先日お知らせをした「鶴笑一門vs文鹿一門」。謎のベールに包まれたこの落語会に、寄席つむぎもお邪魔してきました。笑福亭鶴笑師匠と桂文鹿師匠、濃い噺家さん2人のお弟子さんたちですから、一筋縄ではいきませんでした。
お楽しみください!
伝説の始まり
令和3年6月25日(金)に「鶴笑一門vs文鹿一門」は開催されました。心配されていた雨は開場まで降らず、一安心。
会場には満員のお客さんが今か今かと首を長くして待っておられました。
最初、桂雪鹿さんが前説で登場。バラエティに富んだ注意事項を披露してくださり、客席を温めます。
注意事項の後は、全員集合してご挨拶。今回の会の趣旨を桂文鹿師匠から伝えられます。今回は全編撮影OK、どんどんSNSにアップしてくださいとのこと。お客さんはこぞってスマホを構えます。
いよいよ本番。トップは一番年季の浅い笑福亭笑有さんかと思いきや、文鹿一門の大将・桂文鹿師匠の登場です。これにはビックリ。
昭和44年生まれの文鹿師匠。この年代は暴走族が多かったのだそう。元・舞鶴の暴走族だったという笑福亭飛梅さんから教えてもらったという各地のコール(バイクのエンジン音)を披露してくださり、その流れで新作落語『俺たち暴走族』を。
お客さんは手を叩きながら大笑い。大いに盛り上がります。
引き続いて笑福亭笑生さんの登場です。噺家としては芸歴2年目であるものの、それ以前は吉本で漫才をされておられたのだそう。
今は落語ですので、一人での芸。それがとても楽なのだそう。コンビなんてあんな大変なことをよくしていた等、フリートークで客席を沸かせます。巧みな話術はさすがとしか言いようがありません。
座布団に触れていたら落語
今度は桂白鹿さんが高座に上がられます。
「ちゃんとした古典落語がないと思っていたでしょう」とおっしゃり、3日で覚えたという『紀州飛脚』を。ちゃんとした古典落語とはいえ、この噺はバレ噺。小さなお客さんもおられたので、卑猥な単語はぼやかしながら進めていきます。客席ではこらえきれなくなり吹き出すお客さん続出でした。
続いて笑福亭笑有さんが高座に上がります。入門して2カ月で、ある意味過酷な落語会に出演ですから大変です。
「ちゃちゃっとやって、ちゃちゃっとスベって帰ります」
と言う笑有さん。なんのなんの。入門2カ月とは思えない堂々としたものでした。
お笑いが好きだという笑有さんは、一人で漫才師・ミルクボーイさんたちの漫才を。落語のようで漫才の間という新たな挑戦をされました。ネタの中で鶴笑一門をディスるディスる。これがまた面白いんです。
雪鹿ラジオの公開収録もあったんですよ。鶴笑一門・文鹿一門のお弟子さんたち4人で行われました。
この4人の共通点は、『東の旅の発端』をやっていないことなのだそう。この時の様子は以下のリンクから聴くことができますよ。
いよいよ笑福亭鶴笑師匠の登場です。
高座には上がらず、客席の前に。座布団を時折触れながら「座布団に触れていたら落語です」と。
鶴笑師匠は押し入れから引っ張り出してきたという、小物を使って芸を披露してくださいました。お客さんも参加されたんですよ。
小物がたくさんあったため、楽屋に帰る際は座布団で包んで持って帰ります。でも、楽屋のドアが閉まっていて、鶴笑師匠は焦っておられました。「開けてー!」という声に、お客さんはまた大喜びです。最後の最後までサービス精神を忘れない鶴笑師匠でした。
仲入り後も大暴れ
仲入り後は桂雪鹿さんが高座に上がられます。元小学校教諭で、今も非常勤講師として小学校に勤めておられるとのこと。そんな雪鹿さんが披露してくださるのは、童貞の男性が初体験をプロの手で経験するというもの。
小学校の先生が明るく性の噺をされる。面白くないわけがありません。お客さんは爆笑につぐ爆笑でした。
雪鹿さんのあとは、笑福亭笑生さん2回目の登場です。
元はプロボクサーでもあった笑生さん。ボクササイズを客席と一緒に行います。
その後は、帽子に付けられた「コロナ」と書かれたボールを打つ芸(?)を披露してくださいました。見ている分には失礼ながら地味ですが、かなり難しそう。顔を真っ赤にされながらの熱演(?)でした。
ボクササイズのあとは、2回目の笑福亭笑有さんです。
未来日記(願望)を披露してくださいました。来年には国宝になっているようです。お客さんは笑う笑う。もう何が出てきても面白い状態です。
今日はルール無用
実はここから取材メモがありません。笑うことに必死になり、メモを取るのを忘れました。それだけ面白かったんです。
笑有さんのあとは、文鹿師匠の登場です。前半に披露された『俺たち暴走族』の続編をぬいぐるみだけでなく、笑生さんも使って(?)噺を盛り上げます。
この日はルール無用。高座に2人上がったって良いじゃない。
いよいよ鶴笑師匠の登場です。鶴笑師匠は安来節を落語に取り入れたネタを。
なんちゃってドジョウすくいではなく、本格的な安来節。確かな裏打ちをされた芸だからこそ、突飛な落語も練り上げられた芸になるのだと感じました。そういうサゲなの!?とビックリです。
ラストのトークコーナーも、雪鹿ラジオの公開収録。今度はお師匠さんお二方のトークです。
この時のトークは以下のリンクから聴けますよ。勝負はどちらの勝ちかは、雪鹿ラジオで聴いてくださいね。
次回9月4日、9月11日に門戸寄席 J:SPACEでお待ちしています!
もう最初から最後まで笑いっぱなしの「鶴笑一門vs文鹿一門」。次回は鶴笑一門会が9月4日(土)、文鹿一門タイトルマッチが9月11日(土)に開催されます。いずれも14時開演です。
お問い合わせは門戸寄席まで。070-3603-3192 jspace_event@yahoo.co.jp