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究極の脇役、左のワンポイント。~マグナム小林の二死満塁!:マグナム小林

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主役ばかり集めた舞台は面白くないのと同じで、野球も主役の四番打者やエース投手だけで試合はまわりません。脇役ともいえる存在あってこそ、観客を沸かせる試合になるというもの。

今回はマグナム小林先生に、その「脇役」の解説をしていただきました。読めば、なるほど!と膝を打つかも。もっと野球を楽しむために、マグナム小林先生の解説を。

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究極の脇役、左のワンポイント。

野球では、野手では四番打者であり、一番打者であり、投手ではエースであり、クローザーでありがチームの主役である。もちろん、ここがしっかりしていないとチームは強くならない。ただ、プロ野球の場合、特に僅差の試合を勝つにはそれだけでは足りない。プロ野球ならではの脇役の力が必要である。
それが投手なら左打者専用のワンポイントリリーフである。


日本の野球というのは、80年代以降、左打者偏重と言える。最近でこそ少なくなったが、脚の速い選手はスイッチヒッターになったり、右利きでも利き手がリードする左打ちの方がミートがしやすい事で左打者が増えた。主力打者も左打者が増えて、その対策として、左投手を投入するケースが増えた。

左打者が左投手を苦手とする理由として、当初はそもそも左投手自体が少なく対戦する機会も少なかったというのはあるが、私の私見ではあるが、左利きと右利きはそもそも骨格が違い、左投手はクロスステップで投げる投手が多い。今でも宮城あたりは極端にそうだが。そうすると左打者は自分に向かって来るような感じがして踏み込みにくくなる。ましてや、昔のサウスポーは荒れ球の投手が多く、ストレートがシュート回転してる投手も多かったので余計に踏み込みにくかった。


最近では左投手も制球の良い投手が増えたし、左打者相手だとスクリュー系の球やインコースが投げにくいという事で左投手の方が打ちやすくなったとも言える。


我々が子供の頃に見た左殺しの代表がライオンズにいた永射保投手だった。極端なクロスステップでしかもアンダースロー。そしてインコースからアウトコースギリギリに曲がるスライダー。左打者は背中から球が来る感覚だったので、まず踏み込む事が出来なかった。

当時は、パ・リーグは左の強打者も多かったが、ファイターズのソレイタは、永射が出てきただけで涙目になり、オリオンズのリーは、日本で一度しかない右打席に入った。ブレーブスの加藤英さんやホークスの門田さんも嫌がっていた。それだけの強打者が打てないだけでなく、バットにも当たらなかった。そんなサウスポーがいたら、ベンチは大助かりだし、見ている方もいつ出てくるか楽しみである。


最近のスペシャリストと言ったら、今年、ホークスからスワローズに移った嘉弥真だろう。左のサイドというのは練習したくてもなかなか出来るものではないので、左打者が対応するのは難しい。ただ、サイドやアンダースローは特殊な投げ方なので下半身への負担が大きい。なので、加齢と共に下半身が衰えると開きが早くなり、打ちやすくなってしまう。去年の嘉弥真がそんな状態だった。でも、まだ老け込む歳ではない。もう一度下半身を鍛え直して、今度は、セ・リーグの左打者をキリキリ舞いさせて欲しい。

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