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老人ホーム奇譚~噺を肴にもう一杯!:桂三若

桂三若

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桂三若師匠の大爆笑エッセイ第9回の公開です!今回は老人ホームでの出来事にフューチャーしていただきました。お年寄りが穏やかに過ごしている場所だと思いきや、桂三若師匠は色々な出来事を経験されておられるよう。それは…。

今回も抱腹絶倒間違いなし!噴き出しても大丈夫な場所でお読みくださいね。

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老人ホーム奇譚

先日、久しぶりに老人ホームで落語をさせていただきました。小さい頃からおばあちゃんっ子だった僕は、自分で言うのもなんですがお年寄りに優しい(はず)です。

ただ老人ホーム的なところで落語をすると様々なトラブルが付き物です。

今日はそんな噺を肴にもう一杯飲みましょう!

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

困った方で言うと、僕が舞台に上がると同時に師匠の物真似風に

「いらっしゃーい」

と声をかけてくれたおじいちゃんです。

そこでドッと受けたのに味をしめてしまったのか、落語してる最中に何度も「いらっしゃーい」を連発します。

それがまた絶妙な間で、笑いの起きるはずのタイミングで発せられ僕の笑いを全て打ち消してくれました。

きっとあのおじいちゃんの前職は消防士やったんでしょう。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

奇妙だった方は、落語が終わった後にお見送りをして握手をしたら、会場のどこにも水場は無いのに、手がビチャビチャだったおばあちゃんです。

あの手に纏ってた水がなんなのか未だに気になり夜も眠れません。

「嘘つけー!」と突っ込んだ方は、落語が終わった後「ずっとファンでした」と言ってくれたおばあちゃんです。

「ずっとファンでしたんで……良かったら名前を教えてください」

って嘘つけー!絶対ファンちゃうやん!

斬新だった方は、落語してる最中に一人だけ違うとこで笑うおばあちゃんでした。

あまりにツボが違うので、終わった後に

「おばあちゃんは一人だけ違うとこでよく笑ってましたね」

と言うと

「はい、死んだじいさんが昔、湯船にポリデントを入れて入れ歯をつけてたことを思い出して…」

落語中にまさかの思い出し笑い!

斬新すぎるでしょ!

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

衝撃的だった方は、落語をしていてものすごい怖い顔で睨みつけてくるおじいちゃんでした。もう「鬼畜米英め!」みたいな目で、竹槍があったら突いてくるんちゃうかというほどの殺気です。

目を合わせないよう噺を進めてると15分くらいして、そのおじいちゃんが手を挙げてきました。あまり落語中に手を挙げられることもないので、びっくりして

「どうしました?」

と聞くと

「すみません、おしっこ行かせてください(半泣)」

おしっこを我慢して怖い顔になってたのです。

「どうぞ行ってくださいよー」

と便所に行ってもらいましたが、ちょっと手遅れだったようで…

行く時には薄茶色だったズボンが、帰って来た時には前のほうが焦げ茶色とのツートンカラーに変わってました。

便所にシマムラでもあったのかと衝撃を受けました。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

ネタみたいだった方は『人をひきつける話し方を学ぼう!』というテーマで講演的な落語をした時にいたおじいちゃんです。

老人ホームの中でも友達ができない人もいるので、噺家さんから人をひきつける魅力的な話し方を学んで、友達を作ろう、ということらしいです。

ところがその日は全くうけませんでした。うけないというか、反応が全くなかったのです。人をひきつける話し方の講師が全く人をひきつけてないという悲しみの無間地獄。

けどギャラを貰うためには時間まではやるしかありません(いやらしいな!)。

もうテレサ・テンさんのように時の流れに身を任せ、あの夏いちばん静かな海よりも静かな老人ホームで戦ってると、努力は報われるもんで、一人のおじいちゃんが笑い出しました。

一人が笑うと連鎖反応というのがあるので、

「ここやー」

とばかりに畳み掛けると、そのおじいちゃんの笑いは止まりません。

よっぽどツボに入ったのか

「ヒーヒーヒー」

と面白くもなんともないとこでも笑ってます。

実は笑ってるんではなく、ひきつけを起こしてました。

そのままどっかに連れ出されていき、

「えらいことなったなー」

と後ろの貼り紙を見ると

『人をひきつける話し方』

謀らずも見事に期待に答えてしまった自分に乾杯!

そんなこんなで次回もまた、もう一杯ご一緒しましょうね!

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