広告

【取材記事】ハプニングも芸のうち?!桂福丸・真山隼人二人会 inカフェみゅーず ~まさかこんなことが…

ふじかわ陽子

▲お問い合わせはこちらから▲
【PR】
▽電子帳簿保護法の準備はお済みですか?▽

桂福丸さんと真山隼人さんの二人会が、令和4年11月18日(金)18時から兵庫県宝塚市で開催されました。曲師はもちろん、沢村さくらさん。主催はNPO法人宝塚メディアネットワーク、会場は阪急宝塚線「中山観音」駅スグのカフェミューズです。

実はこの会、ハプニングが続出だったんです。でもそれを笑いに変える桂福丸さんと真山隼人さんの腕には感服!さてさて、どんな会だったのでしょうか。

この記事の画像は全てクリックで拡大します
広告

オープニングトークからスタート!

まずは宝塚メディアネットワーク代表、宮脇英明さんの挨拶から。続いて今回の出演者全員でオープニングトークです。出囃子に乗せて登場…とはいかず、なぜかラジカセが動かない。おたおたする宮脇さんの元に、真山隼人さんと沢村さくらさんが慌てて駆けつけます。ようやく動き出したラジカセから出囃子が流れ、本格的にスタートです。

宝塚メディアネットワーク代表の宮脇英明さん

真山隼人さんは昨年秋に原因不明の硬膜外血腫で倒れられてから、久しぶりの宝塚メディアネットワークでの会。昨年も企画自体はあったのですが、大事を取って見送りました。満を持しての登場です。期待値が膨らみます。

真山隼人さんは、リハビリもかねて沢村さくらさんが開催しておられる浪曲三味線教室の発表会に出演されたとか。浪曲師1人に曲師が10人、なんと150分一人で唸られたのだそう。喉が大変のように思えますが、初代京山幸枝若師は1日5公演することで喉を鍛えられたとか。真山隼人さんもそれに倣います。

和気あいあいとオープニングトークが繰り広げられます。自然と、福丸さんが司会のようなポジションに

元気いっぱいに見える真山隼人さんですが、今もまだ雨が降ると調子が狂うこともあるとのこと。これを聞いた桂福丸さんは言うんです。

「そしたら、弱らせようと思うたら、水をかけたらええんやね」

いやいや!落語家の職業病でしょうか、何か一言言いたくなる。

広告

品よくしっかり古典を

まずはこの桂福丸さんの高座からこの会の直前、門真市の小学校での公演だったそう。その時の様子をマクラにし、客席をうかがいます。

綺麗な若芽色の着物に紺色の襟が映えます

「午後6時開演は難しいんです。ご飯を食べて来られた方、食べて来られてない方がおられる。お腹が減るネタが良いでしょうか?」

など質問を投げかけてから、『親子酒』を。大店おおだなが舞台ですから、酒飲みといえど上品な人たちが登場人物。指先まで綺麗に伸ばし、膝へ置く様はさすが桂福団治師匠のお弟子さん。登場人物に合わせて、手の置く膝の場所も違うんですよ。上下の目線への振り方も、広くない会場に合わせて品良く。

若旦那さんの酔っ払い方も堂に入っています。ちゃんとしようとしているけれど…、それがとてもおかしくて笑いを誘います。

高座に上がられて、テーブルの上に手をついた瞬間…

続いて真山隼人さんの登場です。普段なら落語家と一緒の会は、見台にテーブルかけをかけて、テーブル代わりにするのだそう。今日は見台がないため、急遽、沢村さくらさんと宮脇さんがこしらえたものを…。

かなりヒヤリとしました。沢村さくらさんが慌てて真山隼人さんに駆け寄ります

と思ったら、一瞬で崩壊。一緒に崩れる真山隼人さん、少しの間動けませんでした。しかし、大笑いをしながら復活。壊れた「テーブル」を袖に投げ入れ、座布団に座っての浪曲です。最近はテーブルなしに挑戦する浪曲師も多いんですって。

