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引き算の魅力を!露の団姫師匠にインタビュー!師匠に電動自転車を買ってあげたい【若手噺家グランプリ特集】

ふじかわ陽子

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落語家でありながら僧侶でもある露の団姫師匠。僧侶であっても落語の腕は確かで、2011年には繁昌亭輝き賞新人賞、そして2017年第54回なにわ藝術祭新人賞を受賞!今年は若手噺家グランプリに挑戦です。

しなやかに生きる団姫師匠らしいエピソードもうかがってきました。さて、どんなことでしょう?お楽しみください!

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頑張れば師匠のように人に優しくできるかも

――今回の第7回若手噺家グランプリは、何回目の挑戦でしょうか?

2回目です。なかなかスケジュールがあわず、今までエントリーができなかたんです。今回はコロナの影響で仕事がキャンセルばかりになり、こうなったら若手噺家グランプリに賭けるしかないかと。

――出場者の皆さん、そう思っていらっしゃるかも……。

コロナの影響もあるのですが、もうひとつエントリーした理由があるんです。師匠団四郎が今年5月まで若手公演委員を務めており、若手噺家グランプリの企画運営に携わっておられたんです。もう退任されましたが、私がエントリーしないことに思うこともあったでしょう。ようやく、師匠に顔向けできます。

――団四郎師匠、お元気ですか?

おかげさまで元気です。還暦を過ぎられてから、師弟というより親子という感じになりました。体調も心配になってきました。

――団四郎師匠は優しいから、普通の親子のように腹立つことなんてないでしょう?

うちの師匠、弟子にはとても厳しく私もよく叱られますが、ご家族や他の噺家に怒ってはる姿は見たことがありません。師匠の《人に優しく》という信念をそばで見させていただき、私も頑張れば師匠のように人に優しくできる人になれるのかなと思いました。

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あかんかったら「私が残念さん」になれる

――今回は古典落語でなく新作落語での挑戦ですが、これは何か意味があるのでしょうか?

尼崎に「残念さん」という神様がおられるんです。そこの逸話を今回の新作落語『残念さん』にしました。知り合いのお坊さんがお参りすると聞いて、その時初めて知ったんです。知れば知るほど、落語にピッタリの題材だと感じたんです。

――どんなお話でしょう?

幕末の禁門の変に従軍した長州藩の藩士・山本文之助が主人公です。尼崎から船に乗って長州へ帰ろうとしているところ捕まって、自害してしまうんです。その時に「残念、残念」と言ったとか。自分が残念だったから、今度は他の人の残念を消す神様になったんです。

――山本さん、えらい人がええな。普通なら怨霊になりそうなのに。

ほんまですね。私もお願いにお参りしたことがあるんですよ。あと、もし優勝できたら「残念さんのおかげ」、ダメだったら「私が残念さん」と言えるから(笑)。

――上手いこと考えるなぁ。

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引き算の魅力を

――落語のお稽古はどのようにされておられますか?

家でやっています。家の仏間です。

――仏様の前だと背筋が伸びるから?

いえ、一番家の中で片付いているからです(笑)。乱雑な部屋の中だと、どうしても落ち着かないので。寝るのも仏間に布団を敷いています。

――落ち着いてお稽古できるって大切ですね。高座にかける際に気を付けていることはありますか?

あまり作りこまないことを心がけています。私は小さいころから劇団ひまわりに所属して、何度もオーデションを受けてきました。「これはいける!」と思った時はたいがいダメで、色々お任せにした時は通っていたんです。

――力が入り過ぎて、オーバードライブするのかしら。

作りこんでいる方と比べたら、ずいぶんと無防備だなと感じることもあります。それでも、カレーのココ壱番屋が愛されるのは引き算っていうじゃないですか(笑)。私もそうありたいと思います。

――ポテトチップスも色んな味があっても、最終的には塩味に戻るみたいな?

そうそう(笑)。それに、私の大師匠・露の五郎兵衛も作りこみ過ぎない雰囲気でやっておられたんです。力を抜いて。

――どこから噺か五郎兵衛師匠の素なのか分からない雰囲気が魅力でしたね。私も好きやなぁ。

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いらん感情を抱かないから

――露の五郎兵衛師匠といえば、初代は僧侶でもあった方ですね。

それもあって、露の一門に入門したかったんです。うちの師匠が一番、五郎兵衛師匠に近くて、それで入門させていただきました。あと、初めてうちの師匠の高座を見た時、私の好きな『初天神』をかけておられたの決め手です。

――運命的ですね。

あ、あとこれも。男性を感じないのも決め手でした。うちの師匠はフェロモンむんむんなタイプじゃないじゃないですか。いらん感情を抱かず、お稽古ができる方が良かったんです。

――どういうことでしょう?

例えば、米團治師匠は男性としてステキじゃないですか。以前、お稽古に行かせていただいていたのですが、1注意されたことがステキな方からだと100ぐらいのダメージになるんです。

――分かります。ステキな人に注意されると、ダメな私が増幅って感じですよね。

それですそれです。そういうのを抜きにして弟子でいられることを考えると、うちの師匠は最適でした。うちの師匠も私のことを女だと見ていないはずです。そうじゃないと、男女の師弟は続かないと思います。

私は落語家

――団四郎師匠のためにも、今回の若手噺家グランプリは頑張りたいですね。

はい。今回私がエントリーしたのは、「私の本業は落語家だ」ということをアピールするためでもあります。お寺を建て、僧侶としての仕事も多いため、落語を片手間でやっていると思っておられる方も少なくありません。そういう方に聞いていただきたいと考えています。

――お寺も建てられいると、金回りが良いように見られませんか?

