緊急事態宣言発出で延期になっていた真打披露興行もいよいよ大詰め。新真打の笑福亭羽光師匠の高座は池袋演芸場へと移りました。そこでの出来事を笑福亭羽光師匠自身につづっていただきました。
感謝の気持ちを伝えたい相手とは?真打披露興行だからこそ、仲間の有難みが心に染みたそうです。じっくりお読みください。
池袋演芸場 初日から千秋楽へ
浅草演芸ホールでの10日間の披露興行が終わり、池袋演芸場にやってきた。
池袋演芸場の特徴は、持ち時間がたっぷりもらえる事である。主任は30分、通常の出番でも20分はもらえる。会場もこじんまりしているので、お客様もおちついて観てくれる。演者としては、トリでは大ネタを出来るし、通常の出番でもストーリーのしっかりした噺が出来るから腕の見せどころである。
更に照明を自由にいじれるので、客電を暗くすることが出来る。僕は、自作の私小説落語シリーズの時は、客席を真っ暗にして演じた。
かなり噺に没入出来て、楽しかった。客が寝ているとか、退屈している事を気にしないで良い……というのは本当にやりやすい。
色物ゲストも、豪華で、アメリカザリガニ、なすなかにし、紺野ぶるま、エルシャラカー二、新宿カウボーイが出てくれた。
彼らの受け方はすさまじい。フリートークで鍛えた適応力ですぐさま寄席の特徴を掴み、15分という時間を短くさせるすばらしい芸だった。
この世代の漫才がもっと寄席に出たら、絶対お客さん増えるのに……と改めて思う。
しかし、謝意を示したいのは成金メンバーである。
チケット販売から手伝ってくれて、集客に協力してくれた。ある程度形になる位集客出来たのも、成金メンバーのおかげである。