落語家が主に所属する協会は全国に3つ。大阪は上方落語協会、東京は落語協会と落語芸術協会です。この3つの協会の落語家が一堂に会した落語会が、此花千鳥亭で開催されます。
上方落語協会からは、寄席つむぎでお馴染みの露の眞さん、落語協会からは林家扇さん、落語芸術協会からは三遊亭遊かりさんが出演。
今回は出演者の中から、露の眞さんに開催経緯や見どころをお聞かせいただきました。そんな出会いだったなんて……。お楽しみください!
出会いは酔っ払いのTwitter
――所属協会が違うお三人ですが、大阪にいる眞さんと東京のお二人はどのように出会われたのでしょうか?
眞さん:私、酔っぱらってTwitterに投稿することが多いんです(笑)。思わず熱くなって書き込むこともあって。それを三遊亭遊かりさんが見ていて、私が仕事で東京に赴いた際にわざわざ会いに来てくれたんです。
――現代風な出会いですね。そのまま意気投合で?
眞さん:そうですね。遊かりさんも熱い人なんです。その彼女が「眞さんときっと合うから!」といって、林家扇さんを紹介してくれました。何か一緒にやろということになり、仙台の花座で『三人花座~女性落語家、華の競演』が実現です。
――今年の8月16日~17日の公演ですね。この時に今回の公演も決められたのでしょうか?
眞さん:いえ、今回は急遽です。遊かりさんが三重県で仕事があるので、大阪でも喋れる場所がないかと。だったら、もう一度三人でやりたいと思い、扇さんにも声をかけたんです。そしたら、「絶対行く!」と言ってもらえて。
――熱い!そうはいっても、東京の方が二人だと経費が気になるところです。主催者は眞さんですよね?
眞さん:私の師匠都が常々言っているんです。ここぞという時にドーン!と出しなさいって。以前、自分の独演会前に羽二重の色紋付を新調したんです。師匠にも見ていただいて。そうしたら、気持ちが切り替わったのか本番もシャキッとしていました。その後の仕事もどんどん舞い込んできて。
――おお!
眞さん:今回もドーン!です(笑)。
扇さんはギャップが、遊かりさんは艶っぽさが魅力
――現代風な出会いのお三方ですが、眞さんから見てお二人はどのような方ですか?
眞さん:扇さんは金髪でパンチがありますが、古典派なんです。そのギャップがとても魅力的。上方にはいないキャラですね。落語はとてもシュッとしています。仙台では『豊志賀の死』をかけはったんですが、シュッとしてはりましたね。
――「シュッとしてる」、東京では通じない大阪弁の一つですね(笑)。
眞さん:でも、「シュッとしてる」以外どう言うて良いか。あ、遊かりさんも「シュッとして」はります(笑)。それでいて艶っぽくて。彼女は『紺屋高尾』をしてはったんですが、江戸弁やから様になるんやろうなと思いました。上方の言葉ではもっちゃりしそうです。
――もっちゃりしていたら、別の噺になりそうな雰囲気はありますね。一途なはずの久蔵が、ただのアホになりそうな……。
眞さん:でしょ。
――逆に東京から見た上方はどうなのか気になりますね。
眞さん:上方は元が野外で始まりましたので、見台を叩いてガチャガチャやかましい感じがするじゃないですか。これをシュッとした東京から見るとどうかなと不安でしたが、大阪弁が新鮮だと言うてはりましたね。上方の言葉だと笑えるような気がするとも。「○○やさかい」って普段の会話でも使う言葉でも盛り上がりました(笑)。
――それで良いんか……。えらい安いな……。なら、眞さん、東京に乗り込みましょうよ。
眞さん:いつか三人で東京公演もやりたいです!
それぞれ違うから落語は楽しい
眞さん:実は、扇さんもアイドルが好きなんです。BiSHのファンで、推しはハシヤスメ・アツコさん。黒紋付に金色の帯を締めて、現場に行くのだとか。
――すごい。
眞さん:すると「極妻だ!」といって、周りから人がいなくなるようです(笑)。
――そらそうや(笑)。アイドルの楽しみ方も様々ですね。眞さんはどちらかというと、密かに応援したいタイプですよね。
眞さん:そうです。アイドルの楽しみ方が様々なように、落語の楽しみ方も様々であってほしいなと思っています。私のようなスタイルの人がいても良いし、女性を武器にした落語をする人がいても良い。どれも「楽しい落語」。いつか【女流落語家】というジャンルがなくなってほしいです。
――そのためにも、女性ばかりの落語会は良いかも知れませんね。同じ女性であっても、これだけ違うというのが分かる。
眞さん:そうです!三人三様。それを今回の『東西交流会in此花千鳥亭』でも見てください。Peatix(ピーティックス)から配信を行いますので、千鳥亭までお越しになれない方はぜひこちらで。
――今からとても楽しみですね。最後にお客さんへのメッセージをお願いします。
眞さん:自粛期間中、求められていない感に苦しめられました。やっぱりお客さんの前で落語がしたいと、改めて思えた期間でもありました。私は師匠都だけでなく、お客さんがいてくださって初めて「露の眞」になれます。扇さんと遊かりさんのお力を借り、再スタートのつもりで努めます。初心に戻った眞に会いに、是非お越しください。お待ちしています。
此花千鳥亭でお待ちしています!
今回はじっくり露の眞さんにお話をうかがいました。上方と江戸の違いなど話題が尽きないほど。違いだけでなく『東西交流会in此花千鳥亭』では、上方と江戸の共通点を探すのも面白いかも知れません。
今回は限定25名の会です。お早目にご予約を。現地では限定眞グッズの販売も行われるそうです。
東西交流会in此花千鳥亭
日時:令和2年11月19日(木)18時半開演
場所:此花千鳥亭(大阪府大阪市此花区梅香3丁目20−17)
木戸銭:前売り2000円、当日2300円
お問い合わせ・ご予約:露の眞事務局(tsuyuno_makoto1379@yahoo.co.jp 080-6234-5907)