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㉒私の映画~師匠六代目笑福亭松鶴とわたし:笑福亭鶴光

寄席芸人コラム
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笑福亭鶴光師匠といえばエロおやじ。エロおやじといえば、笑福亭鶴光師匠。そういわれるほど、艶っぽいイメージが定着しています。このせいか、笑福亭鶴光師匠の初めての映画出演も艶っぽい映画だったそうで。

六代目笑福亭松鶴師匠の『男はつらいよ』出演のエピソードを執筆中に思い出された、ご自身の経験をつづっていただきました。さてはて、どのようなことがあったのでしょうか。お楽しみください。

私の映画

私が初めて出た映画は『好色元禄㊙物語』。ウルトラセブンのひし美ゆり子さんがヌードに成ると大評判の映画でした。

勿論成人指定です。私は絵描きの役で、その当時話題になった潮吹きでお馴染みの女性が潮を吹いて私がタライで受けるという役。まだ若い監督で

「何で僕を選んだんですか」

「君は笑福亭、潮吹く亭や」

わしは洒落で選ばれたんか?

次に来たのが『東京むれむれ夫人』で、これも成人指定映画。こんなんばっかりや。

ヘリコプターの操縦士で、まず電車の中で主役の女性に痴漢、再びめぐり逢い調布の飛行場でラブシーン、夢中になってる内にヘリコプターが勝手に飛びかけた、ズボンを履きながら後追いかける。主演女優が微笑みながら

「あら!行っちゃったのね」

ジ・エンド。何ちゅう映画やぁ~。 

続いて日活ロマンポルノ。

『奥様はお固いのがお好き』この三作でわしの色は付いたな。主演は五月みどりさん他は現役大学生、下宿の色っぽい大家さんの設定、まぁ私は息抜きに使われたんやな。就職祝いにみどりさんのアンダーヘアーを抜かしてもらう役。

スカートの中へ顔を入れると、何と下着なしのスッポンポン。思わずNGを出しました。二回目は意を決して抜いたヘアーを口に咥えて、セリフが「マンマンちゃん・アン」。

これには後日談があります。

先輩のざこば師匠が席亭の動楽亭と言う寄席に正月に出させてもらった時、早めに行って懐かしき初高座の新世界新花月跡を見学してブラブラしてるとさびれた映画館、何上映してるのかなと見たら ななんと『奥様はお固いのがお好き』。

主演五月みどり 他笑福亭鶴光

うわぁやはり作品は選ぶべきやった。

その新世界の近くにあいりん地区と言うのがある。東京では山谷がそうですな。俗に釜ヶ崎と呼ばれるところ。

『釜ヶ崎人情』という歌もヒットしましたが、その近くに先輩の噺家たちと泊まった女性講釈師、夜コンビニに水を買いに行った帰り男がファスナーを下ろして立ってた、きゃぁと悲鳴を上げて止まってる所へ帰って来て先輩の落語家に

「師匠ここはどういうところなんですか」

涙目で訴えるとその噺家がこう言いました。

「そういう所やね」

その後に『トラック野郎』と言う東映の大ヒット映画から声がかかりました。鈴木則文監督に初めて会いまして、じんわり起用の理由を聞くと即答。

「君がオールナイトニッポンに出てるからや」

やっぱりね、そうだろうね。演技力より宣伝力。妙に納得。

撮影は九州博多の繁華街。私はポルノ雑誌を売ってる行商人。ヒロインあべ静江さんに主役の菅原文太さんが本をプレゼントするのに買いに来る。そこで僕がポルノ雑誌を勧める、怒った主人公が私を殴る、そばに有った看板に首を突っ込んで終い。

ロケ地は撮影を一目見ようと黒山の人だかり観客は口々に

「文太文太文太さん」と声援を送る。

たった一人だけ肉体労働者風のおじさんが

「鶴光!」

「うれしいなぁ、何ですか?」

「そこをどけ、文太が見えん」

おかげさんで監督にはまり、シリーズ4本出させていただきました。これを機に普通の映画が来るかと思うたら、次に来たのがVシネマ喜多嶋舞主演の『卍舞』、舞さんが初めて脱ぐと言う作品。私は好色な金持ち爺とナレーション。変な組み合わせ。

佐々木希映画初主演『天使の恋』と言う映画から依頼がありまして監督が寒竹ゆりさん26歳の監督、この時も聞きました。

「監督は僕の事知らんでしょう」

「はい」

「何でこの役を?」

「実はプロデユーサーが是非鶴光さんに頼めと」

その役は女子高生に援助交際を迫る不動産の社長、成程これも納得。

ドラマにも出ました。

刑事もの、パンツ泥棒をやらせていただきました。私が女性のパンツを盗んで逮捕され、カバンの中身を調べると男物のパンツそこで一言

「わてこっちの趣味もおますね」

このアイデアを出すと監督大喜び。次回の刑事ものも、この監督から声がかかりました。その役は再びパンツ泥棒。

一時期パンツ泥棒の鶴光と呼ばれ今は有る女性タレントがなぞかけでマスクとかけて鶴光さんの男性自身ととくその心は 長方形(超包茎)今は長方形の師匠と呼ばれてます。コラァ変なイメージつけるな!

ドラマ『夜明けの刑事』では坂上二郎さんと共演しました。休憩時間には自分のキャンピングカーの中でコーヒーを御馳走してくださったんです。やはり苦労して下積みからたたき上げてきた人は他人に対する思いやりがある。

その点ひどかったのはドリフの映画『正義だ!!味方だ!全員集合』です。11月横浜の埠頭寒い中の夜の撮影車の中で待ってると関係者が来て

「長さん(いかりや長介)も寒い中頑張ってるんだ、皆表へ出て自分たちだけ温まれば良いってもんじゃない、さぁ表へ出て」

ゲストに対して思いやりのかけらもない。おかげで風邪ひいたやないか~。

次回予告

笑福亭鶴光師匠の次回のコラムは、11月2日20時配信予定です。次回はどのようなエピソードが飛び出すのか、今からワクワクしますね。お楽しみに!

鶴光師匠はvoicy(https://voicy.jp/channel/742)も毎日更新中。時々、猫ちゃんの鳴き声も聞こえ、オールナイトニッポンとはまた違った鶴光師匠の一面に触れられます。要チェックです。

執筆者
笑福亭 鶴光

昭和23年大阪府中河内郡長吉村(現・大阪市平野区)にて誕生
昭和42年4月1日に六代目笑福亭松鶴に入門。現在、二番弟子。
豪快かつ丁寧な高座が特徴で、地噺や釈ネタなど叙述的なネタを得意とする。ラジオパーソナリティーや歌手、作詞家の一面も持ち、マルチな才能を発揮。ちまたでは「エロおやじ」として認知度が高いが、実はバランス感覚の高い好人物。弟子に学光・里光・和光などがいる。

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