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お笑い福祉士は本音を出し切ってからお稽古?笑福亭学光師匠にインタビュー!

ふじかわ陽子

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お笑い福祉士をご存じでしょうか?「福祉士」といっても国家資格ではありません。笑福亭学光師匠が創設した、いわば洒落の資格です。介護施設にボランティアとして訪れるための人員を育成するために作られました。

では、ボランティアに行くために、どんなお稽古が行われているのでしょうか?養成講座にお邪魔し、その様子を見学させていただいてきました!

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お笑い福祉士養成講座に潜入!

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お邪魔したのは、よみうり松坂屋文化センター。こちらの一室で、お笑い福祉士養成講座「お役に立ち隊」が開催されています。

年齢層は高め。介護施設にボランティアで行くというより、失礼ながらボランティアに来てもらう年齢の方ばかりです。それでも、自分たちが誰かの役に立てるという思いが、気持ちを元気にさせているように見られます。

講座内容は実に自由。基本的には落語のお稽古ですが、落語のお稽古の前に最近あったことを思い思いに語ります。嫁姑問題や親子関係など。落語とは全く関係がないことでも、受講生全員でうなずきながら耳を傾けます。

普通なら高座に向かって声をかけるのはご法度。例えそれがお稽古であっても。しかし、お笑い福祉士養成講座では悩み事に全員でアドバイスを送ります。

自分の話を伝えてスッキリしたら、いよいよ落語のお稽古です。学光師匠から寸評をもらい、徐々に上達していきます。高座を下りる時には、ニコニコの笑顔。

実に楽しそうなお笑い福祉士養成講座。このスタイルになるまでには、紆余曲折があったそう。こちらについて笑福亭学光師匠にお話をうかがいました。

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ボランティアに肩書があったら良いかな

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――お笑いボランティアを芸人でない方に、という発想はどこから生まれたのでしょうか?

元々は桂文福師が率いる「文福一座」で介護施設にボランティアに行っていたんです。それが楽しくて。そこに芸人でない人も行けたらと思ったのが最初です。

――普段の落語会のお客さんとは一味違う楽しみがありますよね。「え?こんなとこで笑うの?」というのもあったり。

そうそう。それを味わってもらいたくて、お笑い福祉士を始めました。ただ芸人でない人が行くよりも、肩書があった方がええんちゃうかなと。それで「お笑い福祉士」。昇級試験もあるんですよ。

――え?ゆるゆるだと思ったら、案外厳しい。

洒落です(笑)。6級からスタートで3級になったらボランティアで施設訪問。2級で私の前座に。1級になったら、独演会が開催できます。年に一回、昇級試験をしています。

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神様が「この人たちから学べよ」と

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2000年に介護保険がスタートし、介護にスポットが当たるようになりました。何かできないかなと思っている矢先、2004年に私の故郷・徳島県で「落語教室をやってみないか」とお声がかかったんです。その時に落語・腹話術・たますだれ等を発表する場所が介護施設だったので、それなら資格をと洒落で「お笑い福祉士」に。高松や大阪、姫路でも始まりました。

――徳島ですぐ今のスタイルが確立されたのでしょうか?

最初は落語の裾野を広げるつもりで始めたのですが、なかなか奥深い。みなさん、最初は「ここに来たら笑わせてもらえる」と思っているんです。でも違うと分かってからがスタートです。自分が笑わせる側になるんですから。

――それはよくありそうな誤解……。それをどう解決させたんですか?

一人ひとりがそれぞれの人生を抱えて生きている。それを受け入れることを始めました。喋ることでふっきれて、今度は自分以外とも向き合える。

――ふ、深い……。

落語がスタートですが、落語でない魅力があります。まるで神様が「学光、この人たちから学べよ」と言ってくれたかのよう。皆さんが語る人生は、吸い込まれる魅力があるんです。

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コロナで何もできないから

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――現在はコロナで介護施設へボランティアに行けない日々が続いていますが、受講生さんたちはどのように過ごされているのでしょうか?

大阪教室の受講生さんたちはYouTubeに取り組んでいます。コロナ以前はボランティアに800回訪れ、シンポジウムも年に1回開催していたのですが……。

――シンポジウムって本格的な団体じゃないですか。洒落じゃない。

組織作りが上手くいきました。延べ人数で500人のお笑い福祉士が誕生しています。長い人では15~16年間、出たり入ったり。

――コロナが終わったら、またボランティアに行きたいですね。

それと、今は遠足がしたいんです。落語の舞台を歩いたり、皆さんの思い出の地に訪れたり。こんな時代で何もできないと思ってしまいがちですが、本音を出し切ってから誰かの役に立ちたいと思ってもらえれば。

――だから、落語のお稽古の前の雑談なのですね。

そうです。みんな、どこかで喋りたい。その場をこれからも作っていけたらと思います。

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今回は笑福亭学光師匠にじっくりお話をうかがいました。実際に教室にもお邪魔させていただき、とても楽しい時間を過ごさせていただき恐縮です。

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