起承転結という言葉は、みなさんご存知だと思います。文章を書く上での構成で一般的なものです。起承転結がついていれば、とても読みやすい文章になりますよ。
裏を返せば、起承転結がついていない文章は読んでいて単調で面白くないのです。そうなると、感想も生まれにくくなります。のっぺらぼうに「美人」とも「ブス」ともいえないのと同じです。これだと文章を書いたとしても、空振りになってしまいます。
文章に表情を付けてやるためにも、起承転結はつけていきたいものです。
起承転結とは?
作文の授業で必ず登場した「起承転結」。元々これは漢詩の構成です。漢詩は短いものがほとんどですから、短い中にも情景を浮かび上がらせるために考えられたフォーマットといえるでしょう。
起:この文章の背景、軽い説明、読むとどうなるか?等
承:「起」の説明、問題点の指摘・提案等
転:「承」で書いたものが、「結」に向けてどのように変化するか
結:まとめ
小説の場合は「起承転結」にこだわる必要がありません。ですが、『寄席つむぎ』に掲載されているようなエッセイコラムの場合は、やはり「起承転結」がある方が読みやすくなります。
美しく起承転結で構成された文章でしたら、桂春雨師匠のコラムが参考になります。
「転」から始めるのもアリ
起承転結の順番通り書き進めるのではなく、結末に向けた変化である「転」を導入にするのもアリです。ドラマ『古畑任三郎』や多くのハリウッド映画はこの形式です。最初にインパクトのある場面を見せることで、観客の興味を引きます。
寄席つむぎでは、桂枝女太師匠がこの構成で書き進めておられます。覚えておられるでしょうか。第1回目は五代目桂文枝師匠の訃報からスタートしましたよね。これは「転」からスタートしているといえます。
ただこれはテクニックが必要です。最初に「転」を持ってきていますから、もう一度「転」を入れ込むか、「起」の部分を深く描写するかしなくてはなりません。上級者向きです。
初心者も上級者も「結」から下書きを
起承転結で最初に書くべきものは、初心者も上級者も「結」の部分です。この文章で何を伝えたいのかを最初に決めておくと、「起」「承」「転」も書きやすくなりますよ。いわば逆算ですね。
例えば、寄席の感想文。ただ「面白かった」というだけでは、文章として成立しません。でも、最終的に伝えたいのは「面白かった」ということですよね。ならば、これを「結」にもっていきましょう。
その後、どのように面白かったのかを「承」と「転」に、いつ行ったのか誰が出ていたのかというデータ的なものを「起」に書いていきます。
下書きはバラバラに書いても構いません。その方が「起承転結」というフォーマットに則った美しい文章に仕上がります。
「結」は余韻を残すとベスト
起承転結で最後にきている「結」は、ただ結論を書くパートではありません。次も読みたいと思える余韻を生み出すのも、「結」です。ですから、伝えたいことを全て書いてはいけません。
詰め込んだ文章は、読んでいてつらいものです。情報量が多く、頭がついていかない人もいるでしょう。何より、読み手の想像力を奪いかねないものでもあるのです。
これは文章でも演芸でも同じです。受け取る側に様々な想像を与える「あそび」がないと、次もこの人の文章を読みたい・この人の高座が見たいと思ってもらえません。
余韻のある文章だと、神田春陽先生の第3回が参考になります。「楽しい高座」の説明をしておられないのが、「余韻」です。
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