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コロナな日常とプロレス~格闘技的わたしの日常:神田春陽

神田春陽

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お江戸の講談協会真打の神田春陽先生が寄稿してくださいました。力強い高座が特徴の春陽先生、実は大の格闘技好きです。20年以上前になりますが、ご自身も嗜まれていた経験もあるとのこと。

そんな春陽先生にコロナと戦う日々について語っていただきました。文章からも張り扇の音がパパンと聞こえてくるようです。お楽しみください。

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コロナな日常とプロレス

3月に入り学校が休校になると同じに私の仕事も休校モードになった(学生でもないのに)

3月19日、お江戸日本橋亭講談夜席の高座を最後に約40日間、人前で講談を読んではいない(講談では演じることを「読む」と云う)。

無論収入は無い。

5月に入り、3,4,5日の3日間、下北沢で独演会をしてみたが、3密を避けるためにお客様は3名までとした。

3名のお客様でも入場料が1人1万円なら大きな収入にもなるが、そんなに大それたことが出来る訳もなく、入場料は2千円。

1日3名で6千円。3日間満員で1万8千円、会場費を払えば私の収入はその半分。

お金が欲しかったわけではない(ほんとは欲しい、早く10万円くれー)人前で講談を読みたい!会場を助けたい!ただその一心の独演会だ。

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現在私の生活は少ない貯金を切り崩し、いつ終わるのかわからない闇の中を爪に火を灯すように生きている。もっと普段から火を灯し続けているので暮らしに大きな変化はない。

それでも先々のことを考えると大変に不安である。(金銭の事ではない、興行の不安もある)

私と同じ不安を抱える演芸関係者は少なくないであろう。演芸だけではない。エンターテインメントにかかわるすべての人たちが同じ不安を抱えているに違いない。何しろ3人を集める事が出来ないのだから。

たとえ緊急事態宣言が終わっても会場にお客様が足を運んでくれるようになるためには時間がかかるはずだ。

しかし、我々もいつまでも手をこまねいて見ているだけではない。

「人を集めない興行」=「配信」。信用を配ると書いて「配信」。

弱き寄席芸人を救う。汝の名は配信。

もっとも私は中継といった方がしっくりくる。

プロ野球中継、競馬中継、プロレス中継…….

生中継に録画中継、自宅にいながら世界中の出来事を観ることができる。衛生中継!有料無料、中継と配信には私にわからない差があるのだろう。

いずれにせよ配信がしばらくの間、エンターテインメントの中心になるのは間違いない。コロナが収束すれば、無観客かもしれないがプロ野球やJリーグが配信の中心に戻ってくる。演芸や演劇が真ん中に加わるかもしれない。

さぁそうなるとプロレスを含む格闘技だ。無観客で試合をしても選手たちは濃厚接触者だ。

技を出すこともできなければ受けることもできない。

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確かに相撲は無観客で春場所を決行した。ただし力士の中1人でも場所中にコロナ感染者が出れば即中止にする決まりがあったと思う。

そんな相撲も五月場所は中止だ。スポーツ紙の一面には相撲中止の文字が躍る。

しかしプロレスはそんなわけにはいかない。

私が子供のころ、プロレス団体は新日本、全日本、国際、全日本女子ぐらいだった。それが現在では大小合わせてなんと150!!(調べた私も驚いた)レスラーの数は男女合わせて約500人。(上方の落語家の数と同じくらいか?)※編集部注:300人ほどです。

そのほかにも、自称レスラーをいれると500人以上にのぼる。

配信の力を使ったとしてもすべての団体が生き残る事は不可能だろう。個人的にはできるだけ多くの団体がコロナという嵐を耐え抜いて生き残ってほしいと思っている。

果たして生き残る方法はあるのか?それとも嵐に飲み込まれ死んでしまうのか?その結末はまたの機会に申し上げます。

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