落語家は高座に上がる際に「出囃子」がありますよね。プロレスも同じく入場曲でリングに上がります。笑福亭仁嬌師匠はプロレスの入場曲にも、多くの思い出があるようです。リングの彩りの一つ入場曲。音楽を耳にすると、あの頃がありありと思いだされます。
笑福亭仁嬌師匠のプロレス談議・第8回のゴングが鳴り響きます。お楽しみください!
入場曲やあ
落語家が高座に上がるとき出囃子が流れる。その出囃子に乗ってある者は足早にある者はゆっくりとまたある者は踊るように歩いて座布団に座る。お辞儀をしたところでお囃子さんが出囃子を止める。見台を使う場合は小拍子で見台を叩いて止める時もある。次に誰が出るか分からない時も出囃子を聞いて誰か分かるようになれば立派なファンである。
前座の出囃子は特別な場合を除きて「石段」に決まっている。
石段を段々上がっていくように出世するようにとの願いが込められている。
上方では入門して10年から15年くらいで自分の出囃子を持つことになる。
出囃子も芸名と同じように何年かするとしっくりと自分に合うようになる。
六代目笑福亭松鶴師匠の「舟行き」は豪放といわれた芸風にぴったりの銅鑼入りで豪快な、また繊細さも感じる出囃子である。
三代目桂春団治師匠は「野崎」こちらも春団治師匠の華やかさを感じる出囃子である。
わたいの出囃子は三味線のお師匠はんに決めて頂いた「ぼんちかわいや」である。なんとなく明るく陽気で自分に合ってるなあと勝手に思い込んでいる。
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噺家に出囃子があるようにプロレスラーにも入場曲がある。
レスラーの入場曲はいつから始まったのか。
1974年国際プロレスでスーパースター・ビリー・グラハムが入場の時「ジーザス・クライスト・スーパースター」を流したのが始めてらしい。
わたいが覚えているのは1974年だと思うが、全日本プロレスでジャイアント馬場さん対ペドロ・モラレス戦があり、モラレスが入場の時実際にトランペットで行進曲か何かを鳴らしながらモラレスを先導するように入場し、馬場さんの入場時は日本らしく木遣りでの先導であったと記憶している。ぶっちゃけた話あんまり盛り上がらなかったなあ。
何と言っても入場曲で盛り上がった最初はミル・マスカラスの「スカイハイ」である。マスカラスのフライング・クロスチョップやフライング・ボディアタックの空中殺法が連想され、歌っていたジグソーの高音の歌声ででハイテンションになるのである。
ジャイアント馬場さんは「日本テレビのスポーツテーマ曲」と「王者の魂」
アントニオ猪木は「炎のファイター」
長州力「パワーホール」
スタン・ハンセン「サンライズ」
アブドラ・ザ・ブッチャー「吹けよ風呼べよ嵐」
橋本真也「爆勝宣言」
ザ・ファンクス「スプニング・トーフォールド」
盛り上がったなあ。
スタン・ハンセンの入場の時に「ぼんちかわいや」が流れたら皆こけるな。