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ワーズカフェのオーナー畑中武彦さんに直撃インタビュー!繁昌亭の発展を間近で17年見続けたお店

ふじかわ陽子

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繁昌亭に行かれたことがある方なら、一度は前を通ったことがあるワーズカフェ。落語会や音楽イベントも開催されており、いつも賑やかなお店です。

今回はこのワーズカフェのオーナーの畑中武彦さんにお話をうかがいました。イベントを開催するきっかけや、壁いっぱいのサインを最初に書かれた方についてお聞きしました。お楽しみください!

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繁昌亭ができる前から南森町で愛されてきた店

――繁昌亭を訪れる人にはお馴染みのワーズカフェ。繁昌亭ができたころには、もうありましたよね。

そうですね。今年で創業17年になります。最初の方はビジネスマンの方のご利用が多かったんです。それが、FM802が近いこともあってアーティストの方もご利用してくれるようになりました。読売テレビも近いですし、関テレも徒歩圏内です。

――言われてみれば、FM802は特に近い。すぐソコ。

繁昌亭ができて、芸人さんのご利用も増えました。有難いことです。繁昌亭ができる以前のこの辺りは、南森町の不毛地帯といわれているほど人通りがなかったんです。それが繁昌亭ができたことで、人の流れができたんです。繁昌亭さまさまです。

――前は天神さんの駐車場だけでしたもんね。繁昌亭ができると初めて聞かれた時、どう感じられましたか?

どういう形になるか、出来たところで流行るのかと思いました。噺家さんも不安がっている方もおられました。それでもふたを開けてみたら、大盛況で。

――ほんまに良かったです。お客さんは噺家さんが多いんですか?

噺家さんも多いですし、FM802に出演されたアーティストさんも多いんです。でも、私はアーティストに疎いんで、どなたが分からなくて残念です。

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人気噺家だけでなく人気アーティストも訪れる店

――アーティストさんも多いから、壁のサインも噺家さんだけじゃないんですね。

初めてサインをしてくださったアーティストさんはAIさんです。『STORY』が大ヒットした。噺家さんで初めてサインしてくださったのは、笑福亭仁福さんです。お願いした時は、「今忙しいから、また明日」と言われたんです。やんわり断られたんかなと思っていたら、本当に次の日に来てくださってサインしていただいたんです。嬉しかったです。

――良い話ですね。初めて来店された噺家さんって覚えておられますか?

覚えてますよ。桂三四郎くんと桂三幸くんです。「僕ら噺家なんです」と向こうから話しかけてくれました。その時は2人とも年季明け前やったかな。カツカレーを食べてはりました。

――こうやって人気噺家さんも来店されているなら、お客さんも落語ファンが多いんですか?

半々かな。すぐそこやのに、繁昌亭があることを知らんお客さんもおられるので。興味がなかったら全然分からんのやろうね。

――もったいないですね。大阪唯一の落語の定席なのに。

せやけど、私も繁昌亭の近くで店を出していなかったら落語に興味を持っていなかったかも。

――そうなんですか?

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繁昌亭ができたから落語にも興味を持った

演芸はテレビを見る程度でした。吉本新喜劇が多かったかな。四天王は全員見たけれど、生で拝見したのは米朝師匠ぐらいです。晩年、サンケイホールの独演会を見に行きました。わざわざ劇場まで行ったのは、ほんとこんなもんなんです。

――意外です。ものすごく理解が深い方なんだと思っていました。

だから、落語を応援している人の気持ちも興味のない人の気持ちも分かります。落語に関わり始めてから、何が大事かも分かりました。

――それは何でしょうか?

「生」ですね。音源だけでは伝わらないものがある。生の空気感を感じられたら、ハマる人も多いんとちゃうかな。ただ、今はコアなお客さんが多いから入りにくいんちゃうかと思います。なかなか中に入れない雰囲気を醸し出している。

――コロナで人の動きが止まった分、どうしても今来てくださっているお客さんはコアな方になりますね。

良いのか悪いのか。まあ、コロナで本当の姿が見えたんとちゃうかな。今まで勝手にお客さんが入ってきて、安心してはった方も多いでしょう。これからもお稽古して、集客もして、愛想もしいのでやらんと。

――ほんまですね。

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最初は音楽イベントを、それから落語会も

――ワーズカフェでは落語会などイベントを開催しておられますが、きっかけは何だったのでしょう?

