オリンピックが盛り上がりを見せた8月上旬。
その一方で、東京都はコロナウイルス感染者が増加しており、
夏休みとは思えない静けさにも包まれている不思議な真夏の日々です。
開場前に会場へ伺うと、いつもと違う緊張感に包まれていました。
それもそのはず、今回のヨセゲーは「二人が三題噺」。
4名のうち2名が即興で三題噺に挑戦するという、
チャレンジングな企画が始まろうとしていました…。
第74回ヨセゲーは名作が誕生?!
そもそも三題噺とはなんでしょうか?
三題噺(さんだいばなし)とは、落語の形態の一つで、寄席で演じる際に観客に適当な言葉・題目を出させ、そうして出された題目3つを折り込んで即興で演じる落語である。
Wikipediaより https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%A1%8C%E5%99%BA
即興で新たな物語をつくる。なんとも難しい企画ですね…。
オープニングでは全員登場!
「落語をするのか三題噺をするのかどっちかモヤモヤする〜」と伝枝師匠。
落ち着かない雰囲気の中、遊喜師匠が手を挙げます。
なんと遊喜師匠は今日三題噺に挑戦します!と宣言。
次回のヨセゲーと新宿末廣亭の九月上席夜の部主任が重なったとのことで、
主任の出番を全うしたいという大人の事情です。
他のメンバーからは「1人だけ楽になりやがって!」と大ブーイングが起きます(笑)。
白熱のジャンケンの結果、三題噺に挑戦するもう一人は芝楽師匠に決定です!
次は三題噺のお題を決めます。
今回は6つのお題を会場からいただき、さらにその中から3つを選びます。
会場から出てきたお題は6つ。
「花火」
「食虫植物」
「ゴン攻め」
「操り人形」
「夕立」
「冷やし中華」
その中から会場の挙手で
「花火」
「食虫植物」
「冷やし中華」
の3つが選ばれます。
夏らしい単語に加えて選ばれたのは「食虫植物」。どんな噺になるのでしょうか…。
まずは笑福亭里光師匠の登場です。
話題はもちろん三題噺に。昔放送されていたテレビ番組『ざこば・鶴瓶らくごのご』を視聴していた思い出や、人情噺の名作『芝浜』も三題噺から生まれたという豆知識が飛び出します。
この日演じたのは、夏らしい演目の『青菜』。軽快な口調で物語が進み、会場は大爆笑です。
次に登場したのは春風亭伝枝師匠。
この日は里光師匠に代わり、伝枝師匠が一口落語に挑戦します。
しかし、袖から「長い!」と里光師匠のヤジが飛びます(笑)。
オリンピックで起きた選手たちのエピソードで会場は大盛り上がり!
これらの話から、行動や口にしている言葉と本音が違うことは度々あるのではないかという話に。お世辞や知ったかぶりが笑いを誘う『ちりとてちん』を演じます。
ついに三題噺披露の時…
中入りを挟んでついに三題噺披露のときがやってきました!
まずは、三遊亭遊喜師匠が登場です。
前半の落語は一切耳に入らなかったという遊喜師匠。「あたたかい目でみてください!」と前置いてついに物語が始まります。
自由研究のために植物園を訪れた少年と友達のやりとりを描いた『口を開いて待ってる』。
3つのお題だけでなく、なんと6つのお題全てを使用する巧みな噺になりました!
満を持して、柳亭芝楽師匠が登場です!
夏休み明けに自由研究を提出する先生と3人の生徒のやり取りを描いた『自由研究』を持ち時間を最大に活かして熱演します。様々な種類の食虫動物と夏のイベントが登場して、夏らしい噺になりました。
エンディングでは再び全員登場です!
無事に三題噺が終了して、遊喜師匠と芝楽師匠は安心の表情です。
三題噺でよく起こることは、オチやネタが被ってしまうこと。
「食虫植物」と検索すると『口をあけて君を待っている』というWebサイトが上位に表示され、ふたりのネタが被りかけたという裏話も飛び出します。
芝楽師匠は「『ゴン攻め』って言ってみたかった」と心残りもあったようです(笑)。
拍手喝采で今回のヨセゲーは終了です。
終わってから感想をお聞きすると「緊張しかなかったー!」と遊喜師匠。
次回は伝枝師匠と里光師匠が三題噺に挑戦!
名作が生まれる瞬間を一緒に見守りませんか?
次回 ヨセゲー #75【二人が三題噺 sideB】 2021年9月9日(木) 開場:18:30 開演:19:00 当日:2000円 前売:1800円 ツイキャス配信:1500円 会場:らくごカフェ(東京都千代田区神田神保町2丁目3−5)
今回の様子は8月18日までアーカイブ配信もご覧いただけます。ぜひお楽しみください!
寄席つむぎでは、三遊亭遊喜師匠、春風亭伝枝師匠、笑福亭里光師匠のお3方のコラムや動画がご覧いただけます。合わせてぜひお楽しみください。
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