逸らすな』という力強いエールだと受け止めています。

この記事を消さずに掲載続けたことが、私自身の成長だと感じています。
おわりに
令和2年6月に始まった「寄席つむぎ」。気がつけば750本を超える記事が積み重なりました。
これまで振り返ると、高座の華やかな話だけではなく、演芸界の壁に挑むようなテーマ、「破門」や「再起」といった、芸人の人生に関わるような出来事にも真摯に向き合ってきました。
今回のランキング結果を見て思うのは、読者の皆さんが求めているのは、単なる情報の羅列ではなく、芸の背後にある「人間」のストーリーにこそ、関心を寄せてくださっているということです。
そのことに気づかせていただき、とても嬉しく、また心強く感じています。
派手な花火ではなくてもいい。
声高な主張でなくてもいい。
ただ、目の前にある「真実」から目を背けず、芸と人に誠実であり続けたい。
この750本は、私一人の力ではありません。ご協力くださった芸人さんたちと、読んでくださる皆さんがいてこその軌跡です。
これからも、この場所で、一つひとつの記事を大切にしていきます。

また定期的にランキングは発表していきます。