最初は音楽イベントを開催したんです。知り合いのカフェの店長から、うちは狭いから貸してんかと頼まれたのが最初です。それから音楽イベントをやるようになって、その中にナオユキさんの出囃子のアコーディオンを弾いておられるかんのとしこさんもおられたんです。それを見たナオユキさんが、「俺もやらせてほしい」と。

――何がつながりになるか分かりませんね。

ほんまに。お笑い関係はナオユキさんが最初で、落語は桂優々くんが最初です。この子は協会員じゃなくなったんで、繁昌亭に出られんようになった。それで「うちでやってみたら?」と声をかけました。「旬々亭」といいます。

――そういう経緯があったんですか。

それから月亭天使ちゃんも使ってくれるようになって。彼女は創作落語をするようになって良いね。天使ちゃんらしくなってきている。

――勉強会にちょうど良い広さなのが、若手には有難いと思います。レンタル料はおいくらなんですか?

もらってないで。木戸銭はそのまま渡してます。打ち上げも私が出してるから、開催するたんびに赤字。とにかく若い子に使ってもらいたいんです。応援したい。迷惑でも何でもないから、気楽に言うてもらえれば。

ワーズカフェの思い出

――ワーズカフェで開催された落語会で思い出に残っているものはありますか?

月亭遊方さんの艶笑噺の会やね。天使ちゃんも出て。東京の楽屋で聞いたうろ覚えの話を、きっちり落語にしてくれた。艶笑噺は露の五郎兵衛師匠が有名やけど、江戸の艶笑噺も面白かったね。

――お客さんはやっぱり男性が多かったんですか?

いやいや、女性が8割!びっくりしました。それも面白かったですね。

――男性は逆に行きづらかったんかも(笑)。他にも思い出に残るイベントはありますか?

ナオユキさんの会は、毎回楽しみです。話の筋はだいたい頭の中に入っているから、客席を見るんです。みんな、どういうところでドッカン笑うんかなと。

――それ、演者目線ですやん。カフェのオーナーちゃいますよ(笑)。他、思い出に残るエピソードはありますか?

色々あるなぁ。うちは弟子入り志願のクールダウンにも使われるんです。繁昌亭の楽屋に行く前に、ちょっと落ち着こうと。桂咲之輔くんや桂三輝くん、桂九ノ一くんが使ってくれたのを覚えています。

――思い直すには良い場所ですね。

面接もうちでやるんですよ。都一門は、全員うちちゃうかな。九ノ一くんが九雀師匠と『よせぴっ』の日高さんと来られた時はビックリしましたね。彼、アフロヘアやったから。この子、絶対無理やろなぁと思うていたのに、上手になって。九雀師匠が大事に育てはったんやろうね。

全員アマチュアの落語会が野望

――今後の野望はありますか?

野望というてもね、年も年やし。でも、ひとつだけ開催したい落語会があるんです。題して「かかってこんかい落語会」です。松尾貴史さんとナオユキさん、それにABCアナウンサーの桂紗綾さんのアマチュア落語家の3人の落語会です。もう全員にOKをいただいているんです。

――面白そうですね!

前半はアマチュア落語家の3人が出演して、中入り後はトークコーナー。トリに桂雀々師匠が出てくれたらええなぁ。

――ぜひぜひ実現させてください。

問題は、スケジュールです。雀々師匠以外は出演OKをいただいていますが、全員が忙しい。集客は紗綾さんがラジオで言うてくれるやろうから大丈夫でも、肝心の出演者が同じ日に揃うかというのがね。

――それは大問題だ。

だから、いつかの野望。

――最後になりますが、お店のアピールをお願いします。

サンドイッチとアップルパイがウリの店です。全部手作り。中でもエビフライサンドが人気です。楽屋弁当にもしてもらっています。打ち上げができへんからね。安くしています。持ち帰りは500円。みなさん、気軽にお越しください。

――有難うございました!

ワーズカフェでお待ちしています

今回はワーズカフェのオーナー・畑中武彦さんにじっくりお話をうかがいました。60代後半とは思えないパワフルで素敵な方でした。ワーズカフェはいつうかがっても元気をもらえ、何よりメニューの全部が美味しいのが嬉しいお店です。

畑中さんがお店に立たれるワーズカフェは、南森町駅から徒歩1分のところにあります。繁昌亭で落語を楽しむ前に、一度立ち寄ってみてくださいね。

ワーズカフェ

住所:大阪府大阪市北区天神橋2-5-18

電話:06-6353-1980

営業時間:11時~19時(金曜日は22時まで)

定休日:月曜日

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