プロレスとはいったい何なのか?それを端的に表した言葉があるとのこと。それは、今は亡き『週刊ファイト』井上編集長の言葉。50年来のプロレスファン・笑福亭仁嬌師匠をうならせるものだったのだそう。その言葉とは…。
笑福亭仁嬌師匠のプロレス談議のゴングが鳴り響きます!
井上編集長
世間で活字離れと言われて久しいが、わたいも若い時ほど本を読まなくなった。老眼で字が読みにくくなり集中力も衰えているからかなあ。
それはそうとして、以前はようプロレス関係の書物を読んだものである。月刊ゴングは楽しみであった。それが週刊ゴングになり同時期に週刊プロレス、週刊ファイト、ザ・プロレス、そして毎日のように大阪スポーツ所謂ダイスポも買っていた。今思うとようそない買っていたなあと我ながら感心する。
わたいはゴングのファンであったが、週刊ファイトの井上編集長の言葉が忘れられない。もう週刊ファイトは廃刊となり井上編集長も亡くなっておられる。
その言葉とは「プロレスは底が丸見えの底なし沼である」
「底が丸見えの底なし沼」
底が丸見えなのに底がない底なし沼、誠に矛盾した言葉である。
この言葉を初めて読んだ時に思わず「なるほどなあ」と思った。深く考えた訳ではなかったが何となく「そうか、プロレスはそうやなあ」と感心した。
プロレスファンはプロレスの試合を観てプロレス誌(紙)などを読んで全て分かっているようだが、実はなんにも分かっていない。
プロレスの真実は見えていない。底なし沼だから底は見えない。
それでも全部分かったような気になってしまうのがプロレスである。
あープロレスは奥が深い。
奥が深いと言えば、ジャイアント馬場さんが徹子の部屋で黒柳徹子さんから「プロレスでロープに振られた時どうして返ってくるんですか」という質問の答えが「あれは催眠術ですよ」だった。
これも奥が深い。
同じくジャイアント馬場さんが黒柳徹子さんから「プロレスはどうして八百長と言われるんですか」というとんでもない質問に堂々と答えた。
「よくチョップやキックが当たってないのに倒れるのはおかしいと言われますが、まともにチョップやキックを受けると痛いしダメージも残るが、ちょっぷやキックが当たる寸前か当たるか当たらないかのところでわざと倒れるとダメージが残らない。だからまともに当たる前に倒れるんです」という意味のことを仰ってた。
そうなんだー。
それを知らない多くの人は「あれは八百長や。蹴られる前から倒れてるやないか」と言う。
あれは技をまともに受けないようにするプロレスのテクニックだったんだー。
んー。プロレスは奥が深い。