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桂米左師匠にインタビュー!第2回天満噺座はじっくり聞く落語会?

ふじかわ陽子

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11月22日(日)に北区民センター大ホールで、「第2回天満噺座」が開催されます。出演は、寄席つむぎでお馴染みの桂米左師匠と新作落語のベテラン・桂三風師匠です。

今回は桂米左師匠へ、「第2回天満噺座」に関してのお話をメインにうかがいました。古典派の桂米左師匠と新作派の桂三風師匠の結びつきについても、改めて教えていただきます。仲が良くなったのは、アレができてから?

お楽しみください!

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『三十石夢乃通路』は昔のガイドブック!?

――今回は大ネタ中の大ネタ『三十石夢乃通路さんじゅっこくゆめのかよいじ』をかけられるそうですが、この噺はどのようなストーリーでしょうか?

米左師:『東の旅』の帰り道です。京名所の案内をしたり、船頭が舟唄を歌ったり。昨年高座にかけた時は京名所とサゲを抜いてやりましたが、今回は全部やらせていただきます。1時間弱です。

――おお!今から楽しみです。昔の人は旅ネタを聞いて、旅行に行った気分になっていたかもしれませんね。

米左師:そうですな。ガイドブックであり、旅番組であり。この『三十石夢乃通路』は、初代桂文枝師が質入れしたことでも知られています。100両になったとのこと。見かねたご贔屓筋が質請けしてくれたそうです。

――それだけ価値のある噺だったんですね。

米左師:こういうことを知るのが、ほんまのお稽古やと思っています。台詞を覚えるだけが稽古やない。

――それでは『三十石夢乃通路』も米朝師匠からつけていただいたネタですか?

米左師:いや、勝手にやらせてもろうてる(笑)。勝手にやらせてもろてるネタやのに、柳亭市馬りゅうていいちば師匠が「稽古してくれ」なんて恐ろしいことを言わはるんです。わざわざ大阪までお越しになって。御稽古のお礼にと浅草「帯源」の帯をいただきました。

――市馬師匠に御稽古って、すごいじゃないですか。

米左師:落語協会の会長ですよ。一通りやりますんで堪忍してしてくれますか、と1時間弱1対1でやらせていただきました。その後は大阪弁のイントネーションを少し直させていただいたぐらいで。市馬師の『三十石』はCD『柳亭市馬4、朝日名人会』に収録されています。中のブックレットに私の名前を出していただいて、これが密かな自慢です。

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米朝師匠との思い出と共に

――東京の名人も「御稽古に」と言っていただける米左師匠の『三十石夢乃通路』、米朝師匠には聞いていただいておられないのでしょうか?

米左師:聞いてもろたよ。8~9年前かな、ネタおろしの時に。横になっている時間が長くなっていたのだけれど座っていただいて、「師匠、聞いてください」と。うちの師匠、聞いているうちに顔つきが変わってきましたね。最後までじっと聞いてくれはって、やっぱり師匠の前やと緊張しました。

――その頃だと、米朝師匠はだいぶお体がお辛い時ですよね……。それでも弟子と落語のことならばと、気力を振り絞ってくださったのでしょうね。

米左師:そういえば、今日がうちの師匠の95回目の誕生日です(取材日は11月6日)。師匠が生きてはった頃は弟子が師匠の家に集まって、皆でわーわー言うて。師匠は「なんで自分の誕生日に、自分で用意せなあかんねん」なんてぼやいてました(笑)。

――今もお弟子さんたちで集まることは?

米左師:なくなったなぁ。師匠が真ん中におられるから、集まっていたんやろね。

――寂しいですね……。でも、親戚づきあいもそんな感じです。あ、米朝師匠が亡くなられて、何か思い出の品は形見分けで貰われましたか?

米左師:銅鑼どらをもろた。ええ音が鳴るんです。

――え?着物などでなく?

米左師:銅鑼です、ボーンと鳴る。私ね、銅鑼が好きなんです。銅鑼を見つけたら買わずにはおられん。これをね、「銅鑼ッグドラッグ中毒」って言うてます。ちなみに、米平師も銅鑼ッグ中毒です。

――ハマると散在しそうな中毒ですね……。今度の「第2回天満噺座」でも、米朝師匠の形見の銅鑼は使われますか?

米左師:使おうかな。使わんとね。うん。

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繁昌亭ができて同期の三風師と仲良く

――話は変わりますが、今回競演される桂三風師匠とは入門後から仲が良いのでしょうか?

米左師:繁昌亭が出来てからやね。彼の方が2日先輩の同期(昭和59年入門)なんやけど、同期やと同じ寄席に出演することがないんです。繁昌亭が出来てから、ようやく横のつながりができました。

――会う機会がないと、仲良くもなれませんもんね。

米左師:仲違いもでけん(笑)。仲間内で同期で仲が良いと有名なのは「花の45年組」(昭和45年入門)と「ラクゴリラ」(平成3年入門)かな。三風師はアイデアマンで、色々と声をかけてくれるんです。前は彼の新作落語『下町の散髪屋さん』をつけてもらいました。

――じゃあ、今度三風師匠がかけられる『立ち切れ線香』は米左師匠が?

米左師:私が一通り聞かしてもらって、気の付いたところをちょこっと言わしてもらいました。今度のトリは三風師です。前回は私がトリを勤めましたので。

――前座さんはどなたが?

米左師:私の息子。

――え?お子さんはおられないように記憶していますが……。

米左師:息子やと思うてる、呂翔くんにやってもらいます。彼が小さい頃からよう知っているんです。彦八まつりの時なんかでも、私の後ろを「米左さん米左さん」とついてまわってくれていた可愛い子です。

――あ、お祭り繋がりですね。びっくりした。さて最後になりますが、「第2回天満噺座」はどのようなお客さんにお越しいただきたいですか?

米左師:落語で笑うというよりも、じっくり聞きたいという方にお勧めします。老若男女問わず。今回は大ホールで開催ですからソーシャルディスタンスもバッチリ、コロナ対策も万全にしています。安心してお越しください。お待ちしています。

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北区民センター大ホールでお待ちしています

今回は桂米左師匠にじっくりお話をうかがいました。改めて感じたのは、落語への深い造詣と情熱です。記事には書ききれないほど、たくさんのお話をうかがいました。

桂米左師匠の落語への深い造詣と情熱が詰まった『三十石夢乃通路』、ぜひ聞きに北区民センターにお越しください。

第2回天満噺座

日時:令和2年11月22日(日)14時開演

場所:北区民センター大ホール(大阪市北区扇町2丁目1−27)

木戸銭:前売り2000円、当日2500円、小学生1500円

(※75歳以上 中高生大学生は、証明書提示で当日でも前売り扱い致します)

お問い合わせ・前売り:落語ファクトリー 0120-874-315

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