野球を語る上で忘れてはならない存在が「球審」です。特にキャッチャーの後ろに控え、ピッチャーが投げる球の判定をする「主審」は試合を左右する存在。今回はマグナム小林先生に、この「主審」についてつづっていただきました。
自身も野球経験者だからこそ、マグナム小林先生は思うことが多いのだそう。それは…。
読むと今まで以上に野球が楽しくなりますよ。
白井球審を通じ「主審とは何か?」を考える
4月24日京セラドームで開催されたオリックス・ロッテ戦での、佐々木朗希選手に対する白井一行主審の対応が物議をかもした。今回は私の考えを述べたいと思う。
私も高校まで野球をやっていて、捕手をやっていた関係上、主審とは密接な関係にあった。捕手というのはプレーヤーの中で主審に最も近くにいるからだ。なのでいろんな主審の方に接してきたし、自分も練習試合で主審をする事があった。
主審というのは、我々芸能の世界で言うところの司会進行だと思う。
上手い人ほどスムーズでいい試合になるし、下手な人ほどダラダラとしたつまらない試合になる。そして上手い人ほど目立たない。我々の世界で名司会者と言われるさんまさんや浜田さんも出演者の方を極力目立つように気を遣っている。主審が目立つ試合にいい試合はない。これはどのスポーツもそうだと思うけど。
そういう点で言うと佐々木朗希の態度がどうあれ、選手以上に目立ってしまった白井さんは主審として良くなかったと言わざるを得ない。
あそこで退場にさせるのであれば、あれでもまだ良かったが、そうでなければ、何人かが言ってるようにイニング間に注意をすれば良かったと思う。
また、なぜああいう事になったのかの説明もすべきだったと思う。自分が正しいと思うのであればきちんと言うべきだったと思う。アマチュア野球ならともかく、ファンあってのプロ野球なのだから。
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捕手をしていて下手な主審の定義として、まずストライクゾーンが狭い。これはアマチュア野球でやられると本当に試合が進まない。アマチュアレベルで厳しくしてもいいことは一つもない。
もっと困るのはストライクゾーンがブレる人。これをやられると打者まで混乱する。間違ってても何でも一度ストライクと言ったもんは最後までストライクと言って欲しい。
これらの審判に共通して言えるのは自己顕示欲が強い。自分がこの試合を支配してるんだと言うのを誇示したい人が、時たまいる。審判が目立ってはいけないというのを分かっていない人がたまにいるのだ。
審判も人間なのだからという人がいる。それと審判が感情的になっていいという事とは違うと思う。例えば、外角に甘い人がいたり、低めに甘い人がいたりというのは私はありだと思う。そういうのが審判の人間的な部分だと思う。
今はアマチュアですら140キロを超えるようなボールの判定を主審はしなければならない。他のどのスポーツよりも細かい判定を肉眼でしてると思う。私はストライク、ボールに関しては出来る限り肉眼で判定して貰いたいと思っている。判定がひどいようなら機械でという話にどうしてもなってしまう。だからこそ、野球の司会進行役である主審には腕を磨いて欲しい。