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たしなみ~麗しのタカラヅカ:桂春雨

桂春雨

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みなさんは「花詩歌タカラヅカ」をご存知でしょうか。落語家が中心となり、宝塚歌劇団の演目の一部をご自身たちで上演しておられます。ファンアートの一種ですね。桂春雨師匠も花詩歌タカラヅカの一員。「小石川みや美」という芸名で、メイクをほどこしドレスをまとって夢の舞台へ。

今回は桂春雨師匠に「花詩歌タカラヅカ」のご紹介をしていただきました。さて、どのような経緯で誕生したのでしょうか。お楽しみください。

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たしなみ

みなさん、ようこそ『麗しのタカラヅカ』へ。ご案内役の桂春雨です。

今回は本家の宝塚歌劇を少し離れて、『花詩歌タカラヅカ』について書かせていただきます。

天満天神繁昌亭夜席で10月18・19日の2日間『花詩歌タカラヅカ』の第9回公演が行われました。年に一度の公演なので、今回で9年目ということになります。

繁昌亭での公演は、毎年ゴールデンウィークの次の日曜日と月曜日の2日間行います。今年は5月10・11日に開催予定でした。ところが、コロナウイルスによる緊急事態宣言で5月は繁昌亭が休館で使えなくなり、延期をして10月に開催にこぎつけたものです。

ところで、いきなり『花詩歌タカラヅカ』と書かれても、何のことかわからない方も多いと思いますので、少し説明する必要がありますね。

花詩歌タカラヅカというのは、上方落語協会に所属する落語家を中心にした『宝塚歌劇を愛好する』人々の集まりで、初めは『はなしか宝塚ファン倶楽部』という名前でした。

林家花丸さんが、宝塚歌劇の演出家『谷正純』先生から『落語をモチーフにした公演』での指導を頼まれたのをきっかけに宝塚歌劇の素晴らしさにハマり、彼が落語家やお囃子さんへの布教活動を行ったのが実を結び「天満天神繁昌亭の舞台でも宝塚を」ということで、2012年から活動が始まりました。

公演内容ですが、前半は『宝塚歌劇をモチーフした落語』、後半は『なりきりタカラヅカ』と称して、私たちメンバーがメークを施し衣装と鬘を付けて、宝塚歌劇の舞台を繁昌亭で再現します。謂わば、噺家が歌舞伎を演じる『鹿芝居』の宝塚版ですね。

当初は1日だけの公演だったのですが、お客さんがたくさんお越しになるので、2015年の第4回から2日間の公演になりました。たった2日の公演なのに『主要な役は役替り』という、実に大胆なことをしています。

活動は年々本格的になり、当初は録音した音源での公演だったのですが、2016年からは生演奏になりました。2017年には、浪曲の真山隼人さんと曲師の沢村さくらさんも参加し、作品の途中でナレーション代わりに浪曲が入るという、本家宝塚歌劇にも無い演出も可能になりました。

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翌2018年「ここまで来たら、ファン倶楽部でなくカンパニーとしてやっていこう」という事で、団体名も『花詩歌タカラヅカ』と改め、神戸新開地喜楽館と横浜にぎわい座でも、年1回(こちらは1日だけ)の公演を始めました。

繁昌亭での公演を本公演と位置付けて新作(我々にとっての)を掛け、神戸と横浜は別箱扱いで過去に繁昌亭で公演した作品を再演するという棲み分けをしています。

上演時間が1時間以上に及ぶ本格的な『なりきりタカラヅカ』を始めたのは、2014年第3回公演の『ロミオとジュリエット』からで(私はこの年から参加しています)、それから『エリザベート』『ME AND MY GIRL』『風と共に去りぬ』『ノバ・ボサ・ノバ』『ファントム』と、宝塚の名作を再現してきました。

今回の『なりきりタカラヅカ』で挑戦したのは『PUCK』、シェイクスピアの『真夏の夜の夢』をモチーフにした作品です。宝塚歌劇団では、1992年『涼風真世』さんがトップの月組で上演、2014年に同じく月組で『龍真咲』さん主演で再演されました。この度の私たちの公演では、2014年バージョンを再現させて頂きました。

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コロナ禍で繁昌亭の客席数が、102席(普段は216人入れます)に限定されているので、2日間のチケット204枚。これが、なんと発売後1時間で売り切れ。チケットを手に入れることが出来なかった人のために、インターネットでの生配信もすることに致しました。

と、ここまで書いたところで紙幅が尽きてしまいました。公演の中身については、また次回に。

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桂春雨師匠のコラムのご感想をお寄せください。タカラヅカで好きな演目やご贔屓のタカラジェンヌといった質問も大歓迎です。花詩歌タカラヅカのご感想もいただけると嬉しいです。

11月13日には天満天神繁昌亭で桂春雨師匠出演の『上方らくごカルテット』が開催されます。ぜひお越しくださいね。

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桂春雨師匠はTwitter(https://twitter.com/harusamek)も随時更新中。公演情報はこちらをチェックしてくださいね。