一昔前までレールに乗った人生が幸せだと言われていました。良い会社に入社して、20代のうちに結婚をして、子供は2人か3人。でも、その生き方は本当に正解でしょうか?
桂優々さんは就職活動を始める時期に、このレールに乗る人生について考えたそうです。そして、優々さんの考えを固めたのがB-DASHの曲だったとのこと。では、B-DASHのどの曲に背中を押してもらったのでしょうか?
今回も熱いですよ。お楽しみください!
B-DASH
若人の皆さんの思うマニュアル通りの生き方ってなんですか?
若人じゃない皆さん、15〜22歳くらいに思っていたマニュアル通りの生き方って知ってましたか?
例えば…
A:大手企業に就職し、出世、結婚、定年後穏やかに旅行しながら過ごす。
B:公務員になって、安定した日々を送る。
C:地元に就職して、親の面倒を見ながら、地元で落ち着いて暮らす。
D:親の商売の跡を継いで、自分の子供を後継者に育てて、親子仲良く店を切り盛りする。
色んな人生の過ごし方がありますが、これは人生の過ごし方の一例であって、すんなり文字通りいくものばかりでなければ、マニュアル通りの生き方でもありません。
そもそもマニュアル通りの生き方なんて存在しない。
それで全ての人が100%人生幸せだと言うマニュアル通りの生き方があるなら、みんなそうやって生きていくのではないでしょうか?
しかし人間には100人いれば100人分の趣味趣向、価値観があり先程の選択肢だけでも討論が出るでしょう。
出世してお金持ちになりたい人もいれば、ある程度の収入で欲なくほどほどに過ごす人。
あちこち全国仕事で飛び回る人もいれば、一ヶ所に根を張り商売する人。
何度も言いますが、マニュアル通りの生き方なんて存在しないのです。
ところが大学時分の私は上の四つを全て足したような将来設計が、マニュアル通りの生き方だと思っていました。
一浪してまで大学に入った私の将来設計は、高校の教員免許を取り、母校で社会の授業をしながら野球部の顧問になり、一度でもいいから甲子園に出場する言う夢を持っていました。
ところが「イントロ」でも書きましたが、その夢がなくなります。
と言うのも自分が人に何かを教える能力が低いというのが大学三回生の時わかるのです。この事は後になんかの時に書きます。
教職の習得を諦め、就活の時期に突入。
夢がなくなると言うのはとても大きい事です。残りの人生、何を楽しみに生きていこうか。とりあえず、どっか就職しよう。
実家を継いだり、公務員になるための勉強してなかったし無理やけど、関西の企業、できれば地元に就職して結婚し、子供と楽しくマニュアル通りの生活をしよう。
と考えました。
そんな時、B-DASHのある曲が流れてきました。
前回アジカンが人生で初めて「お金を払って」ライブを観に行ったと書きました。
お金を払わずですが、、人生で初めてのライブはB-DASHでした。
今はどうかわからないですが、龍谷大学は在学中、アーティストのフリーライブがあります。
大学二回生の学園祭、落語研究会の寄席終わり先輩が、B-DASHの学園祭ライブフリーチケットを何枚か持っていて、人数が余ったので声がかかり、先輩と落研の同期数人と行くことになりました。
その時B-DASHの曲をいっぱい知っていたかとそうではありません。
『ちょ』は知ってましたが、それ以外となると、学園祭でB-DASHが来ると言うので直前に詳しい友達がカラオケで歌った『炎』や『Mi・So・Shi・Ru』のサビを何となく覚えてたくらい。
当時はアジカンなどのロキノン系をかなり傾向して聴いていましたが、音楽ライブに行くと言う事はありませんでした。
正直、どうせ曲はCDで聴けるし、立ちっぱなしで疲れるし、お笑いライブみたいに笑いどころがいっぱいあるわけでもないし、行く人の気が知れない。
今の自分からは考えられない先入観です。
知らない曲ばかりで全然楽しくなかった………ら今私はライブ好きの音楽好きにはなってないです。
とても楽しかった。
モッシュやダイブ(この二つの単語は後のコラムに書きます)、知らない曲でも踊ったり歌ったり、それはそれは楽しい、とてもピースフルな空間でした。
そんな素晴らしいものを見た後、影響されやすい私がB-DASHを聴かないわけがありません。
そっから先程登場したB-DASHに詳しい友達とカラオケに歌詞の考察や情報交換。
ただB-DASHの曲の歌詞は特殊なのが多いんです。
ボーカルのGONGONさんも言ってましたが、歌詞より音を楽しんでほしいとの事であまり歌詞について深掘りする事は少なかった。
長くなりましたが、大学三回生の就活の時期にB-DASHの『平和島』と言う曲を何となく聴いていました。
この歌詞にハッとします。
何でこんなマニュアル通り夢もなく平凡な日々を60年くらい過ごそうとしてるんや?
もっと好きな事して生きていかな。
自分の好きな事は落語!
マニュアル通りの生き方があると思い込んでいた青さも少し恥ずかしいですが、落語家になるためにひと押ししてくれた大切な曲になりました。
ただ何度も言いますがマニュアル通りの生き方なんて存在しません。
人生にマニュアルはありません。
落語家になり、前出のB-DASH好きの友達とお酒を飲みながら思い出話のようにこの話をすると、
「GONGON、雑誌のインタビューで『マニュアル通りの人生があったら俺はその通り生きるけどな』言うてたで」
ズッコケました。
この事を大学三回生の自分が知ったら、どんな人生の道を歩んでいたのでしょうか?
ちなみにB-DASHはバンドで作詞作曲する事が多いですが、作詞は外注(?)する事もあります。
この「平和島」の作詞はB-DASHのボーカルGONGONさんの弟さんの作曲です。
こんな話も楽しくできるから、やっぱり落語家になってよかったのかなって思います。
B-DASHはもう解散してしまいましたが、私はまだ落語家の道を歩み続けます。
桂優々オススメのアルバム
「B-DASH BEST」
ベストを薦めるのは少し反則ですが、入り口としてはこちらがオススメ!
私もここから聴きました。
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桂優々さんの音楽とともにある半生へのご感想をお待ちしています。あなたの人生の転機にあった曲も教えていただけると嬉しいです。歌は世につれ世は歌につれと申します。きっとあなたの人生のどこかの時代を彩った曲があるはずです。
桂優々さんはFacebook(https://www.facebook.com/yuuyuu.katura)も随時更新中。こちらも要チェックです!