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【取材記事】第102回ヨセゲー「年末大反省会」レポート

三遊亭遊喜

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 2023年12月11日、東京・神保町にある「らくごカフェ」にて、「第102回ヨセゲー『年末大反省会』」が開催されました。
 出演は、三遊亭遊喜師匠・春風亭伝枝師匠・笑福亭里光師匠・柳亭芝楽師匠・春風亭鯉枝師匠です。

 早いもので、2023年のヨセゲーはこの日が最後の開催。昨年末に引き続き、テーマは「年末大反省会」です。さらに今回は、特別企画として「年忘れ!歳末大喜利」が予定されており、普段とは違う雰囲気。

 いったい、どんな会になったのでしょうか?

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早いもので、2023年最後のヨセゲー

 最初に登場したのは、三遊亭遊喜師匠。

 池袋演芸場の昼席を務め、銭湯にあるサウナで整ってからのヨセゲーと、贅沢な過ごし方をされた遊喜師匠。
 ところが、足繁くサウナに通うさまを奥様は「大富豪じゃないんだから」とおっしゃるそうで……。

 そんなお話から『加賀の千代』を演じます。

晦日、まだ支払いが残っているにも関わらず、焦るようすのない甚兵衛さん。ご隠居さんからお金を借りてくるよう、女房にせっつかれて家を出ますがーー。

「加賀の千代」とは、加賀国で活躍した俳人・千代女のこと。代表句は「朝顔に(朝顔や)釣瓶とられてもらひ水」で、この噺でもその句が引用されています。

 甚兵衛さんとご隠居さんという、いい人といい人の組み合わせが生み出すトンチンカンなやり取りにほっこり。

 そんなご隠居さんの人の良さも、もちろん甚兵衛さんの隠しごとのできないところも、女房にはお見通しなのでしょうね。

 続いては、柳亭芝楽師匠。
『加賀の千代』も受けつつ、年末になってお金のない人が増えると、泥棒も増えるーー、というお話から、『鈴ヶ森』を演じます。

追いはぎの実習をすることになった、新米の泥棒。ターゲットを見つけたときに述べる口上を、お頭から習うのですがーー。

 お頭自身も言っていましたが、いったいどうして、こんな不出来な手下をそばに置いているのか……。笑 「泥棒用語の基礎知識」を確かめるやり取りが、どちらも真面目だからこそ滑稽です。

「紙に書いてくれ」と頼むほどの長い口上に、客席にただよう、嫌な予感……。

 芝楽師匠の醸し出すこの不穏な空気には、いつもヒヤヒヤ、ヒリヒリさせられます。笑 絶対にまずいことが起こるのに、だからこそ可笑しい。

 今年でいえば、「#95 落語諸国巡り」の『手水廻し』や、「#101 心機一転!ネタ卸しの会」の『代脈』がそれにあたるでしょうか。

 芝楽師匠の手にかかると、そんな状況も大笑いに!

 縁起が良いといわれる、泥棒が登場する噺で今年を締めくくりました。

 仲入り前は、春風亭伝枝師匠。『睨み返し』を演じます。

大晦日、たまった支払いを返すあてもない男。やってきた薪屋をようやくの思いで返したところへ、表から「言い訳屋」と名乗る声が聞こえてーー。

 落語に多く登場する、大晦日を舞台にした噺。『睨み返し』のほかにも、『御神酒徳利』『尻餅』など、その様子を描いた落語が知られています。

 大晦日を題材にした噺が多い理由を、伝枝師匠は「いろいろなことが起こって、みんながてんやわんやする日だから」なのでは? とおっしゃっていました。
 確かに、それは現代でも同じかもしれません。

 米屋・魚屋・高利貸しと、そのテクニックで次々に返してしまう言い訳屋。
 客席にいる私たちが借金取りになったような心地さえする、迫力のある表情・仕草・佇まいは、思わず目をそらしたくなるほど。
 その仕事ぶりには、客席からも「おおー!」と歓声が上がっていました。

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後半も、今年を振り返りながら

 仲入り後は、春風亭鯉枝師匠。お住まいのある浅草に、少しずつ海外からの旅行客の姿が戻りつつあるーー、というお話から、『ディスイズアペン』を演じます。

ある中学校の教室、初めての英語の授業のひとコマ。

 2023年のヨセゲーには、12回のうち4回登場された鯉枝師匠。『ディスイズアペン』は「#99 鯉枝落語スペシャル」で柳亭芝楽師匠が演じられました。

 新作落語でありながら、すでに古典落語の入口に立っている、鯉枝師匠の噺の数々。客席からも、「待ってました!」という雰囲気が感じられます。

 みなさん、それぞれの「お気に入りポイント」があるようで、笑いが起こる場所や笑いのサイズが、そのときどきで少しずつ異なるのが、鯉枝落語の不思議な魅力といえそうです。

 トリを務めるのは、笑福亭里光師匠。
 100回を超えるヨセゲーの歴史のなかで、まだ掛けたことがないという『竹の水仙』を演じます。

宿屋の2階に、10日も泊まっている謎の人物。いよいよ支払いをしてもらおうと声をかけるも、金を持っていないという。それどころか、裏の竹やぶで竹を切ると言い出してーー。

 日光にある「眠り猫」などの作品を残したとされる彫物師・左甚五郎は、謎の多い人物。それゆえ、講談や浪曲、落語など、その伝説はさまざまな形で語られてきたようです。

 里光師匠の大きな魅力のひとつ、じっくりじんわり、染み入るような語り口と、登場人物たちの織りなすドタバタ劇の対比が印象的な一席でした。

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2023年ラストは大喜利で!

 つづいては、お楽しみの特別企画!「年忘れ!歳末大喜利」。
 司会進行を務めるのは、三遊亭遊喜師匠です。

「さ」「い」「ま」「つ」(歳末)でのあいうえお作文や、「大晦日」がテーマの川柳など、ヨセゲーメンバーを悩ませる出題が続々。
 珠玉の回答の数々は、ぜひ配信でお確かめくださいね。

 最後は三本締めで、今年のヨセゲーを締めくくりました。

 第102回ヨセゲー「年末大反省会」は、12月25日(月)までツイキャスでもご覧いただけます。
 次回、第103回ヨセゲーは「壽新春大与世迎」。なんと総勢6名での会!楽しい時間になりそうですね。ぜひ、ご一緒に味わいませんか?

ヨセゲー #103【壽新春大与世迎】
2024年1月18日(木)
開場:18:30 開演:19:00
当日:2500円 前売:2000円 ツイキャス配信:1500円
会場:らくごカフェ(東京都千代田区神田神保町2丁目3−5)
https://twitcasting.tv/c:yosege/shopcart/279618

ツイキャス落語会 ヨセゲー#102【年末大反省会】
https://twitcasting.tv/c:yosege/shopcart/260205
12月25日(月)までご覧になれます。

 寄席つむぎでは、三遊亭遊喜師匠、春風亭伝枝師匠、笑福亭里光師匠のお3方のコラムや動画がご覧いただけます。併せてお楽しみください。

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参考:

・白山市公式ホームページ. 「加賀の千代女(かがのちよじょ)」. https://www.city.hakusan.lg.jp/bunka/bunkashinko/1002773/1002775/index.html, (参照 2023-12-12)

・文化デジタルライブラリー. 「竹の水仙|大衆芸能編・寄席」. https://www2.ntj.jac.go.jp/dglib/contents/learn/edc20/geino/rokyoku/enmoku/s1.html, (参照 2023-12-12)