とても嬉しいことに、『寄席つむぎ』を読んで自分もエッセイコラムを書きたくなったというお声をいただきます。でも、そのあとに続くのです。「書きたいのだけど書き方が分からない」と。
そういう方に向けて文章の書き方のポイントをまとめてみました。この5つのポイントを抑えていれば、誰でも伝わるエッセイコラムが書けるようになりますよ。
ぜひご自身でも書いてみてください!
誰に読んでもらいたい文章なのかを決める
エッセイコラムを書く時、最初にしていただきたいのが読者の設定です。
例えば、寄席つむぎでご執筆いただいている芸人さんには、「ご自身のお客さんに向けて」や「○○が好きな人に向けて」と依頼しています。運営部が本業の広告作成をする際も、必ず読んでもらいたい人を最初に設定しています。
これを設定しているだけで伝わり方が全然違います。反応を予想しながら書きますので、省略してもいい説明や逆に説明すべきことも分かるのです。
無駄にダラダラと文章を並べないためにも、これは必ず行っておきたいですね。
文章は短く
エッセイコラムを書きなれていない人が陥りやすい罠に、「思わず長い文章を書いてしまう」というものがあります。以下の文章をお読みください。
①文章はなるべく短くしなくてはいけないと分かっているものの、それが難しいものですよね。
②文章はなるべく短くしなくてはいけません。それは分かっているものの、難しいものですよね。
どちらも同じ内容で、ほぼ同じ文字数の文章です。しかし、②の文章の方が分かりやすいはずです。
これは文章をふたつに分けることにより、エッセイコラムの目的が分かりやすくなるからです。その上、読者は句点(。)で一呼吸入れられるため、疲れず読み進めることができるようになります。
文体は統一する(ですます・である)
文章を書く際は文体を統一しましょう。例えばこのコラムは、「ですます」調に統一しています。「である」調は、桂枝女太師匠と神田春陽先生の文章がそうですね。
文体を統一は、読者を混乱させないために行います。「ですます」と「である」が混ざっている文章は、とても読みにくいのです。これではせっかく書いても、最後まで読んでもらえません。
しかし、文章を強調するためにあえて混ぜる手法もあります。その場合は1つのエッセイコラムの中に1か所ぐらいが適当です。
文尾にバリエーションを持たせる
文体を統一しても、全ての文章が「です」で終わっているようでは、とても単調なエッセイコラムになってしまいます。そうならないためには、文尾にバリエーションを持たせるようにしましょう。
↑この85文字の2つの文章でも、文尾は「ます」と「しょう」で終わらせています。続けて同じ文尾にしないために工夫したいものです。
名詞や代名詞で文章を終わらせる「体言止め」も時折入れると、文章にリズム感が生まれます。こちらも使って、読みやすい文章を書いていきましょうね。
絵文字や顔文字は使わない
LINEや文字数が限られているSNSで嬉しい気持ちを表現するために、「🎶」や「✨」を使うのはアリです。が、エッセイコラムとなると話は別です。言葉を使って表現していきましょう。
例えば、SNSなら「今日、彼氏とデートだった💝」と書くものをコラムなら以下のように表現します。
今日は彼氏とデートだった。二人で歩いていると何もかもが輝いて見えるよう。
絵文字の「💝」の部分を言語化すると、このようになります。もちろん一例です。「💝」の中にはもっとたくさんの感情があるでしょう。この「たくさんの感情」を言葉にするのです。
面倒くさいですが、試してみてください。