広告

㊗笑福亭鶴光師匠の連載が書籍になりました!~幻のあとがき

イベント情報

▲お問い合わせはこちらから▲

▲たくさんのお越しをお待ちしております▲

笑福亭鶴光師匠の寄席つむぎで連載が書籍になりました!タイトルは『六代目松鶴逸話「鶴光、何さらしてけつかんねん!」』、飯塚書店から令和5年1月10日に発売されます。全国の書店、およびAmazonなどネットショップで購入が可能です。ぜひ、お手に取ってくださいね。ご感想をお寄せいただけると嬉しいです。


クリックでAmazon販売ページへ
広告

少し裏話を

日の目を見る事がなかった寄席つむぎの鶴光師匠の本

実は、寄席つむぎから笑福亭鶴光師匠の本を出す予定でした。試作品も製本し、鶴光師匠にも確認していただいています。誤字脱字の修正も鶴光師匠と行い、このまま発売かと思っていたのが令和3年4月下旬です。当たり前ですが松竹芸能から待ったが入り、その後、この企画は寄席つむぎの手を離れます。

寄席つむぎの手を離れたことで立派な書籍となり、全国の書店やAmazonなどでも購入ができるようになりました。うちが手掛けたのであれば、同人誌に毛が生えたレベルだったでしょう。販売ルートも持っていませんから、基本的に手売りです。沢山の方に読んでいただくことを考えたら、飯塚書店さんにお任せして良かったと思います。

試作本は5冊作成

ただ、心残りがあります。それは、鶴光師匠が考えておられたタイトルが付けられなかったことです。鶴光師匠は『風と達磨』にしたいとおっしゃっていました。「風」は扇子、「達磨」は羽織を指す演芸界の隠語です。分かる人ならタイトルだけで笑みがこぼれてきたでしょう。

まあ、この世に「分かる人」が1億人いれば、このタイトルにしてもらえたかなと思います。この世には分からん人の方が多く、その分からん人にも買ってもらわんとならん。おもろいんやから。

タイトルの件は仕方がないにしろ、あともう一つの心残りがあります。それは「あとがき」の存在です。寄席つむぎから出版することを見越して、鶴光師匠に書いていただいていました。このまま捨ててしまうにはもったいないと考えています。

それを今回掲載します。じっくりお読みください。

広告

幻のあとがき

あとがき

この本には、数々の松鶴のエピソードがありますが、全てに私が関わったわけではございません。僭越ながら私が一門の代表として、書かせていただきました。ご了承ください。一応、実話をもとにしていますが、多少の誇張もあります。・・・そう言わんとね。名誉に関わってくる。

上方落語は江戸落語に比べ破天荒なイメージを持たれています。これは歌にも歌われた初代桂春団治のイメージが強いからでしょうな。しかし、上方落語四天王の中でこのイメージ通りだったのは、六代目笑福亭松鶴ただ一人です。

桂米朝師匠も五代目桂文枝師匠も、三代目桂春団治師匠も真面目でした。初代春団治師匠は後家殺しと言われていましたが、家までは彼女を連れて来なかったやろと思います。三代目は美男子ですから陰では上手くやってたかも?(下衆の勘ぐりでおま)

うちのおやっさんはオープンやった。オープン過ぎやったかも。今はお客さんファーストですが、うちのおやっさんは違います。常に松鶴ファースト。現代でこんなことをしたら、SNSですぐ拡散されて炎上してしまうでしょう。それもあってか、今の噺家はビビッて真面目になってしまっているように思えます。

おやっさんはよく言うてはりました。「芸人は社会の底辺なんやから、謙虚に生きなあかん」と。それもあってか、銭湯では排水溝近くの隅っこで体を洗っていました。周囲も「底辺の人間なんやから」と、噺家がすることを許してくれていた節があります。そういう優しい時代でした。

今はそうもいきません。噺家も多少はお金を持っていると世間が知っていますから、「なんでこいつらを守らないかんねん」となる。噺家が社会の底辺でなくなったのは嬉しいことですが、世間の目は一般の方を見るよりも厳しくなったように感じます。

SNSや人の目を気にせず好きなことが出来た時代。それが、六代目笑福亭松鶴が生きた昭和やったと思います。この時代を懐かしく思う人に、この本を捧げます。

笑福亭鶴光

鶴光師匠ご執筆記事とご出演の会の取材記事

クリックでAmazon販売ページへ
更新の励みになります。ご支援のほどをよろしくお願いいたします