日本野球の技である「バント」。
どうしてバントが多用され使われ続けるのか、そこには意外でありなるほどと思わせる事実がありました。
今回も野球を語るマグナム先生のコラムをお楽しみください。
日本人はなぜバントが好きか
よく言われる事だけど、日本くらいバントの多い国はないと。選手も好きでやってるわけではないし、ファンもして欲しいと思ってない。じゃあ、なぜやるのか。
答えは3つ。まず、戦略的な事から言うと、日本の野球は長打が少ない。短打だと四球がなければ3本ないと点が入らない。1回に短打3本というのは確率的に少ない。盗塁やヒットエンドランは誰でも出来るわけではないし、リスクが大きい。となるとバントしかないという訳。
もう一つは、日本の野球はダブルプレーを極端に嫌う。他の国はわりと打ってダブルプレーなら仕方がないという部分があるけど、日本はダブルプレーを打つと戦犯扱い。もったいないという意識が強い。
最後は監督の言い訳(苦笑)。バントをしないでダブルプレーだったりすれば、即采配批判される。バントで送って、それで点が入らなければ、それは選手のせいという訳。これはマスコミもいけないんだけど。
まあ、川上さんから森さんへと伝承された王道野球なんだろうけど。案外、広岡さんや野村さんは使わなかったけど。
実際、数字で見ると打たせるのとバントしたのとで点の入る確率は、無死二塁の時以外は打たせた方が高いらしい。一死あげてしまうわけだから、確率が下がるのも頷ける。
実際、自分が捕手をしていて、バントして一死貰えた方が楽だった事の方が多い。なかなかアウトがとれないという状況の方がバッテリーは嫌だ。特に投手がコントロールに困ってる時は一番助かる。タイブレークでも使用される無死一、二塁はバントの成功をほとんど見ない。それくらい難しいし、やんなきゃいいのにと思う事が多い。
この日本全体を包むバント病をどうしたら打破出来るか。まず一つは長打を増やす。メジャーから来たフライボール革命や二番最強打者論に日本も乗っかるべきではないか(私は一番打者最強論者だけど)。何でもかんでもメジャーを追いかける必要はないけど、良いものは取り入れた方がいい。
あとは、ダブルプレーを打っても監督やマスコミがいちいち文句を言わない事。いちいち言うからいつまでも確率の低いバントをやらなきゃならなくなるのだから。
もちろん、時と場合に寄ればバントは有効。試合の終盤、1点を争う場面や、打者の打率が低かったり、後続の打者に短打しか期待出来なかったりすれば、バントは有効な武器になる。要は適材適所。判で押したようなバントはやめようということ。少しは頭を働かせましょうという事。
感想をお聞かせください。
バントに関しての日本人の姿勢はどうだったでしょうか?なるほどと思わせる箇所がいくつもあったと思います。
皆様のご意見もお聞かせください。
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