甲子園球場で開催されている、熱戦が続く第104回全国高校野球選手権。ここ最近、投手が何人も控えていることにお気づきでしょうか。ひと昔前は一人のエースが投げ切ることが多かったですよね。マグナム小林先生はこのことについて、こう考えておられるのだそう。それは…。
マグナム小林先生はご自身も高校球児だったからこそ、見える世界があります。高校野球の投球制限について、今一度一緒に考えてみませんか。
球数制限大反対
高校野球の夏の大会を見てると複数の投手を起用するチームが当たり前になってきた。逆に近江のように一人の投手に頼ってると批判される。でも、本当にそれでいいのか。
エースを先発させずに負ければ批判されるし、疲れたエースを先発させて負ければ批判されるしで監督も大変である。調子のいい投手を見極めるなんてプロの監督だって出来ない。投手の体調管理は大事だけど、やる以上は負けたくない。これは監督も選手も一緒。球数制限を否定はしないが、他に方法があるのではないか。そして出来る限りエースを投げさせられる方法はないのか探るべきだと私は思う。
日程を中三日、せめて中二日に出来ないものか。ただ、高校生の大会でそれはなかなか難しい。今のように中一日空いてるだけでも昔に比べれば進歩だと思う。
ならば9回まででなく、7回で良いのではないか。そうすれば、一試合の球数も多くても120球程度で収まる。今の投手は昔に比べ球数が多いので一試合で150球くらい投げるのもザラだし、それが疲労蓄積の原因になる。教育の一環というなら記録を重視する必要はないし、そもそも5回でコールドというルールもあるんだから問題ないはず。7回になると番狂わせが増えるから強豪校が嫌がるから実現しないかもしれないが、今後、世界的な流れとして7回制というのは充分あり得る。
そもそも何が問題かと言えば、投手を育てる事自体が難しいという事。やった事ない人ほど簡単に言うけど試合で使える投手を作るのがどれだけ大変か。
まず投手を教えられる指導者がいない。野手出身の監督ではまず無理。私の中高の監督も投手に関してはほぼほぼ指導らしい指導はしてなかった。投手を育てるのに定評のある監督なんて各県に一人いるかいないか。その現状で複数投手だ、球数制限だと言ってる事に無理がある。まず、指導出来る人を増やすのが先決。これはプロ野球OBを使うのも一つの手だと思う。
中学の時の監督が、肩の強い奴を投手にすると言っていたのを覚えてる。当たり前かもしれないが、一つの正論だと思うし、実際、その先生は外野しかやったことのなかった選手を中3の春に投手に転向させて、夏の大会ではエースとして大活躍していた。肩が強い人からすれば、18.44mなんてすぐ目の前くらいの感覚なのかもしれない。
ちなみにその方は先輩だったが、投手になるきっかけはレフトの定位置からファーストにストライクを投げてレフトゴロにしようとしていた。むしろ、それだけの肩があったら、今まで投手をやってなかった事の方が不思議だが、その先輩はそんなに投手をやりたくなかったようだった。気楽に野球をやりたかったみたい。野球をやってるからと言ってみんながみんな投手をやりたい訳ではないという事だ。それも複数投手制を難しくしてる部分かもしれない。