こんにちは、桂三実です。
今回お伝えする私の夢は”地元で落語会”です。私の地元は愛知県名古屋市です。この世界に入る為に大阪に来るまでの18年間を過ごしました。
そんな名古屋には大須演芸場という寄席小屋があります。初めて生で落語を観たのはここでした。
今でこそリニューアルして綺麗になりましたが、当時は中へ入ったら一生外に出られないのではないかというようなそれはそれは異様な雰囲気が漂っていました。
大須演芸場での思い出
私が行った時はお客さんの数は7人。言うまでもなく10代は私1人。
途中、女性歌手による歌謡ショーがあったのですが、2番までの間奏中にその方はなんと客席に降りてきて一人一人と握手をし始めました。私はなんとしても握手をしまいと逃げようと試みたのですが、7人のお客さんの1人が動くと当然バレないわけがありません。
泣く泣く握手をし終えてホッとしたのも束の間。お客さんが少なすぎて全員と握手し終えてもまだ間奏が終わらず、こともあろうにその歌手は握手2周目を敢行したのです。
焦りからか、2回目の握手の時のその歌手の冷や汗によるぬめりの感触は未だに右手に残り続けています。
またある時は私が落語家になることを知っている友達を誘って行きました。その日も客席はまばら。公演を終えてその友達が私に一言、「お前、いかつい世界いくんだな」と死んだような目で言ってきたことを昨日のことのように思い出します。
いつか大須演芸場で…
なので落語家としてこの舞台に立てた時は感慨深いものがありました。
と同時にいつかここで落語会がしたいという思いも湧き上がってきました。
というのも、私のTwitterをフォローしてくれていた友達が、私が落語家になった途端次々とフォローを外していくという恐ろしい現象が起こっています。なので友達を呼び、これでもかとつぶやいてもらうのです。
そしてどこかへ消えていったみんなを呼び戻すのです。フォローしてもらうのです。いいですかみなさん、持つべきものはフォロワーの多い友達です。
そして落語会をしたい会場がもう一つ。それは豊明市文化会館です。とある苦い思い出を抹殺するためにここでやりたいのです。
苦い思い出
あれは高校卒業後の春休みのこと、イケイケグループ何組バンド演奏をするという催しがありました。お客さんはバンド目当ての同じ高校、さらに他校の女子が大半を占めていました。
なぜか私はその合間にコントをすることになりました。同じクラスのAくんとコンビを組み、ネタを作り稽古を重ねいざ本番を迎えました。女子にモテる世紀のビッグチャンスです。
ここで笑いを取れば春休みのナガシマスパーランドデートが確定したようなもんです。大盛り上がりのバンドのあとに意気揚々と舞台に出ましたが、結果は散々。卒業が取り消しになるくらいぐらいスベりました。
あの瞬間、3年間の青春が粉砕しました。なのでこの舞台で粉々になった青春を再生しに戻りたいのです。その時初めて私は高校卒業したことになるでしょう。