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アナスタシア~麗しのタカラヅカ:桂春雨

桂春雨

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今回はタカラヅカもたくさんの困難がありましたね。それを乗り越え無事に、今年も宝塚大劇場最後の公演を終える事が出来ました。

今回は今年最後の宝塚大劇場の演目について、桂春雨師匠に語っていただきました。すでにご覧になった方は感動がよみがえり、まだご覧になっていない方は気持ちが高まること間違いなしです。お楽しみください。

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アナスタシア

みなさん、ようこそ『麗しのタカラヅカ』へ。ご案内役の桂春雨です。

宝塚大劇場での今年最後の公演は、12月14日に千秋楽を迎えた『アナスタシア』でした。

アナスタシアというと「なんか聞いたことあるなあ」という方もおられると思います。そうです、ブロードウェイで2017年から2019年までロングラン上演され、世界各地でも上演され好評を博した、あのミュージカル『アナスタシア』の宝塚版です。

1997年公開のアニメ映画『アナスタシア』に着想を得て制作されたのが、ブロードウェイミュージカル。そしてブロードウェイのものを進化させたのが宝塚版ですから、三段跳びで言うと最後の着地の部分。宙組公演では、みごとな着地を見せてくれました。

ロシア革命で殺害された皇帝一家の末娘アナスタシアが、密かに難を逃れて生きていたという、欧米では誰もが知るおとぎ話のような「アナスタシア伝説」に基づいた作品です。

宝塚歌劇団のホームページには『詐欺師でありながらも純真な心を持つ青年ディミトリと、アナスタシアによく似た記憶喪失の少女アーニャが繰り広げる愛と冒険の物語に、どうぞご期待ください。』とあります。

オリジナルではアーニャが主役のものを、宝塚版ではトップスター真風涼帆さん演じるディミトリを置き換えるため、ブロードウェイのスタッフが新曲”She Walks In”を提供してくれたことも書かれていました。

演出の稲葉太地先生が「オリジナルにはあまり描かれていなかったディミトリの悪い部分を、宝塚版ではあえて創らせてもらいました」と語っているように、前半いけすかない悪い男に見せることによって、後半に向け次第に心優しい男に成長する姿が見えてくるという素晴らしい脚本で、ディミトリを見事に主役に仕立てあげています。

元がブロードウェイミュージカルですから、楽曲も大変多く、公演プログラムの”Musical list”には、”act.1″に16曲、”act.2″には18曲、計34曲が記されています。しかもブロードウェイの曲は普段の宝塚の曲にくらべると、一曲が長く出来ているので、出演者はとても大変そうです。

楽曲と脚本の素晴らしさに加え、この公演ではもう一つ嬉しいことがありました。演奏はコロナの感染予防のため、あいかわらず録音によるものですが、なんと指揮者だけ復活したことです。

「本日はようこそ宝塚大劇場へ、宙組の真風涼帆です」から始まる開演アナウンスの最後に「指揮、御崎恵により開演致します」と紹介があると、オーケストラピットの中央にいる御崎先生にスポットが当たり、先生が客席に一礼をしてから演奏が始まりました。

先生は、オケピにまるでオーケストラがいるかの如く指揮棒を振り続けます。どうやら、御崎先生の指揮が録音の伴奏のスタートのきっかけになっていて、舞台上の歌と芝居はタクトの動きによって進行し、演奏と舞台は指揮者のおかげで完全にひとつのものになっているようでした。

ロビーのオケ表示(当日のオーケストラの演奏者が張り出されるところ)を見ると、”御崎恵”という表示はありませんが「今回の作品では、ブロードウェイ・ミュージカルならではの、演技と楽曲との微妙なタイミングや、アカペラ楽曲の進行などをコントロールする必要があるため、指揮者がオーケストラピットから指揮をいたします。」と張り紙がありました。

ブロードウェイミュージカルが元なので、歌の占める割合がとても高く、客席に長時間座っていると音楽が身体中に曲が溶け込んでくるような気分がしてきて「これがミュージカルの力か」と感心した次第です。

最も印象的だった曲は、芹香斗亜さん演ずるグレブの歌う”The Neva Flows”です。act.1、act2を通じて、アレンジを変え何度も登場するので、劇場からの帰り道は、頭の中で「王族は潰えた~」という歌声がずっと聞こえていました。

YouTubeの”三井住友カード【公式】”に、真風涼帆・星風まどか・芹香斗亜の宙組トリデンテが代表曲3曲を歌う模様がアップされているので、ご覧頂ければ公演の雰囲気が少しはお分かり頂けると思います。

【宝塚歌劇】宙組「アナスタシア」歌唱フル動画【三井住友カード公式】


大劇場公演は終わってしまいましたが、1月8日から2月21日まで東京宝塚劇場公演がございますので、関東方面の方はぜひご覧下さい。

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桂春雨師匠はTwitter(https://twitter.com/harusamek)も随時更新中。公演情報はこちらをチェックしてくださいね。