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【取材記事】第104回 ヨセゲー「ラブゲット大作戦-色恋の噺-」レポート

取材記事

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2024年2月15日、東京・神保町にある「らくごカフェ」にて、「第104回 ヨセゲー『ラブゲット大作戦-色恋の噺-』」が開催されました。
今回は、春風亭傳枝師匠、柳亭芝楽師匠、 笑福亭里光師匠、田辺凌鶴先生が出演。
街にバレンタインデーの甘い空気がまだ残る中、落語と講談のさまざまな恋愛模様が繰り広げられたようですよ。それでは早速、きゅんきゅん、どきどき、「ラブゲット大作戦-色恋の噺-」の様子を覗いてみましょう。

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やっぱりモテたい

はじめは笑福亭里光師匠。まくらでは、「大吉原」展など、今話題のテーマに触れながら、絶妙な間合いとリズムがクセになる里光師匠の「みじかいらくご」が織り込まれます。これが良いスパイスとなって、会場がじんわりとあたたまっていきました。

演目は『色事根問』。モテたい男がどうやったらモテるのかな~と、ある男から1~10のモテる秘訣を教わるのですが…。モテたい男の方はどうやら天然らしく、モテる秘訣の解釈は「そうじゃない」感が漂い、ドカドカと笑いが絶えませんでした。クールな里光師匠ですが、モテたい男のいたずらっぽい表情を演じられたら抜群です。


独特のリズムを醸す「みじかいらくご」のまくらから、『色事根問』に突入する時のリズムの転換は見事で、会場も一気に集中力が高まり最後までみなさんが夢中に耳を傾けられていました。

続きまして、春風亭傳枝師匠。韓国のバレンタインデーや今と昔の結婚観の違い、しまいには象の恋愛事情(?!) まで、いろいろな恋愛に関する豆知識を教えていただきました。その様子は、もはや寺子屋さながら。会場からもふむふむと知的好奇心が掻き立てられている様子が伝わってきます。


さて、美しい人には心惹かれるのは今も昔も変わらないようで…傳枝師匠が口演された『引越しの夢』は、大店に新しくやってきた美しい女中さんのラブゲット大作戦! な噺。夜中に、二番番頭、一番番頭、手代と店の男性陣がかわるがわる女中さんのもとに抜き足差し足で向かうのですが…。傳枝師匠が地を語る口調はどこか色っぽい。そんな地から展開されるキャラの濃い登場人物たちの会話のおもしろさはより惹き立てられ、ぐいぐいと惹きこまれていきます。心地よいビートに会場もノリノリの様子。

男性陣のラブゲット大作戦が成功したかはさておいて、傳枝師匠らしい鮮やかな口演にしびれさせられました。



ここで、お仲入り~~~。

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甘酸っぱい!!


仲入り後は、田辺凌鶴先生の講談です。おもむろに高校時代に同じ机を使っていた女性と文通をしていて……と甘酸っぱいエピソードを話しはじめた凌鶴先生。紳士な空気をまとう凌鶴先生の恋愛トークは、そのギャップと甘酸っぱさに会場のきゅんきゅんが止まりませんでした。


演目は『太閤記』から『間違いの婚礼』。豊臣秀吉が木下藤吉郎だった頃、上司の娘・おねと犬千代の縁談が持ち上がるのですが、おねは気が進まず…藤吉郎が犬千代の元に直々に破談交渉に挑むのですが…。おねを諦めさせるためのあの手この手に会場は笑い声に包まれます。凌鶴先生の優しさとキレを持ち合わせている語りは、登場人物をイキイキと立ち上がらせます。そんな様子を見ていると、講談でありながら、凌鶴先生が演出家として、そして役者として、ひとつの舞台を作り上げているようです。楽しそうに舞台を作り上げる様子が、会場にも伝播して、あたたかい空気で満たされていました。

「人間の価値は身分ではない」というおねの言葉が心に響いたな~としみじみ。良い言葉、好きな言葉に出会えるのも、演芸の楽しみのひとつですね。

トリは柳亭芝楽師匠。芝楽師匠含め、何やら楽しそうな3人組でスーパーでちょっと高級な食材を買い物をして、濃いバレンタインデーを過ごしたそうです。どのように濃かったかは…ぜひツイキャスを!

今日は『写真の仇討ち』を口演。玄人の女にだまされた男がひとり。女を殺して自分も死ぬつもりだと伯父に話す。伯父は、晋の豫譲が主人の仇の趙襄子の衣を剣で突くと血が流れたという故事を話して諌めるのですが…。

だまされた男の混乱ぶりと伯父の冷静さの対比がはっきり表現され、男のおどおどした感じがより際立ち、笑いを誘います。伯父が中国の故事を聴かせるシーンはぐっと声を潜める芝楽師匠。見事に、故事を語るにふさわしい神妙で真面目な空気が漂い、会場は好奇心と共にじっと聞き耳を立てていました。会場の呼吸が、噺の呼吸と一致して、みんなで会を作っている一体感が生まれていました。

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お客様のラブゲット!

最後にみんなで、おきまりの(?!)「にゃー」っと集合写真。
あれ? 今回は芝楽師匠が…。相変わらず、遊び心たっぷりの師匠方です。


今回も、お客様のハートをかっさらっていったヨセゲー。
噺の中の登場人物たちは、なかなかラブゲット大作戦成功! とはいかなかったようですが、ヨセゲーはお客様からのラブゲットですね!
これからもますますヨセゲーが愛されていくことが感じられる会でした。
ここでは書けない、もっと濃い、恋、話が繰り広げられていたので、ぜひツイキャスをお楽しみください。


次回は3月14日で、テーマは「春宵一刻値千金」。ホワイトデーに開催です。
桜は咲いている頃かしら。春たっぷりのヨセゲーをどうぞお楽しみに。


■次回予告■
ヨセゲー #105【春宵一刻値千金】
2024年3月14日(木)
開場:18:30 開演:19:00
当日:2500円 前売:2000円 ツイキャス配信:1500円
会場:らくごカフェ(東京都千代田区神田神保町2丁目3−5)

ツイキャス落語会 ヨセゲー #104【ラブゲット大作戦-色恋の噺-】
https://twitcasting.tv/c:yosege/shopcart/288230
配信期間2/15 19:00~2/29 23:59

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