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還暦記念会は来年?桂坊枝師匠にインタビュー!長講・渾身の一席@繁昌亭

ふじかわ陽子

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今年、芸歴37年になる桂坊枝師匠。その桂坊枝師匠が大ネタの『質屋蔵』に初挑戦されるとのこと。競演は当サイト『寄席つむぎ』でお馴染みの桂枝女太師匠です。桂枝女太師匠は、こちらも大ネタの『百年目』を高座にかけられるのだそう。

大ネタ、長講だけの会が令和2年11月10日に天満天神繁昌亭で開催されます。どのような会なのかを、桂坊枝師匠にお話をうかがいました。

ビックリするような開催理由ですよ。お楽しみください!

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還暦の会は来年に

――長講だけの会はとても珍しいですが、どのような経緯で開催されるようになったのでしょうか?

坊枝師:今年、僕は還暦なんですよ。なので最初、還暦記念の会を開く予定で繁昌亭を予約していたんです。でも、このコロナ禍です。客席も半分だけ。還暦といったら一生に一遍のものですから、盛大にやりたいやないですか。せやったら、来年に還暦の会をやって、今年は別の会を開こうと思ったんです。

――一生に一遍の還暦を来年にですか?

坊枝師:誰も「お前、今年61やろう」とは言わんでしょう(笑)。還暦の会を来年にするなら、今年は今まで一緒にやったことがない人とやりたいなと思いました。よく考えたらキャリアの近い枝女太師とあまりやったことがないなと。近いと出番が一緒になることが少ないんです。

――坊枝師匠が昭和58年入門で、枝女太師匠が昭和52年入門ですね。

坊枝師:そうそう。自分で言うのもなんですが、円熟期を迎えていると思うんです。体力は落ちてくるけれども、技力はついてきています。そこで、独演会でもできないような長講に挑戦しようと思ったんです。今までやったことのない一席。ネタおろしです。

――おお!

坊枝師:僕は『質屋蔵』に挑戦です。師匠五代目文枝は、記録に残る限り高座にかけていないネタです。

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師匠五代目文枝と長講の思い出

坊枝師:枝女太師は『百年目』を演ります。この『百年目』は僕たちの師匠五代目文枝の音源が残っています。『百年目』といえば、僕の若い頃ですが、師匠と飲んでいる時に師匠が僕に言ったんです。「どんなネタやってんねん」って。僕が答えて、それから「いずれ『百年目』や『立ち切れ線香』もやってみたい」とも言ったんですよ。すると、師匠がね

――すると?

坊枝師:「若いうちからどんどん演ったらええ」と。師匠は戦中戦後に落語家が激減したころに入門していますから、噺を途絶えさせないようにと若いうちから大ネタをかけていたんです。30代のころから『百年目』は演っていた。その30代では丁稚ができても、番頭や旦那さんに聞こえているか心配で、40代になると丁稚や旦那さんが心配。60代70代になると、丁稚が心配になると言っていましたね。

――名人でも心配なことが……。

坊枝師:師匠はこうも言っていたんです。「誰かてそうやて。最初から完璧ということはないねん」と。人生経験がネタ、演じる落語に表れる、自信がなくても当たり前。こう言っていただけて、僕も若いころから『船弁慶』などに挑戦してきました。師匠直伝です。背伸びしても悪いことやない、師匠もそない思ってやっていたんやと。

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『質屋蔵』は五代目文枝師はやっていないけれど

坊枝師:今回、僕が演る『質屋蔵』は師匠がやっていないネタです。僕は米朝師匠の本で勉強しました。勝手にやらせていただいている。このネタは最初の15分ぐらい一人語りなんです。

――一人語りだとダレがちになってしまいますね。技力のついた今だからこそ、挑戦したいネタなんですね。

坊枝師:そうですね。くすぐりがなく、下手するとおもんない前半です。でも、僕はここが好き。力を入れています。じっくりを聞いてほしいな。

――とても楽しみです。

坊枝師:好きというだけでなく、この前半はオチを完全なものにするには必要な部分なんです。『質屋蔵』のオチはSFみたいで、奇想天外だからこそ前半でちゃんと話さないといけない。このオチが綺麗なんです。オチも好きです。

――坊枝師匠の「好き」がいっぱいつまっていて、今からワクワクします。

坊枝師:「好き」だけでなく、還暦になり年齢を積んだだけの旦那さんができるかと思います。舞台は大阪で商家の噺ですから、通だけでなく初心者の方も理解に苦しむことはないはず。枝女太師の『百年目』も庶民の噺です。分かりにくい噺ではないと思います。

――ストーリーがしっかりしている噺の方が、案外初心者の方も楽しめるかも。

坊枝師:人の長い長い歴史、人の心情や考えに今も昔もありません。『質屋蔵』と『百年目』、どうぞご堪能ください。お待ちしています。

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天満天神繁昌亭でお待ちしています!

今回はじっくり桂坊枝師匠にお話をうかがいました。還暦を迎えてもネタおろしをし、新しいことに挑戦していく姿に若輩者は身が引き締まる思いでした。

坊枝師匠の『質屋蔵』が聞ける『長講・渾身の一席』は令和2年11月10日に天満天神繁昌亭で開催されます。今からとても楽しみにですね。

長講・渾身の一席

日時:令和2年11月10日(火) 18時45分開演

会場:天満天神繁昌亭

木戸銭:前売り・3000円、当日3500円

チケット販売所:天満天神繁昌亭チケット窓口(11時~20時)

        ぴあ店頭(チケットぴあ・0570-02-9999)

        セブンイレブン(Pコード・597-700)

お問い合わせ:06-6167-7525(キャップ)

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