ロシア疑惑がささやかれ、破門にもなっておられる三遊亭はらしょうさん。胡散臭さ満点ですが、それら全てご自身のエッセイで払拭されました。詳しくは前回までをお読みください。
しかし、今回さらに胡散臭さが増す内容のエッセイをお寄せいただいたのです。なんと「破門」を研究された上に、イタコの口寄せのようなことまで…。三遊亭はらしょうさんはどこを目指しておられるのでしょうか。一緒に見届けてください。
破門研究
みなさまごきげんよう。破門研究家の三遊亭はらしょうです。
そんな研究家いないだろ。だから、俺が初めて名乗ることにします。
何しろ、はらしょうは一度、破門になった男。
三遊亭円丈に入門して二年目のある日、師匠の機嫌が悪くて破門になりましたが、すぐに復帰。なんと、晩年は愛の告白までされました。(ボーイズラブではありません)
詳細は、前回の寄席つむぎをご覧下さい。
しかしまぁ最近では、事実を調べもせずに、ネットには匿名で「はらしょうは、破門になった癖に勝手に落語家を名乗っている」とか、「三遊亭という亭号を無断でつけている」とか、事実無根の憶測だけを拡散する「反はら」が増えて来ております。
全く、とんだ陰謀論でございます。
さてさて、本日のお話ですが、ズバリ!何をやれば絶対に破門になるのか?であります。
過去に破門になった落語家のエピソードには、似たようなパターンが多いです。
せっかくなので、これから落語の世界に入門を志している未来ある若者の為に、今まで見聞きした「破門の理由」をランキング形式でご紹介していきます。
なお、今回、俺だけでは心細いので、辛口のコメントを貰う為に、天国から三遊亭圓生を呼ぶことにしました。なんで円丈じゃなくて、その師匠の圓生なんだ!
それは、俺が一度会ってみたかったからです。それでは参りましょう。
<こんな弟子は破門になる!!> コメント・三遊亭圓生
第5位 ☆師匠のお金を盗む弟子
これはいけませんねぇ。実にケシカラン弟子でゲス。大体、弟子というものは、師匠が面倒を見るもの、そんな恩人から金銭を騙し取ろうなんざ、噺家としての了見が狭すぎる。
そんな弟子は立派な真打にはなれません。
あたくしだったら、追い出します。テヘッ(圓生)
第4位 ☆酔った勢いで師匠をぶん殴る弟子
いくら酔っているからとはいえ、芸人としての育ての親に手を上げちゃあいけません。
まるで、らくだだね。こういう弟子は、酔いが醒めたら、わたくしは悪くありません、酒が悪いんですと頭をさげてくるでしょうが、酒に罪はございません、罪があるのは、その弟子なのです。こんな了見の人間は、あたくしだったら、芝の浜へでも突き落として、頭を冷やさせてやります。テヘッ(圓生)
第3位 ☆シラフで師匠をぶん殴る弟子
おやおいや、これはいけませんねぇ。冷静な判断が出来るはずの状態で手が出るなんざ、そんな弟子と一緒にいたら、小言の一つも言えませんねぇ。師匠が弟子にビクビクしながら過ごさなきゃいけないなんて聞いたことがありません。こんな危なっかしい奴を弟子に取るには、あたくしには、用心棒が必要でゲスな。テヘッ(圓生)
第2位 ☆酔った勢いで師匠のカミさんと寝る弟子
ご婦人というものは誠に結構なものでございますが、酔っている時は芸人でしたら、吉原へ行くもので、師匠のカミさんと寝るなんていう、手近ですませちゃあいけません。
そんなものは芸の糧にはなりません。自分も酔っていたし、カミさんも酔っていたから、結局、二人とも何も覚えてないと頭をさげられても許しません。
なんでもかんでも酒のせいにする弟子は、酔ったそばからボッタクリのお店へ行って、怖いお兄さんに気合いを入れてもらうのがよいでしょうな。
全く、酒というものは、ほどほどがよろしいようで。テヘッ(圓生)
第1位 シラフで師匠のカミさんと寝る弟子
ケシカラン!誠にケシカランでゲス!シラフだったら、もう弟子とカミさんは完全にデキているじゃあありませんか。カミさんまでもがそんな了見とは、あたくしだったらカミさんも破門にするでゲス!そして弟子と仲良く二人で、最後は品川あたりで心中してくれることを願う次第であります。
あっ、まずい、そろそろ、天国寄席に戻らなくてはいけません、本日、あたくし、志ん生さんの代演なんです、ではこの辺で。テヘッ(圓生)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ありがとうございました。三遊亭圓生さんでした。
いかかがでしたでしょうか、本当にケシカラン理由ばかりですね。
「ぴゃあ~」
あれっ?どこかから聞き覚えのある声がする。あっあれは、師匠の円丈だ!
「久しぶりだな、ちゃんとやらないと破門だー!」
「勘弁してください~」
「業界初の天国から破門だー!はらしょうは、二度破門になる!」
「師匠!007は二度死ぬみたいな言い方はやめて下さい!」
「ぴゃあ~」
チャカチャンチャン~♪
本日は、趣向を変えたエッセイでお送り致しました。ありがとうございました。