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弟子が来た~SFと童貞と落語:笑福亭羽光

笑福亭羽光

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ついに、笑福亭羽光師匠にお弟子さんができたのだそう。さて、どのようなシチュエーションでお弟子さんは弟子入り志願をされたのでしょうか。その時の様子を、羽光師匠ご自身につづっていただきました。

このお弟子さんの初高座も決まっており、今からとても楽しみです。

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弟子が来た

2023年も終わりに近づいた12月7日(木)、名古屋の図書館での落語会の後、主催者の車に見台や座布団を搬入していた。スタッフは主催者一人だけなので、演者である僕も、舞台セットの搬出を手伝っていたのだ。そこに真面目そうなサラリーマン風の青年が近づいてきた。異様な程の緊張感を発している。

弟子入り志願かも……と直感で判った。

荷物を運んでいる最中で、一緒に作業している主催者は急いでいる。

あとにして欲しい……という態度をとると、すぐ離れていった。

「え?ひょっとしてあの人弟子入り志願ですか?」

主催者に聞かれたが、「さあ」と答える。

それにしても、僕が、今主催者と片付け中であり、その主催者も急いでいるから、後にして欲しい……という内容の事を言葉を発せず、態度で示しただけなのに、すぐ状況を把握して遠慮して、離れていく……とは、凄い状況判断能力の持ち主だ……僕の匙加減が判る人物だ……と感じた。

その瞬間、この青年と縁を切ってはいけない……と感じた。

僕は、離れていった青年をおいかけて、声をかけた。

やはり弟子入り志願で、履歴書を持参していた。高級日本酒の獺祭を手土産にくれた。

その瞬間は、搬出で急いでいたので、後で連絡する旨を伝え、別れた。

履歴書には、横浜出身、長崎大学卒と記されていた。

僕は、記されていたアドレスにメールし、さっそく喫茶店で会う約束をした。

真面目を絵にかいたような青年で、暗さと闇をもっているように感じた。

入門にあたり、芸術協会所属の前座として4年間休み無しで働かないといけないが、大丈夫かどうか確認した。

10日後の12月18日、上野広小路亭に出演されていた師匠鶴光に挨拶に行き、弟子をとる許可を頂く。

師匠は、やはり芸名に羽の文字を入れた方が良いという事で、考えてくる事になった。

正式に入門が決まった旨を弟子に連絡し、自宅で着物の着方とたたみ方を教える。弟子は、動画をとって、僕の着物たたむのを真剣に見ていた。

古典落語【秘伝書】【狸さい】を稽古する。

12月24日、世間はクリスマスで盛り上がる中、僕と弟子になった青年は、落語芸術協会事務局に履歴書を提出し、2月下席から楽屋入りが決定する。

名前候補も、羽じ虫、羽々太郎。羽衛門、キングクリムゾンなど、ふざけたものから、真面目なものまで候補があったが、結局羽太郎(はねたろう)となった。

年が明けて1月8日の一門会で、一門全員に挨拶させる為に、にぎわい座一門会に連れていった。エンディングの手締めにも羽太郎は、呼んでもらい、一門の御客様200人以上にお目通りとなったのだ。

終演後、相模原で快楽亭ブラック師匠との会だったので、連れていって楽屋で働かせた。

2月12日、相模原の橋本駅で初舞台の予定である。

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ほーむばるITADAKI落語会~はしもと落語会#21

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日時:2024年2月12日(月・祝)、18時30分開演(18時開場)
会場:ほーむばるITADAKI(相模原市緑区橋本3-9-15)相模原駅北口徒歩4分
出演:笑福亭羽光、笑福亭羽太郎(2席ずつ)
料金:2500円(ワンドリンク付)、終演後の懇親会は別料金(飲み放題付き4500円)
お問い合わせ・ご予約:042-813-9707(ほーむばるITADAKI)