笑福亭羽光師匠は現在、新宿末廣亭夜席の主任を務めておられます。3月30日が楽日ですので、お見逃しなく。
この主任を務めるにあたり、笑福亭羽光師匠は感じることがあるのだそう。真打になった今だからこそ、二つ目時代を振り返る。それは…。
笑福亭羽光師匠の想い、受け止めてください。
深夜寄席復活 2つ目という時期 戦う落語
いよいよ三月下席末廣亭夜席の主任興行が始まった。
また四月から、末廣亭の深夜寄席再開が決定した。
本当に目出度く、うれしく思う。
長い長いコロナ禍からやっと脱出した印象である。
深夜寄席とは、土曜の21時半開演で、末廣亭の夜席が終演した後、2つ目(前座と真打の間の身分)の落語家、講釈師が4人出演する。木戸銭は千円と格安。11時頃終演する会である。
コロナ前は、長蛇の列が新宿三丁目に出来、マスコミが注目し、落語ブームの火種となった興行である。
僕も、深夜寄席で多くの御客様に見つけてもらった。
また、バチバチしていた二つ目時代。誰よりもウケてやろうとか、評価されたいと考えていた。
思い返せば二つ目時代、ズーっと戦ってきたように思う。勝敗の判りやすいコンテストだけではなく、寄席で他の出演者より受けようとか、より評価されよう……と他者(他の落語家)と比べて自分はどうなのか……と意識して落語をしてきたと思う。
真打になって、二つ目期間程は競い比べられる事は少なくなった。
まだなったばかりだが、真打とはそれぞれ独立的な立場で、自分の芸を追求していくものなのだろう。
自分独自の道を行くしかないのだ。
もちろん集客力は比べられるけれども。
三月下席主任興行は、中入り後に、他協会若手交互枠を作らせてもらった。
吉笑、寸志、談吉とは、渋谷らくごしゃべっちゃいなよで戦ったし。二葉とはNHKで戦った。生寿は二葉とNHKで戦ったし、ほとんどが、二つ目時代に何等かのコンテストで戦った相手である。
戦いの瞬間はバチバチしていたけど、今は共に戦った相手を誇りに思う。
こうやって一緒に僕の主任興行を盛り上げてくれるのだから。