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⑨大阪での正月~SFと童貞と落語:笑福亭羽光

笑福亭羽光

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東京で活躍中の笑福亭羽光さんは大阪府出身。お笑い芸人をされている時は、大阪府でも活動されておられました。でも、20年ほど大阪を離れると……。

今回の笑福亭羽光さんのエッセイは、大阪人は反省してしまうかも。言葉を扱う仕事・落語家だからこそ気になる大阪人の言葉遣い、笑福亭羽光さんの感性を一緒に感じましょう。

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大阪での正月

 2020年大晦日。翌日の収録の為、大阪難波のホテルで年を越した。大晦日ぐらい贅沢しようと、関西ではちょっと良い寿司屋の【がんこ寿司】に食べに行き、飲酒した。酔ってホテルに戻って寝たら知らない間に年が明けていた。

 翌日は松竹芸能の本拠地である心斎橋角座に出演した。いったん東京に戻り、数日後大阪で収録の為、前日前乗りして難波にホテルをとった。

またせっかく一人で宿泊しているのだから、贅沢しようと、一人でフラッと外に出た。

どうも僕は、一人で旅に出て時間があると贅沢したくなるようだ。

難波は22時半頃、まばらな人出である。やはりコロナの影響か。大阪でお笑いやってた頃は、この辺りは凄い人だったな~等と思いながらかに道楽の看板のあたりをうろつく。。

一人旅の雰囲気を味わいたくなって。安そうな串カツ屋に入った。

ドテ焼き……これは関西限定メニューだろう。東京のモツ煮込みの甘い版だ。

一人でカウンターで飲んでいると、横にタトゥーを入れたラッパー風の怖そうな4人組が座った。何気なく聞いていると、彼らの会話の端々に「しばく」とか「殺す」という言葉が出てくる。

 故郷を遠く離れて20年もたつと、大阪弁が異国の言葉のように感じる。怖くなって店を出て宿で寝た。

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