見られます。私の収入源は落語だけなのに。このお寺、道心寺も自分でローンを組んで建てました。毎月大赤字のローン地獄です(笑)。それでも、信仰のために必要でした。

――ここで寄席も開かれるんですよね。

はい。縁日寄席といって、毎月3日・13日・23日と「3」のつく日に開催します。

――会場の貸出は行いませんか?

しようかなぁ。いくらとはいえないのでお気持ちで。若手は会場探しが大変なので、ここならほぼタダで使えます。鳴り物も全部あるので便利だと思います。

――鳴り物があるのは有難いですね。自分たちで持ってこなくて良いって楽。私、ここの壁の色がとても好きなんです。綺麗な若草色で団姫師匠にピッタリ。

ありがとうございます。サンゲツのショールームに何度も足を運んで選んだかいがありました。

師匠に電動自転車をプレゼントしたい!

――もし優勝されたら、賞金20万円は何に使われますか?

前になにわ藝術祭をいただいた時は、熊本震災の被災地に寄付したんです。今回もどこかに寄付するかと思います。

――さすが、聖職者でもある噺家さんですね。団四郎師匠も鼻が高いでしょう。

あ!やっぱり寄付止めます。電動自転車を買って、師匠にプレゼントします。うちの師匠、運転免許証を持っておられないので、どこに行くのも自転車なんです。それで電動自転車をプレゼントしたいと考えていたんです。

――電動自転車は誕生日に贈るには、高額なものですね…。

だから、若手噺家グランプリの賞金なら喜んで受け取ってくれると思うんです。

――ほんまですね。喜ばれるでしょう。頑張ってくださいね。

はい!ほんとうちの師匠、自転車でヤバい距離を移動するんですよ。電動自転車なら、これからも好きなところに行けるから。こりゃ、本気でグランプリを獲りにいかんとあかんようになった(笑)。

――応援しています!今日は有難うございました。

天満天神繁盛亭でお待ちしています!

今回はじっくり露の団姫師匠にお話をうかがいました。「若手噺家グランプリといっても、世間ではもう若手ちゃいますけどね」ともおっしゃっており、シニカルな一面も見せていただきぐっと団姫師匠が身近に感じられるようになりました。

露の団姫師匠のご出演は、7月20日(火)第3夜にご出演です。ぜひ応援にかけつけてください。

第7回上方落語若手噺家グランプリ2021予選会 

【動画配信】オンライン繁昌亭夜席 第7回上方落語若手噺家グランプリ2021予選会 一般発売 | チケットぴあ[演劇 寄席・お笑いのチケット購
販売終了/【動画配信】オンライン繁昌亭夜席 第7回上方落語若手噺家グランプリ2021予選会/一般発売(その他)をチケットぴあで今すぐチェック!

▲配信もあります

《予選第1夜》

日時:7月6日(火)17時30分(開場17時)

出演:桂小鯛「親子酒」/月亭天使「H亭の怪談」/桂華紋「八五郎坊主」/桂紋四郎「つる」/桂あおば「キザ男」/桂小留「壺算」/桂弥っこ「向う付け」/露の棗「運命の人」/笑福亭鶴太「平林」

*出演順は当日決定します。

《予選第2夜》

日時:7月13日(火)17時30分(開場17時)

出演:笑福亭喬介「寄合酒」/笑福亭生寿「鹿政談」/林家染吉「壺算」/桂鞠輔「正月丁稚」/桂恩狸「悋気の独楽」/露の瑞「平の陰」/笑福亭智丸「怪談が止まらない」/桂九ノ一「池田の猪買い」/桂笑金「ミスター・スメルバズーカ」

*出演順は当日決定します。

《予選第3夜》

日時:7月20日(火)17時30分(開場17時)

出演:露の団姫「残念さん」/桂そうば「代書」/桂咲之輔「皿屋敷」/露の眞「こぶ弁慶」/桂団治郎「七段目」/桂三実「師匠!」/月亭遊真「真田小僧」/桂おとめ「セールスウーマン」/桂二豆「悋気の独楽」

*出演順は当日決定します。

《予選第4夜》

日時:7月27日(火)17時30分(開場17時)

出演:桂ちきん「押し入れのラベンダー」/露の紫「狼講釈」/桂三語「二人癖」/桂二葉「天狗さし」/林家染八「八五郎坊主」/桂文五郎「七段目」/月亭秀都「茶の湯」/笑福亭笑利「千鳥の香炉」/露の新幸「つる」/月亭希遊「巻き舌職人」

*出演順は当日決定します。

会場:天満天神繁昌亭(〒530-0041 大阪府大阪市北区天神橋2丁目1−34)

木戸銭:前売1500円、当日2000円

お問い合わせ:06-6352-4874(天満天神繁昌亭)