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㉙学校寄席~師匠六代目笑福亭松鶴とわたし:笑福亭鶴光

笑福亭鶴光

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落語の基礎は、上方も東京も『寿限無』なのだそう。この『寿限無』はeテレの番組『にほんごであそぼ』でとても有名になりました。有名になると、出演依頼も増えるもので。特に学校寄席が増えたそうです。

今回は笑福亭鶴光師匠に学校寄席でのエピソードをつづっていただきました。ベテランの笑福亭鶴光師匠でもタジタジになってしまうことがあったとのこと。それは……。お楽しみください!

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学校寄席

学校寄席といえば、こんなことがありました。

落語のまくらで、「八っつあん、熊さん、ご隠居さん、人の良いのが甚兵衛さん。馬鹿で与太郎なんてのが出てまいります」と言いますと、今までシ~ンとしてた学生がわぁ~っと笑った。後で聞いたらそこの校長の名前が鈴木与太郎さんだったそうです。

テレビ番組で有名になり、学校寄席の定番のネタ『寿限無』と言うお話には色々教訓が入っています。

話の中で、このようなくだりがあります。

ある池で五、六人子供が遊んでた、一人が誤って池に落ちたら「えらい事や友達の良夫君が池に落ちた助けて~」大人が駆けつけて助けてくれる。所が寿限無になるとそうはいかん。

「えらい事や 友達の 寿限無 寿限無 五劫の擦り切れん 海砂利 水魚の 水行末 雲来末 風来末 食う寝る所に住む所 やぶらこうじぶらこうじ パイポ パイポのシュウリンガン シュウリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助があ~溺れてしもうた」

つまりこの噺が言いたいのは、人間と言う者は完璧は駄目ですよ。全知全能は神のみ、「少し欠点が有った方が人として魅力が有りますよ」と言う事が言いたいんですね。

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こう言う話は昔はお年寄りが教えた。囲炉裏に子供を集めて昔話をしていました。昔話には教育で教えない人情・愛・礼儀、色々な要素が詰まってる。 

囲炉裏が無くなり囲炉裏話も消えた。

両親との同居が、孫におとぎ話を添い寝しながら聞かせた。私もお爺ちゃんに聞いたおとぎ話を未だに覚えてます。

秋の終わりころ木の上で、栗が寒い寒いと震えてまして、横に居った柿が

「何を言うとるね、お前はいが着て渋着て皮着て、何が寒い わしなんか皮一枚じゃ」

言うたら下から松茸が「わしはふんどしもせんと丸裸じゃ」

この話を聞かされたのが、下ネタへの第一歩やったかも。

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学校寄席では生徒に質問コーナーと言うのが有って、自由に発言させる。

「僕は漫画のサザエさんを毎週10年間見てますがサザエさんの息子のタラちゃんは、いつに成ったら小学校に行くのでしょう?」

答えに困る。

「ニュースで道路の渋滞が何キロとよく言いますが、あの時の先頭の車は一体何をしてるんでしょう?」

もっともな意見。

「都会から故郷へ、故郷から都会へこれをUターンと言いますがUなら帰って来れない。本当はOターンが正解では?」

考えさせられる。

「朝目が覚めた時 あ~良く寝たと言いますが あれはよく起きたでは?」

う~ん。

「安全カミソリで手を切った。これどこが安全?」

安全の定義が。

「ニュートンはリンゴが落ちるのを見て万有引力の法則を発見しました、その時青森や山形の人は何をしてたのでしょう」

もう勘弁してくれ。

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