ひょいと「テーブル」を袖に投げ入れて、気を取り直して浪曲です。「テーブル」製作者のさくらさんはバツが悪そう…

今日の演目は『相馬大作~手紙よみ』を。実は安倍晋三元首相が西大寺で非業の死を遂げた直後に、西大寺の公演でかけるはずだったとか。ただ、襲撃事件と演目があまりにもシチュエーションが似ているため、見送ったのだそう。浪曲で類似犯が…なんてことが起きてはなりませんからね。

あれから約半年、ようやく高座でかけられるように。堂々とした浪曲は、真山隼人さんの完全復活を感じさせられるものでした。沢村さくらさんとの息もピッタリです。

広告

壊れたテーブルの謎とじっくり芝居噺

10分の仲入り休憩の後、再び真山隼人さんが高座に。手には壊れたあの「テーブル」があります。どうやら水切りカゴを組み合わせて作られたものなのだそう。ああ、これは壊れるわ…。一同納得です。

壊れないわけがない作りの「テーブル」。ちなみにテーブルクロスはピアノカバーでした

2席目の真山隼人さんは古典浪曲パロディで『右甚五郎~万人坊主』を。初代京山幸枝若師匠が得意とされていた『千人坊主』を現代風にアレンジしたもので、左甚五郎ならぬ「右」甚五郎が主人公。舞台は平成時代、なんと亀井静香や麻生太郎も登場するんです。

気になる内容は…?それは生で聞いてくださいね。迫力満点の唸りの中にある笑い、最高でした。便器の形のカレー皿…。好きです。

トリは黒紋付きでキリッと

今日のトリは桂福丸さん。先ほどの『万人坊主』の元ネタの説明から、『仮名手本忠臣蔵』の解説へ。流れるように『蔵丁稚』の世界へ観客を誘います。

芝居好きな丁稚が、「好き」が高じて寄り道をするように。旦那さんからお仕置きのために蔵へ閉じ込められてからが、丁稚の独断場です。現代のオタクにも通じる熱中の仕方に、微笑ましさと狂気が同居します。

その様子を桂福丸さんは丁寧に描きました。劇中劇を臭く演じる噺家がいる中、桂福丸さんは淡々と表現します。もしかすると、桂福丸さん自身の熱中の仕方がこのような感じなのかも?そんな想像を膨らませてくれる高座でした。

広告

二人だからこそ生まれる空気がある

終演後に集合写真を撮影させていただきました

ドキドキハラハラのハプニングあり、じっくり聞かせる落語&浪曲ありの、楽しいひと時。しっかり者の桂福丸さんと破天荒な真山隼人さんの組み合わせはとても刺激的で、また同じ番組を見たいと思うほど。少人数のお客さんだからこそ生まれる笑いや空気の中、良い時間を過ごさせてもらいました。

これからの桂福丸さんと真山隼人さん、沢村さくらさんの活躍も楽しみです。もちろん、宝塚メディアネットワークさんの企画「きづな亭」からも目が離せません。

12月28日には今回の出演者に桂雪鹿さんも加わり、「宝塚きづな亭大衆芸能まつり」が開催されます。こちらも要チェックです!

更新の励みになります。ご支援のほどをよろしくお願いいたします

第2回宝塚きづな亭大衆芸能まつり

クリックすると西宮能楽堂のHPへジャンプします

日時:令和4年12月28日(水)18時開演(17時半開場)

会場:西宮能楽堂(兵庫県西宮市鳴尾町3丁目6−20)

阪神鳴尾・武庫川女子大前駅下車、南へ徒歩5分 (地下通路を通ります) 駐車場はございませんので公共交通機関をご利用下さい。

出演:桂福丸、真山隼人(曲師・沢村さくら)、桂雪鹿

料金:前売り 3000円、当日 3500円(定員70名)

お問い合わせとご予約:takarakizuna@yahoo.co.jp 080-6154-0392(宮脇)

主催:特定非営利活動法人宝塚メディアネットワーク

協賛:末廣すし、お好み焼き&鉄板焼き江戸屋、カフェみゅーず、ハイライフ宅建

クリックすると宝塚メディアネットワークのHPにジャンプします