日本列島に「10年に一度」といわれる寒波が押し寄せ、東京でも一時降雪の予想が出るほど冷え込んだ1月27日。今回で3回目の開催となる『芸人魂vol.3』に行ってまいりました!
▼第2回の様子はこちらからご覧いただけます
「落語だけが演芸じゃない!」を合言葉に、寄席芸の中でも「色物」と呼ばれる芸にフォーカスする「芸人魂」。今回は「演芸協会音もの芸人vs漫才・コント特集」です。
お江戸日本橋亭で行われた楽しい会の様子をレポートします!
前半から、会場には一体感が
まずは、芸人THEブラストのお2人から!芸人THEブラストは、つねむねさんの紙切りと、桂でん平さんによるトランペットからなるコンビ。漫才と聞いてイメージするものとはまたひと味違った、色物の魅力がたっぷり!
音大卒・桂でん平さんの演奏をBGMに、今年の干支「うさぎ」を切るつねむねさん。「冬らしいBGMを」のリクエストに繰り出される曲目は、まるで季節外れだったり、合いの手を入れたくなってしまうものだったりで、なかなか紙切りが進みません。笑
お客様にも積極的に声をかけるお2人によって、会場に一体感が生まれます。
続いては、新宿カウボーイによる漫才です。
お江戸日本橋亭には初めての出演のお2人、「小さい会場は、お客さんの顔が見えてやりやすい」そう。かねきよさんは「笑っていないお客さんがいてもすぐに分かりますから」とも。ドキッ……!一瞬で心を掴まれる客席です。
前半ラストは、漫談のあさひのぼる先生。ギターを抱え、真っ赤なスーツで登場です!
あさひのぼる先生の「そうだろう!みんな!」に呼応して起こる拍手に、さらに会場があたたまります。
フライングで拍手が起こることもあった客席でしたが(笑)、それが生の舞台の良さ!客席と舞台で1つの空間を作り出しているような気持ちでしたよ。
後半は、出演者全員によるトークからスタート!
仲入り後は、出演者によるトークから!今回のテーマは「芸人になったきっかけ」です。
9人の出演者、それぞれの興味深いきっかけを聞いているうちに、残念ながら時間いっぱいです。
お客様も、師匠方や同期、先輩後輩のみなさんのお名前が飛び出すたびに、うなずいたり驚いたり。
どの方も、人と人とのつながりを大切にされているからこそ、今こうして多くの人を楽しませていらっしゃるのだなあと感じました。
さて、後半はらっぱ漫談のトリトン海野先生から。
トリトン海野先生は、陸上自衛隊に定年までいらしたあと、東京演芸協会に入会されたという異色の経歴の持ち主。トリトン海野先生のらっぱは「三ツ巻90式」というもので、管が3回巻かれており、ピストンがないことが特徴です。
大幸薬品「正露丸」のCMでも使われているメロディ、大幸薬品から直々に舞台での演奏許可をもらっているのだそう!
続いては、コント青年団のお2人です。「コント」というお名前ですが、「今年から漫才をやってみようかと思って」とのこと。「ねじ工場」の設定でコントをするつもりだった青木さんの衣装はジャンパー、一方の服部さんは青木さんに「真鴨みたい」と表現される鮮やかな緑色のスーツをお召しです。笑
話せば話すほどヒートアップしていく服部さんに対して、静かにうなずいたり、合いの手を入れたりする青木さんの対比が心地良いリズムです。「ボケ」「ツッコミ」の役割はありますが、時折それが入れ替わることもあり、それもまた不思議でした。
トリを飾るのは、バイオリン漫談のマグナム小林先生です。
バイオリンで様々な音やセリフを表現しぐっと客席の心を掴むと、続いて『東京節』に合わせた謎かけです。相撲や将棋をテーマにした謎かけには、「おお!」という声が。
さて、ここからは舞台上でタップシューズをお召しになり、『暴れん坊将軍』の『殺陣のテーマ』を!一気に会場が盛り上がります。
最後は『天国と地獄』。どんどん演奏のテンポが速くなりますが、もっと見ていたい客席からはなかなか拍手が起こりません。笑 最後は、息切れしたマグナム小林先生へ大きな拍手が送られていましたよ!
おわりに
会の始まる前や仲入り、トークコーナーの前など、楽屋から漏れ聞こえてきた楽しそうな笑い声に、客席にいる私たちもうきうきわくわく、楽しい気持ちになり、あらためて「色物」の幅広さと奥深さを実感した2時間でした。
雪こそ降らなかったものの、気温は6度ほどと冷え込んでいた東京。それなのに、身体も心もぽかぽかとあたたかく感じられた帰り道でした。
▼あさひのぼる先生のTwitterにも楽屋の盛り上がりの様子が!
1月27日(金)今日のオイラの歌は松山千春「大空と大地の中で♪」寒い1日だったぜ!お江戸日本橋亭は熱かったぜ!芸人ザブラスト、新宿カウボーイ、トリトン海野、コント青年団、楽屋は大盛り上がりだぜ!楽しかたぜ!楽しくなくて何が人生だ!そうだろう!みんな!
— あさひのぼる (@noboruasahi) January 27, 2023
イラスト川柳 pic.twitter.com/qwge342U3o