広告

⑭ネタ?真実?~師匠六代目笑福亭松鶴とわたし:笑福亭鶴光

笑福亭鶴光

▲お問い合わせはこちらから▲

▲たくさんのお越しをお待ちしております▲

六代目笑福亭松鶴師匠は仰天エピソードが多い方としても有名です。でも、本当にあったのか疑いたくなるエピソードも存在します。というのも、楽屋雀たちが面白おかしく脚色することがあるからです。

さてはて、今回笑福亭鶴光師匠がつづってくださったのはネタか真実か?存分にお楽しみください!

広告

ネタ?真実?

先代の文治師匠がまだ伸治の時代、松鶴と飛田新地ののぞき部屋に行きまして、下着姿の女性を見て興奮してると、中におばちゃんが居りまして、手を上下にこすりながら

「お兄ちゃん100円でどうです」

それに答えた桂伸治師匠

「50円に負けろ」

するとおばちゃんが

「あんた江戸っ子やな」

不思議な会話や。

因みに上方で寄席興行を開いた元祖は初代桂文治師匠。文治と言うのは桂派の宗家です。場所は坐魔神社いかすりじんじゃの境内だったそうです。最近上方落語協会で碑を建立致しました。沢山の皆さま御寄付有難うございました。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

そういえばこんな話もあります。

うちの師匠に正月丁稚と言う落語を稽古して頂きました。その中の一部分に「下の歯が抜けると上目の者に死に別れる、上の歯が抜けると下目の者に死に別れる」と言うくだりがあるんです。教えられた通り明くる日松鶴の前でしゃべると

「アホンダラ!上目、下目てな言葉があるわけないやろ、それは目上、目下じゃ、誰がそんな言葉教えたんじゃこのボケ」

あんたや あんたが教えたんや、口まで出たが言えまへんでした。

他にもこんなこともありました。

ある時、松鶴が悪酔いして洗面器に戻しながら

「苦しい、あ~ちゃん呼んできて、背中さすって」

二階へ奥さんを呼びに行くと

「今パン食べてるのや、行けるわけないやろ」

「今パン食べてるさかい行けんそうです」

「あ~ちゃんに言うて来い、いずれ勝負したる」

自分の嫁はんと勝負してどないするね。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

訳の分からん英語も使ってました。

焼肉を御馳走になる事に成りまして、弟子一同が美味しく頂いてると、師匠が野菜しか食べない。

「師匠、何でお肉を召し上がらないんですか」

と聞くと

「わし肉はあかんね、エネルギー体質やから」

アレルギーやと思うんですがね。

「こう見えても神経がバリケードや」

デリケートでっしゃろ。

家にお邪魔すると運動をしてらっしゃいました。

「お~良えとこへ来た、そこのヘルスセンター取ってんか?」

ヘルスメーターや。

「えらいもんやな、ちょっとスポーツしただけで体重が65プログラムに減った」

キログラムじゃ。

「師匠の英語間違いだらけやと評判っでっせぇ」

「何を~お前弟子の分際でわしの英語にクリームつけるのか?」

顔にクリーム塗りたかった。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

雨が降ってきたので電車の駅まで傘持って来いと言われたので、傘持って走っていくと師匠がおばぁちゃんと話し込んでまして、私の顔を見るなり

「弟子が来ました、お先に失礼いたします。おばぁちゃんも早くお迎えが来るといいですね」

ここに書いたのは真実?創作、ネタ 実話 お読みになった方々で独自の判断をお願い致します。

更新の励みになります。ご支援のほどをよろしくお願いいたします